
|
 |
 |
 |
世の中には「持つ者」と「持たざる者」がいます。
「持たざる者」からみれば、不動産の悩みなんて贅沢な悩みに見えるでしょう。
でも、今は「不動産を持っているだけでバラ色」とはいきません。
不動産はうまく活かして初めて、持ち主をハッピーにする資産に「なる」のです。
このコラムでは、そのための頭の整理方法と問題解決のヒントをご紹介します。
さて、今回は、資産はあるのに「お金を使うことに罪悪感を感じて使えない」という未亡人、静江さん(70歳)のお話です。
|
 |
 |
「5年前に夫を亡くし、2人の娘も結婚して家を出ました。今は練馬の一戸建てでひとり暮らしをしています。夫の遺産もありますし、娘たちも『もっと人生を楽しんで』と言いますが、どうしても『貯蓄は美徳、浪費は罪悪』という感覚が抜けません。
夫の実家は、昔、この辺りの豪農で、戦後は手広く商売もしておりました。バブルのときに不動産投資や建売住宅の開発などにも手を広げましたが、バブル崩壊で状況は一変し、借金の整理に先祖代々の土地建物の多くを充てました。夫はこのときの心労で寿命を縮めたのだと思います。
それでも、今の値段で3億円くらいの土地や建物が残っていますが、夫の失敗を見ていたので、アパート経営などを勧められても怖くてできません。かといって、ご先祖様に申し訳なくて土地を売る決心もつきません。同年配の方が旅行したり、趣味のサークルに入って楽しく老後を過ごしている様子を見ると羨ましく思いますが、預金通帳の残高が減ると気が滅入ってしまう性分なので動き出せません。
でも、私ももう70歳。元気に楽しめるのはあと10年くらいでしょう。本当はこの性分をなんとかして、もっと人生を楽しみたいのです。どうしたらいいのでしょう。」
|
 |
 |
|
資産があるのに使えない。……羨ましいようなお話ですが、ご本人にすれば深刻な悩み。おっしゃるように、アクティブに人生を楽しめる時期に預金通帳を眺めて何もしないなんて実にもったいない話です。
ある資産税のコンサルタントからうかがった秘訣を伝授しましょう。
静江さんが楽しくお金を使えないのは、預金残高が減るのが不安だから。こうした漠然とした不安は資産の多寡に関係なくあるようです。こうした場合は資産を分けて考えると割り切りやすくなります。
まず、資産を3つに分類します。ひとつは使い切ってしまう資産、もうひとつは稼がせる資産、最後が遺す資産です。単純化していえば、『1億円を使い切り、1億円相当を運用に回し、1億円相当をお子さんたちに遺す』と決めます。遺す資産は2人に均等に分割できるようなものにします。運用する資産は不動産活用でもいいし、売却して現金で運用してもいいでしょう。専門家に相談してベストな運用方法を考えます。利回り5%で運用できれば年間500万円、3%でも300万円のお小遣いです。これはプラスαのお金ですから、心置きなく使えますね。たとえ運用に失敗しても、遺す資産や生活費は別にとってあるのですから、くよくよしないことです。
使う資産に分類した1億円は預貯金か、不動産を売却してつくります。未亡人に多いケースは、自宅を売却して駅前などの便利な場所でマンション暮らしを始める方。将来を考えたら、お嬢さんの近くに引っ越すのもいいですね。環境を変えることは新しい人生を始めるきっかけになりますし、ご先祖様の束縛からも解き放たれます。
何事も、初めの一歩が一番大変です。でも、動き始めたら意外にすらすらと進むもの。本当に人生を楽しみたいと考えていらっしゃるなら、専門家の力を借りて第一歩を踏み出しましょう。悩んでいる間も人生のカウントダウンは続きます。それに、このまま何もしなければ、静江さんが守ってきた資産の多くは相続税で国に召し上げられてしまいます。ご自身のため、ご家族のため、お友だちのために気前よく使えば、まわりからも喜ばれ、相続税もかかりません。相続税の最大税率は50%ですが、消費税なら5%。女性の70代はまだまだ元気で美しい。第二の人生を謳歌してください!
|
|
| 2008/11/13 |
 |
|
 |
|
|
 |
|
|