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わらべが見た野なかのバラは紅匂い、淋しかった僕の庭に咲いたのも真っ赤なバラだったわけだから、「バラ」といえば、赤いそれを思い浮かべる人も多いことだろう。
しかし、品種改良が盛んに行われてきたこの花にはさまざまな色と、そして、その色ごとに異なる花言葉もある。たとえば、赤は「愛情」、白は「尊敬」、さらに、その作出が奇跡とも評された青いバラは「夢 かなう」といった具合だが、ポピュラーな黄色が実は「嫉妬」だったりするから、結婚祝いの類に贈るのは避けたほうが賢明だろう。
その色によってかくも意味を変えるバラだが、今回ご紹介する「ジプシー・キュリオサ」はとにかく移り気だ。このバラ、土に植えられた状態だと、まずは淡いオレンジ色のつぼみを付け、成長とともに徐々に色を深めていく。そして開花する頃には鮮やかなピンクへ、さらに時が経つと白みがかったグリーンへと、さながら流浪の民のごとくその色はひと所に腰を据えるということがない。
今回のアレンジでは、生育段階ごとに色や開き加減の違う花を30輪ほどニシキギの枝を組み上げたベースに飾り付け、咲き終えた花びらが散るさまもさりげなくあしらわれた。そこに浮かび上がる、生まれ、育ち、開き、そして散りゆく凝縮された花の一生。西洋の花というイメージが強いバラを使っているのに、床の間など和の空間にもなぜかしっくりと馴染むのは、日本人の遺伝子に刷り込まれた無常観、のようなものを呼び覚ますからかもしれない。
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| 2010/07/26 |
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