不動産投資expertへの道不動産投資expertへの道

出口戦略を考える出口戦略を考える

レッツプラザ2016年10月号/執筆者:齋藤 裕介

「流動性」を意識する

不動産の「流動性」とは、その種別、立地、規模など様々な要素で決まります。不動産投資においては一般的に、需要が多く見込まれる不動産は「流動性」が高く、より高値で売却できる傾向があります。一方で、そのような不動産は当然取得時点の価格(利回り)にも反映されていますので、保有期間中の利回りは相対的に低くなり、いわゆるローリスク・ローリターンという安定性を期待する投資となります。 投資用不動産の出口戦略を考えるためには、マーケットやキャッシュフローの変動など、売却時の「流動性」を損なうような内在するリスクを顕在化させておき、どのような性質、どの程度の量までのリスクなら許容できるのかを、充分整理しておくことがキャピタルロス(譲渡損)をコントロールするためのポイントでしょう。

出口戦略のシミュレーション

出口戦略を具体的に考えるためには、「誰に」、「どのようなアプローチで」、「どの程度の期間やコストをかけて」、「いくらで売却するか」というシナリオを考えますが、不動産マーケットや社会情勢など不確実な外部環境に影響を受けるため、実際の売却時の状況に対応できない場合があります。これを避けるためには、物件選択のときから、あらかじめどのような出口戦略が考えられるかを念頭においたシナリオを複数用意しておくなど、状況に応じた対応策を準備しておくことが理想的です。

例えば、築年数の経過した一棟マンションを長期間保有する場合で考えてみましょう。老朽化した建物ごと売却するより、建物を解体して更地にした方が容易に売却できるケースもあります。その場合、あらかじめ解体コストを見込んでおく必要がありますし、解体前提の場合は、賃貸借契約の内容にも注意し、賃借人にスムーズに退去いただく方法を考えておくことも重要です。

築年数の浅いアパートを中期的(10~15年後)に売却する場合はどうでしょう。一般的にはアパートは耐用年数が短いため、投資期間の経過とともに、取得当初はさほど気にならなかった修繕費が予想以上にかかるようになります。そのため売却にあたっては、買い手から今後予想される設備の交換や防水工事等でかかるコストを売却価格で調整して欲しいと要求されることも充分考えられます。アパートはマンションと比べると築10年以降のメンテナンスコストが増えることや、日々の管理・修繕をきちんと実施することが修繕費の抑制につながることを認識しておく必要があるでしょう。

また、売却にあたって、一戸建て用地とマンション用地とどちらが優位性のある価格提示ができるのか、さらには一戸建てと賃貸マンションでは需要面、経済面でどちらが優位なのか、どのような購入相手(開発業者など)がいるかなどをリサーチしておくことが、キャピタルロスのリスクを低減することにつながります。

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