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底地・借地の問題解決について底地・借地の問題解決について

Date:2016年6月号/執筆者:秋池 雅之

O様(男性:78歳)からのご相談 O様(男性:78歳)からのご相談
先祖代々引き継いできた土地を所有していますが、昔からの底地(貸宅地)で、地代収入が低いうえに固定資産税等の負担が重く、相続税のことも心配です。また借地人が地代を滞納したり、更新料を払ってくれなかったりして管理が大変なので、いっそのこと処分してしまおうと思い調べてみたら、相当前から境界の問題で揉めていて権利関係の整理ができていないことがわかりました。どうしたら良いでしょうか?
コンサルタントからの回答 コンサルタントからの回答

早めの準備で底地の生前処分を

底地を所有している場合には一定の地代収入を得ることはできますが、関東圏では一般的に住宅地の地代は固定資産税の3倍程度、商業地のそれは5倍程度が適正価格とされていますので、資産運用効率が低いのが実態です。また古くから貸宅地を所有している地主さんの場合には、地代が不当に安いことや滞納・更新料支払い等のトラブルが発生した際にもビジネスライクな対応ができずに苦労されていることが少なくありません。相続等を見据えると、相続人に引き継ぐ資産としての健全性や納税資金の確保の観点からも底地はなるべく生前に処分するようご検討いただくことが望ましいのではないかと思われます。

底地を生前処分するうえでの留意点

お取引されている銀行からのご紹介でO様のご自宅を訪問させていただいたのは3年前のことです。約40年前にお父様が亡くなった際の相続税を納付するため、相続した土地の中からかなりの土地を売却されていましたが、それでもまだその何倍もの広さの土地を所有しておられました。売却した土地にはマンションが数棟建ちましたが、その周辺には当時からの底地が今も残っている状態でした。古い戸建やアパートが建つその土地は、昔の測量方法によって作成された公図をもとにしているため、現況測量を実施してみると形状や面積が正確でないことがわかりました。また境界と関係なく建物が建てられていたため、隣地と境界で揉めている状況でもありました。

レッツに相談される前からも個別に弁護士や測量士に依頼されていたそうですが、自分が納得できるように処理が進まず、問題解決に至らなかったのだそうです。ご自身も状況をきちんと把握できていなかったことや弁護士等に任せっきりだったことを後悔しておられました。

O様の話を傾聴していくと、40年前の相続は突然の出来事で全く準備できていなかったこと、畑ならすぐにでも売れると聞いて安易に決めてしまったこと、借地も売ろうと思えば売れたが、交渉がわずらわしく手を付けなかったこと、借地人や隣地所有者とは顔を合わせて話をすることもできないほど関係がこじれてしまった状態であることがわかりました。 レッツではO様に代わりそれぞれの利害関係者と面会させていただき、レッツと日々連携している弁護士や測量士(土地家屋調査士)と共に個別交渉を重ね、当事者の事情を客観的に把握したうえでO様に報告しました。その際に税理士から相続対策に関してのアドバイスもいただきました。

それぞれの解決策を効果的に実行すること

滞納問題については、弁護士を通して内容証明による地代の請求(支払いの催告)と併せて、期間内に支払いがなかった場合には契約を解除する意思があることを通知しました。ある借地人とは未払いの状態が10か月を経過した時点で契約解除することができました。また別の借地人とは契約に違反する事実を記録として残すことにより信頼関係が破壊されたと認められ契約解除に至りました。

その滞納問題の解消の間に並行して測量士が現地を調査し、境界確定業務や分筆登記業務を完了させました。その結果、ある借地では契約書の賃貸面積より実測面積の方が大きいことがわかり、地代増額交渉をおこない、先方の事情も考慮し、底地と借地の交換を実現させることができました。またある土地は借地権解除に伴い新たに戸建賃貸住宅を建築し、収益性の高い賃貸経営ができるようにもなりました。

このように底地の整理、収益性の向上に際しては、借地人・隣地所有者・土地家屋調査士・弁護士・税理士など、様々な関係者が登場します。こういった関係者を有機的に結び付けて、前に進めていくことが重要となります。レッツではそれらの各業務をひとつの流れの中でまとめるコーディネーターの役割として、ご相談者のご要望に沿った解決策を立て、メリット・デメリットを整理してご提案させていただいています。底地・借地の問題でお困りでしたら、ぜひレッツにご相談ください。

※本記事は2016年6月号に掲載されたもので、その時点の法令等に則って書かれています。

秋池 雅之
三井不動産(株) レッツ資産活用部 秋池 雅之
1988年入社。主に戸建住宅分譲事業に従事し、宅地開発事業、区画整理事業、市街地再開発事業等の経験を得て現職。宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、相続アドバイザー。

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