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世の中には「持つ者」と「持たざる者」がいます。
「持たざる者」からみれば、不動産の悩みなんて贅沢な悩みに見えるでしょう。
でも、今は「不動産を持っているだけでバラ色」とはいきません。
不動産はうまく活かして初めて、持ち主をハッピーにする資産に「なる」のです。
このコラムでは、そのための頭の整理方法と問題解決のヒントをご紹介します。
さて、今回は、若い世代の登場です。親の価値観に反発する優香さん(26歳)です。同世代の子どもを持つ熟年世代にはちょっとショックな話かもしれません。
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「厳しい状況なのに、留学先のアメリカで就職が決まりました。私の希望する職種です。採用の連絡があったときは飛び上がりました。早速、千葉の父や母に早速電話したんです。そうしたら、父は「戻ってこい」と言うし、母は泣き出すし、予期していなかった反応に、私もパニックになってしまいました。留学を終えたら、家に戻って結婚し、家業を継ぐと思っていたみたいです。
「優香ちゃんのために、二世代住宅に建替えたのよ」と母。私には父や母の世代の感覚が信じられません。アメリカにいる従兄弟とも話しました。私たちは小さい時、祖父母の家で一緒に遊んだ仲です。互いに一人っ子でしたから、姉妹のように仲がよく、ずっと友だちでした。でも、祖父が亡くなり、その後に祖母が亡くなった時、相続問題でもめ、互いの親たちはそれ以来口もききません。だから、従兄弟と会っていることも親には話していません。
私の留学費用は祖母が出しました。「世界を見なさい」と励ましてくれた祖母。でも、父や母は私の留学を花嫁修業みたいに考えています。私は世界を見てしまいました。実力で行きていく自信があります。人生の目的も見つけ、考えを共有するアメリカ人の恋人もいます。私はもう、父と母の「可愛い優香ちゃん」を卒業したのです。実家は千葉で賃貸業を経営し、借地もあります。でも、それは父と母の事業です。事業を継ぐ気持ちはありません。私は間違っていますか? たとえ「日本の常識」では間違っていても、もう、私は「日本の常識」を許容できません。父と母は愛しています。私の気持ち、なんとかわかってほしい……。」
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優香さんの親御さんは50代後半か60代前半、団塊の世代でしょう。この世代は、封建的な社会に反抗して激しい学生運動をした世代です。優香さんの生き方はその世代の思想を成就した姿のように私には思えます。日本にもこんな世代が誕生したことを嬉しく思います。アメリカ人でも就職が難しいなかで、希望の職種に就けたのは凄く頑張った証です。私があなたの親ならば、「ヤッタネ!」とシャンパンで乾杯です。
ただ、日本の地域社会のなかで長く暮らしていれば、その社会の価値観に左右されるもの。あなたがアメリカ社会の価値観を受け入れたように、ね。地域社会はその枠を外れた人間を受け入れません。ですから、お父さんやお母さんを責めないでください。今後、異なる価値観の社会に生きることになっても、親子の愛情や絆は切れてしまうわけではありません。
優香さんに「抽象論ばかりね」と指摘されそうなので、最後に具体論をしましょう。親がどう言おうと、あなたはあなたの途を歩みなさい。そうしないと後悔します。そして、冷静に自分の決断とその理由を自分の言葉で「手紙」に書きなさい。電話とかメールでは駄目です。親御さんは、あなたの手紙を何度も読み返すはずです。それに耐えうる手紙を書くのです。さらに踏み込めば、親御さんのどちらか残ったほうに介護が必要になったとき、あるいは亡くなったとき、自分がどんな行動をとればいいかをプランニングしてください。そこがあなたの正念場です。シェークスピアの「リア王物語」を読んでみてください。
ちなみに、私の母は89歳までひとりで暮らしを続け、ひとりで亡くなりました。知り合いや親戚からは「どうして子どもと暮らさないの」とか、「三津子さんは薄情ね」と言われていたようです。でも、母は「あなたも私も自分の人生を一生懸命生きているのだもの。他人がどう言おうと上等じゃないの」と言いました。私はその言葉を忘れられません。
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| 2009/02/26 |
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