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「スーパーRCフレーム構法」による新発想
「柱・梁レス」フレキシブルマンションを実現
間取り変更の自由度大幅向上と耐久・耐震性確保を両立

平成12年3月13日 三井不動産株式会社、鹿島建設株式会社

 三井不動産株式会社(本社:東京都中央区 代表取締役社長:岩沙弘道)と鹿島建設株式会社(本社:東京都港区 代表取締役社長:梅田貞夫)は、「スーパーRCフレーム構法」により、高い制震効果を発揮しつつ、将来のリニューアル・リフォームに柔軟に対応し易いよう間取り変更の自由度を大幅に向上させた、新発想「柱・梁レス」フレキシブルマンション「芝パーク・タワー」(総戸数252戸、店舗4戸)を、東京都港区芝3丁目において実現いたします。

 近年、顧客の住宅に対する永住指向の高まりを受けて、耐震性、耐久性や強度など住宅の建築的性能や施工品質への関心が強まるとともに、将来的な家族構成の変化によるライフスタイルの変化にも柔軟に対応できる住宅を求める声が増大する一方で、社会的にも環境への配慮の観点から、建物としてのライフサイクルが長く、多様なライフスタイルの居住に適合する住宅の必要性が高まっています。

 三井不動産は、従来より「港区芝三丁目東地区」において、豊富な開発ノウハウを結集し再開発計画を推進、都心高度利用を図ってまいりましたが、まさにその利便性に富んだ都心稀少立地に建つ「芝パーク・タワー」において、近年のこうした顧客の指向や社会的要請に対し先進の高度技術導入をもって応えるため、耐震性を持ちつつ住戸部分に柱や梁の少ない住居空間を可能とする、鹿島の「スーパーRCフレーム構法」を採用することといたしました。

 これにより、三井不動産は、本物件で、地震時の安全性や長期にわたる高度の耐久性を確保するとともに、設備用パイプシャフトを専有部内から共用廊下へ集約したこと、および、電気配線や配管を自由に通すことができる二重床・二重天井を採用したことと相まって、建物維持にとって重要な設備改修を容易にし、将来的に間取り変更が必要になった場合でも、柱・梁、パイプスペース、配線・配管等の制約を受けることなく、プラン変更を格段に自由かつ容易に行えるようにいたしました。

 また、三井不動産は、「芝パーク・タワー」において、真の都心生活者に必要な充実した付加価値サービスの提供や商品企画の実現にも注力いたしました。
 その一つが、「リバーシティ21」(東京都中央区)や「オーキッドコート」(兵庫県神戸市)など今まで同社の都心型大規模ハイグレードマンションに限って導入された、居住者にホテルライクなホスピタリティを提供する「コンシェルジュサービス」です。建物エントランスのフロントデスクに、管理人とは別にコンシェルジュがスタンバイし、生活情報サービス、クリーニング取次ぎ、宅配便の配送、交通時刻案内、タクシー・ハイヤーの配車、食事食材のケータリング取次ぎなど多種のサービスを提供します。都心生活者を意識した共用施設としては、約800本の貯蔵が可能な「ワインセラー」を設けており、来客宿泊用の「ゲストスィート」、バーカウンターやシアター機能も装備した「パーティースクエア」などとともに、友人を招待してのパーティーシーンを想定した設備を充実させています。また、急速に普及するEコマースなど情報生活に欠かせないサービスとして、NTTの「OCN」およびテレビでインターネットが利用できる日本オラクルの「NCTV」を導入し、定額・低料金のインターネット対応を図っています。

 室内についても、三井不動産は、このグレードのマンションとしてふさわしい空間的な豊かさを提供しています。梁や柱が少ないすっきりとした空間に、高さ約2200mm〜約2550mmのハイサッシュをすべての住戸に採用するとともに、浴室は1600mm×2000mmを主体に最大1800mm×2200mmのサイズを用意しています。また、都心生活者の美意識、感性にかなう暮らしのために、室内を、コーディネートしやすいシンプルで洗練された「生成り」の空間にしつらえ、壁には天然素材の木を原料にした織物や紙のクロス、天然リノリウムなど、極力自然素材にこだわりました。さらに、都心生活を望むシニア世代をも意識したユニバーサル対応として、玄関、廊下、洗面室、トイレに手すり取り付け用下地を、バスタブ、浴室壁の2箇所に手すりを標準設置するとともに、浴室は、従来よりさらに床段差を低くした低床タイプを採用、浴室扉をはじめとする住戸内の建具等には安全ガラス(一部を除く)を使用しています。

 一方、鹿島は、かねてより同社の「スーパーRCフレーム構法」による「超高層フリープランハウジングシステム」にもとづいた、次世代まで永く住み継がれるストック住宅「100年住宅」の実現を目指してまいりましたが、今般開発した同システムによって「芝パーク・タワー」を施工することによりそれを実現しています。

 鹿島が開発した「スーパーRCフレーム構法」は、構造上の耐力部分を、通常の構法のように、建物内部に細かく配置された柱や梁に分散して負担させるのではなく、(1)建物コア部分の「スーパーウォール」(構造壁)、(2)建物最上階の「スーパービーム」(大梁)、(3)建物外枠の「コネクティング柱」(支柱)の主要構造部に集中させ、「スーパービーム」と「コネクティング柱」を油圧式ダンパーの制震装置「HiDAM」によって連結させた超高層建築物構法です。
 この構法による主要構造部には、構造上の負荷が集中するため、床スラブには厚さ約300mm〜370mmの「アンボンドフラットスラブ」を、コンクリートには圧縮強度最大60N/mm2の高強度コンクリートを、さらに鉄筋については直径51mmの太径D51鉄筋を使用するなど、今までにない飛躍的に強度の高い構造材を採用しています。
 鹿島は、このような構造材を用いた施工の安全性と効率性を高めるために、独自の装置を開発して施工法を確立し、「芝パーク・タワー」において適用いたしました。

 「芝パーク・タワー」のこうした住宅性能は、「21世紀型住宅促進事業」、「高齢者対応住宅」の「100年住宅」としての基準に適合しており、三井不動産は、近く建設省の「センチュリー・ハウジング・システム(CHS)」の認可申請をする予定です。

 「芝パーク・タワー」は、このように、三井不動産の提供する充実した付加価値サービスと商品企画、および、鹿島の提供する優れた建築的性能がひとつになった次世代の長寿命都心居住型超高層マンションです。本物件は、平成13年6月完成を目指し、現在9階床部分、12階コア壁部分を鹿島によって施工中であり,3月25日から三井不動産によりモデルルームオープン、4月上旬から販売開始いたします。

以上

【「芝パーク・タワー」物件概要】

名称 芝パーク・タワー
所在地 東京都港区芝3丁目57番地(地番)
交通 都営三田線・浅草線「三田」駅 徒歩2分
JR山手線「田町」駅 徒歩7分
構造・規模 鉄筋コンクリート造 (スーパーRCフレーム構法)
地上25階 地下3階
総戸数 住戸252戸 店舗4戸
住戸販売戸数 分譲228戸 事業協力者24戸
専有面積 52.02m2〜168.56m2
予定最多価格 5,000万円台(52.70m2〜66.54m2) 7,000万円台(67.20m2〜82.40m2
10,000万円台(89.33m2〜91.32m2) (1,000万円単位)
販売 平成12年4月上旬 予定
建物竣工・入居 三井不動産株式会社
設計・施工会社 鹿島建設株式会社

(コンシェルジュの主なサービス)

  • ナショナル麻布スーパーマーケット等有名スーパーとの提携による生鮮品、飲料、調味料等の食材 の宅配サービス取次ぎ
  • クリーニングの取次ぎ
  • 宅配便の取次ぎ
  • DPE/各種印刷の取次ぎ
  • 交通時刻の案内
  • 地域情報サービス
  • タクシー/ハイヤーの手配
  • フラワーデリバリー取次ぎ
  • ハウスクリーニング紹介
  • コピー/FAXサービス
  • ケータリングサービス
  • ミニメードサービス取次ぎ
  • 引越し会社/リフォーム会社紹介
  • 中元歳暮カタログギフトサービス
  • レンタルサービス
  • グッズ(日常品)販売

【スーパーRCフレーム構造の概念図】

【芝パーク・タワーの完成予想図】

【施工中の芝パーク・タワー外観】

【室内に柱梁のないすっきりとした空間(スケルトン)】

【芝パーク・タワーのモデルルーム】