レッツプラザホーム > 資産活用 > 夫は年上、老後の暮らしが心配です
世の中には「持つ者」と「持たざる者」がいます。 「持たざる者」からみれば、不動産の悩みなんて贅沢な悩みに見えるでしょう。 でも、今は「不動産を持っているだけでバラ色」とはいきません。 不動産はうまく活かして初めて、持ち主をハッピーにする資産に「なる」のです。 このコラムでは、そのための頭の整理方法と問題解決のヒントをご紹介します。 さて、今回は百合さん(51歳)のお話。ひとまわり年上のご主人の定年退職が近づき、老後の生活設計を考え始めましたが……。
「最近、悪いニュースばっかり。年金問題や世界経済の悪化、スーパーにいけば軒並み値上げでしょ。主人は国家公務員だから『安定していていいわね』なんて言われるけど、昔のように天下りもできないみたいだし、すっかり計画が狂っちゃったわ。
主人は霞ヶ関でもそこそこの地位。私の実家も裕福だったから広尾に家を建ててもらったし、かなりの財産も分けてもらった。はっきり言ってお金に苦労したことなんてなかったの。子どもたちも幼稚園から私立の付属。エリートコースよね。でも、そのために親からもらったお金もほとんど使い果たしてしまったわ。セレブな方たちとおつきあいするにはお金がかかるんだもの。
ところが、息子ったら一流企業を3年で辞めちゃうし、留学させた娘も家で親の脛かじり。これじゃ老後のゆとり資金なんて溜まるはずないわよ。主人も主人で、『退職したら、世界一周したいなあ』だなんて能天気なんだから……。こりゃ、自分でなんとかしなけりゃダメだって最近思うの。主人はひとまわり年上だから、生き残るのはたぶん私。90歳まで生きるとしたら、まだ、40年近くあるのよ。誰かが『日本は高齢社会じゃなく老婆社会だよ』なんてジョーク飛ばしていたけど、笑えないわよ。」
お話を聞いていると、百合さんの家庭にはセレブ気分が蔓延しているみたいですね。このセレブ気分を一掃することが先決。これからの30年、40年は何が起こるかわかりません。夫より長生きする可能性の高い私たち女性が主導権をとって老後の戦略を立てるしかありません。お子さんには十分な教育を与えたのですから、きっぱり子離れしてください。家から追い出して貧乏暮らしを経験させることです。
さて、百合さんにはまだ「持ち札」があります。ご主人の代わりに広尾の自宅に稼がせるのです。資産価値としては億単位でしょうが、このままでは固定資産税や修繕費が嵩むだけ。敷地に余裕があれば、洒落たアパートを建ててもいいし、敷地の半分を売却した資金で自宅を賃貸併用住宅に建替えてもいいでしょう。自宅を貸してコンパクトな賃貸住宅に移り、差額を老後のゆとり資金に充てたり、マンションに買い替えて差額を金融商品などで運用する方法もあります。
広尾なら、いずれの方法も可能だと思います。専門家に相談してそれぞれの事業シミュレーションをしてもらうと具体的なイメージが描けます。問題は「いつ実行するか」です。
収入があって、年齢も比較的若い今、実行するのがベストですが、男性って意外に保守的で戸建てにこだわる方が多いんですね。そんなわけで多いパターンが3。1や2を強行した方に聞くと、「誰があなたの老後の面倒をみると思うの」という脅し文句がよく効くそうです。ご参考までに。
不動産ジャーナリスト。1978年、青山学院大学卒。「住宅画報」編集、「住宅新報」記者を経て1995年に独立、専門誌や経済誌を中心に住宅・不動産関係の記事を執筆する。