レッツプラザホーム > 資産活用 > 妹と共有している賃貸マンションが重荷に……
世の中には「持つ者」と「持たざる者」がいます。 「持たざる者」からみれば、不動産の悩みなんて贅沢な悩みに見えるでしょう。 でも、今は「不動産を持っているだけでバラ色」とはいきません。 不動産はうまく活かして初めて、持ち主をハッピーにする資産に「なる」のです。 このコラムでは、そのための頭の整理方法と問題解決のヒントをご紹介します。 さて、今回は、親から相続した賃貸マンションを、ドライな妹さんと共有している玲子さんの悩みです。
「私は3人兄弟。割合仲がよかったから、母が亡くなったときも、兄の意見に従って兄が実家の家屋敷と事業を継ぎ、私と妹は古い賃貸マンションをもらったの。価値からすれば公平じゃないけど、やっぱり兄は長男だし、そんなことで兄弟がもめるのも嫌でしょ。それになんといっても「棚ボタ」なんだし……。
賃貸マンションの家賃収入は、妹と分けても年間400万円。独身の私にとっては、将来の私的年金みたいでありがたかったわ。私が勤めている会社って考え方が古くて、いくら働いても女は課長以上になれないし、公的年金だってあてにならない時代ですもの。
ところが、昨年くらいから急に空室が増えたり、家賃を滞納する人が出たり、排水管が詰まったり、トラブル続き。調べてもらったら、配管関係も外壁も相当傷んでいて、リニューアルには少なく見積もっても2,000万円はかかるというの。ダブルショックよ、賃貸経営なんて初めてだから、修繕費なんて積み立てていなかったもの。
妹に電話したら、「そんな費用を払うくらいならいらないわよ。私の持ち分、お姉ちゃんが買い取るか、丸ごと売ってその半分をお金でちょうだい。私、家を新築するのにお金がいるの」ですって。 「あんたって、昔から面倒なことは全部私に押し付けるんだから」って言ったら、「お姉ちゃんだって」と、昔のことまで言い募るから、つい、大ゲンカ。兄弟ゲンカしている場合じゃないんだけど……」
老朽化して手間も費用もかかるようになった賃貸マンションをどうするか。しかも、妹さんとの共有ということですね。このケースのように、相続のとき、分けられないからと共有財産にすることが多いのですが、実は共有財産はトラブルメーカーなんです。 まあ、今となっては過去のことを言っても仕方ありません。現状の問題を整理して解決策を考えましょう。
まず、玲子さんが妹さんの持ち分を買い取るにせよ、売却するにせよ、専門家に依頼して現在の市場価値を調べてもらうことが先決。売却する場合は、売却益に税金や仲介手数料がかかりますから、それらを差し引いた手取り予想額も出してもらいます。また、そのままの状態で売るか、2,000万円かけてリニューアルして利回りを高めて売るか、どちらが得か、シミュレーションしてもらうことも必要ですね。
玲子さんが妹さんの持ち分を買い取って賃貸経営を続ける方法も考えましょう。立地や老朽度にもよりますが、等価交換方式で建て替える方法もあります。
いずれにせよ、悩むばかりで手を打たなければ、不動産の価値は落ちるばかり。不動産のプロに相談して、玲子さんがとりうる選択肢を洗い出し、それぞれのシミュレーション結果をもとに自分のライフプランとも合わせながら検討することです。ドライな妹さんに対抗(説得?)するにはそれしかありませんよ。
不動産ジャーナリスト。1978年、青山学院大学卒。「住宅画報」編集、「住宅新報」記者を経て1995年に独立、専門誌や経済誌を中心に住宅・不動産関係の記事を執筆する。