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世の中には「持つ者」と「持たざる者」がいます。
「持たざる者」からみれば、不動産の悩みなんて贅沢な悩みに見えるでしょう。
でも、今は「不動産を持っているだけでバラ色」とはいきません。
不動産はうまく活かして初めて、持ち主をハッピーにする資産に「なる」のです。
このコラムでは、そのための頭の整理方法と問題解決のヒントをご紹介します。
さて、今回は、資産家から結婚を申し込まれた未亡人、薫さん(58歳)のお話です。相手の方のお子さんや親族は大反対。自分のせいで親子が不仲になるのは避けたいと悩んでいます。
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「夫を癌で亡くして20年になります。子どもができなかったことが原因で、夫婦仲は冷えきっていました。私はその後、知り合いの画廊に勤めながら、ひとり暮らしを続けています。若い頃に画家の道を志していた私にとって、美術に関わる仕事は楽しく、やりがいもありましたから、再婚話に心を動かされることもありませんでした。
ところが、51歳のとき、生涯を共にしたいと思う男性に出会いました。画廊の昔からのお客さまで、ご自宅に絵をお届けしたことをきっかけに、美術について話が弾み、時々お食事や映画もご一緒するようになりました。最初は、奥様を亡くされた寂しさを紛らわすために、話し相手としてお誘いくださるのだろうと思っていました。でも、話せば話すほど惹かれ合い、お会いする日を心待ちにするようになりました。
相手の方は67歳です。ある大手企業の社長に見込まれてご令嬢と結婚し、経営を任されました。4人のお子さんにも恵まれて、今はご長男が会社を継いでいます。7年の交際を経て、結婚を申し込まれましたが、お子さんやご親族は大反対。財産目当てと思われたようです。
私のせいで、親子の仲が険悪になるのは辛いです。「このままでいい」と言ったのですが、「子どもたちがなんと言おうと、あなたと一緒に残る人生をすごしたい。正式に結婚して、あなたが後々困らないようにしておきたい」と言います。立派なお屋敷に住みたいとも、贅沢をしたいとも思いません。共白髪になるまで穏やかに暮らせればいいのです。好きな人のために手料理をつくり、楽しく語り合いながら食事をしたい。それだけが私の望みなのですが……。」
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神様は意地悪ですね。でも、やっと生涯の伴侶に出会ったのですから、再婚して幸せになってください。人生は長い。おふたりで人生を楽しむ時間はまだたくさん残されています。ただ、中高年の再婚は相続問題が絡みます。薫さんの相手の方は資産家なので尚更でしょう。相手のお子さんも納得し、おふたりの老後も保障されるような方法を探しましょう。
参考になる例があります。有名な資産家一族に婿養子に入った男性ですが、奥様を亡くされた後、お子さんやご一族の反対を鎮めて、70歳で再婚しました。その方法とは、都内の豪邸を売却して得た資金の半分を3人の子どもたちに贈与(相続時精算課税制度を活用)し、会社の株も後継者に譲るというものです。残金で自分たちの暮らしに合ったサイズのマンションを買うとともに、保有していた土地に賃貸マンションを建て、年金以外にも定期収入が入るようにしました。この一部は、5人のお孫さんたちの教育資金の一部にも充てています。
お子さんたちが、再婚に反対するのは、感情的な反発もありますが、遺産の取り分が減るという現実的な計算もあるのでしょう。先ほどの例では、生前に財産を分けることで経済的な不満や不安を解消したのです。で、どうなったかって? 皆、ハッピーになって、すっかり仲良くなりました。今ではお子さんたちも再婚相手の女性の人柄の良さを認め、大家族でハワイに遊びにいくほど和気藹々とした関係です。
お子さんたちの暮らしを想像してみてください。「子ども」といっても、もう、30代、40代です。家庭もあり、住宅ローンや教育費、交際費など、人生で一番お金がかかる頃です。いつもらえるかわからない遺産より、今もらえる現金は何倍かありがたいはず。しかも、父親の健康管理や介護の心配もなく、幸せそうに暮らしているのですから、冷静になって考えれば、文句のつけようがないではありませんか。
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| 2009/02/05 |
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