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物納許可基準の明確化
物納制度の改正目的の1つ目「物納許可基準の明確化」は、曖昧だった現金納付や延納による納税方法の選択基準と、様々な物納申請物件の審査基準という2つの物納許可基準が明確になりました。 改正後の物納制度では、「金銭納付を困難とする理由書」の中で「延納許可限度額」と「物納許可限度額」という計算式が新たに導入され、納税者毎に固有財産・給与所得・生活費等を基にその上限金額を計算し、物納申請や延納申請の上限金額を定めることになりました。ちなみに、この限度額を計算する際に国税局が定めた1か月の生活費は、『納税者1人10万円+同居親族1人当たり4.5万円』というもので、1人しか所得のない4人家族は月23.5万円以上の収入がある場合は、延納申請の支払いに充てなければならなくなりました。 このような生活費の基準では、相続税を納付する方々の実際の生活費水準を下回ることは明らかだと思いますが、この基準を原則として特に斟酌すべき理由がある場合は、月額生活費の明細を添付の上で「金銭納付を困難とする理由書」を作成するようになり、この審査が厳格になったことで多くの納税者が物納申請を躊躇したり、断念することが多くなったように思います。 もう一つは、物納できない財産「物納不適格財産」と後順位の財産の「物納劣後財産」を公表する事で、「引き算的手法」により物納申請財産の許可基準を満たす財産を明らかにしました。 これにより、旧制度から公表されていた「物納に充てることができる財産の種類及び順位」の内容も、以下のように変更されました。 ▼物納に充てることができる財産の種類及び順位
「物納不適格財産」の一例として、以下のものがあげられています。 ・担保設定がされている不動産 ・権利の帰属に争いがある不動産 ・境界が明らかでない土地 ・賃貸料の滞納がある不動産 ・他の不動産と一体として利用されている不動産や共有の不動産、 ・囲繞地で通行権の内容が明確でないもの ・耐用年数を経過して通常利用が困難な建物 等 「物納劣後財産」の一例として、以下のものがあげられています。 ・地上権、永小作権、耕作目的の賃借権、地役権又は入会権の設定されている土地、 ・法令違反により建築された建物及びその敷地 ・法令の規定により建物の建築ができない土地 ・建築基準法上の道路に2m以上接していない土地 ・開発対象面積以上の一団の土地で開発許可を受ける事ができない土地 ・劇場、工場、浴場など維持管理に特殊技能を要する建物及びこれらの敷地 等 これらの「物納劣後財産」は、先程の物納順位にもある通り、他に優良な相続財産にある場合は物納できないものと解釈されがちですが、優良な相続財産の賃料収入を基に延納申請を行っている場合等は、その優良財産を物納してしまうと延納申請の継続が困難となることから、「劣後財産を物納に充てる理由書」を提出することで劣後財産を物納することが認められる場合もあります。
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物納申請は、申請書の提出期限の翌日から起算して3ヶ月以内に許可ないし却下される
不動産コンサルタント。会計事務所向け不動産コンサルティング会社を経て独立。底地・借地の権利調整や物納条件整備業務を数多く手掛けるコンサルタントとして活躍中。