Let's Plaza 三井不動産(資産活用) サイトマップ &EARTH 都市に豊かさと潤いを 三井不動産
文字サイズの変更 小 中 大
すまいとくらし
すまいとくらし
夫が田舎暮らしに憧れて……

「持てる」女性たちの贅沢な悩み相談室

夫が田舎暮らしに憧れて……

世の中には「持つ者」と「持たざる者」がいます。
「持たざる者」からみれば、不動産の悩みなんて贅沢な悩みに見えるでしょう。
でも、今は「不動産を持っているだけでバラ色」とはいきません。
不動産はうまく活かして初めて、持ち主をハッピーにする資産に「なる」のです。
このコラムでは、そのための頭の整理方法と問題解決のヒントをご紹介します。
さて、今回は、「老後は田舎で、自給自足生活を」というご主人の夢に眉をしかめる伸子さん(60歳、専業主婦)のお話です。

「主人は大手メーカーを定年退職後、子会社の役員をしていましたが、来年にはいよいよ引退します。私はゆっくり海外旅行でも楽しみたいと思っていたんですが、主人が『老後は田舎に移住して、大自然の中で自給自足の暮らしをしたい』と言い出しました。

東京生まれ、東京育ちの主人は、以前から田舎暮らしに憧れていたようです。すでに候補地(しかも、過疎の村ですって!)も探し出していて、目を輝かせて大自然の素晴らしさや人情の細やかさを語ります。今住んでいる都内の戸建てを売却し、古い民家を購入して大改造するつもりでいます。

私は、今さら見知らぬ土地で自給自足生活なんて考えられません。私は地方出身なので、田舎暮らしの不便さや人間関係の煩わしさも知っています。主人の育ちや性格からしても村社会にうまくとけ込めるとは思えません。はっきり言って主人の考えは甘い! まして、この家を売って、医療機関もない過疎の村に移住するなんて無謀としか思えません。

主人はお坊ちゃん育ちで、熱しやすく冷めやすいタイプです。これまでも、乗馬、キャンプ、釣り、スキー、スキューバダイビング、ゴルフなどに次々に熱中し、どれだけお金を使ったことか……。主人が稼いだお金ですから、趣味に使う分には文句は言いません。でも、今回は違います。私のこれからの生活がかかっているんですもの。主人の熱を冷ますにはどうしたら良いのでしょう。」

 伸子さんのご主人だけでなく、田舎での自給自足の暮らしに憧れている男の人って結構多いようです。しかし、実際に実行してうまくいっている例はそれほど多くはないみたい。地域社会にとって移住者はよそ者ですから、村の風習やコミュニティに馴染むのは相当な努力と忍耐が要りますし、農作業の大変さや自然の中での生活の厳しさは半端ではありません。都会育ちで、熱しやすく冷めやすいというご主人に、それを乗り越える忍耐と情熱があるかどうか、正直言って疑問ですね。

 もしも、私の相棒が同じようなことを言い出したら、1年~3年ほどの「お試し期間」を設けて、田舎に「単身赴任」させちゃいます。お試し期間中は貸家で十分。四季折々の自然の厳しさを体験し、男一人でも暮らせるくらいの生活の技術と知恵を身につけ、地元のコミュニティに馴染めるかどうかを実際に体験してもらってから、改めて移住の検討をします。その間に何度か様子を見に行って、自分自身の田舎暮らしに対する「耐性」を確認してから、ついて行くかどうかを決めます。

 その結果、田舎暮らしを選択したとしても、私なら「期間限定」で考えます。場所にもよりますが、比較的元気な60代、70代はともかく、片割れを亡くしたり、80代になった時もはたしてそこで暮らし続けられるでしょうか。そう考えると、都会の資産を売却して田舎の家の改造に資金を注ぎ込むのは考えものです。たぶん、田舎の家には買い手はないと思いますから。

 例えば、都内の戸建てを売却して、便利なところに小ぶりなマンションを買い、都会と田舎の二重生活を送るとか、田舎暮らしの間は都会のマンションを賃貸で運用するとか、万が一のときのセーフティーネットを都会に用意しておいた方が安心です。

 それにね、伸子さん、そう心配することはありません。ご主人が知ったら気を悪くしそうですが、独りっきりの田舎暮らしを経験すれば、たぶん熱は冷めると思いますよ。自然も人間関係もかなり手強いですからね。この際、正面切って反対するより、にっこり笑って「まずは一人で行ってらっしゃい。頑張ってね」と送り出し、つかの間の独身生活を楽しんでみてはどうでしょう。案外、こんな別居生活って新鮮かも!

 
2010/06/29

不動産ジャーナリスト。1978年、青山学院大学卒。「住宅画報」編集、「住宅新報」記者を経て1995年に独立、専門誌や経済誌を中心に住宅・不動産関係の記事を執筆する。

あなたを想うことからすまいとくらしページの先頭へ
copyright 2010 Mitsui Fudosan Co., Ltd. All Rights Reserved.
三井不動産のプロジェクト