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義母の介護で心身ともにボロボロ

「持てる」女性たちの贅沢な悩み相談室

義母の介護で心身ともにボロボロ

世の中には「持つ者」と「持たざる者」がいます。
「持たざる者」からみれば、不動産の悩みなんて贅沢な悩みに見えるでしょう。
でも、今は「不動産を持っているだけでバラ色」とはいきません。
不動産はうまく活かして初めて、持ち主をハッピーにする資産に「なる」のです。
このコラムでは、そのための頭の整理方法と問題解決のヒントをご紹介します。
さて、今回は79歳になる義母の介護で爆発寸前の恵子さん(50歳)の悩みです。

「渋谷の松涛に住む主人の両親から、『二世帯住宅に建替えるから、一緒に暮らさないか』という提案があったときは、主人より私のほうが先に賛成したくらいです。夫婦でよく海外旅行に出掛けるなど、孫にべったりということもなく、理想的なセカンドライフを楽しんでいましたから。

正直言って、都心の戸建てに住むことへの魅力もありました。通勤も楽になりますし、建築費も向こうが出すとのこと。主人の実家はそれほど裕福なのです。『お互いの生活には干渉せず、暮らしましょうね』。お洒落で若々しい義母の言葉に笑顔でうなずいたのは、今から10年前。私は、加齢が人の性格を変えることを知りませんでした。

5年前、義父が急逝すると、義母は急に老い込んで私たちの家に入り浸るようになりました。主人にべったりで、私を邪魔者のように扱います。最初は我慢していましたが、義母の言動はどんどん異常になり、突然私をののしったり、通信販売で高額商品を次々に購入したり……。ところが外面がよく、一見普通に見えるので、義母の異常な言動を誰にも信じてもらえません。主人でさえ、義母のいうことを信じるくらい、ウソが巧いのです。

2年前、義母は軽い脳梗塞で倒れ、私は会社を辞めて介護に専念しました。ある日のこと、義理の姉から『家はともかく、車から子どもの教育費まで母に出してもらいながら、虐待するなんて酷すぎるわ』と言われ、仰天しました。全くの事実無根です。義母のウソのせいで、私は親戚から「鬼嫁」と言われ、義母の財産を食いつぶしていると思われていたのです。しかも、義姉には『この家はあなたにあげるわ』と言ったり、義弟には『軽井沢の別荘はお前に』などと口約束までしていたとか。たとえ今の地獄が終わっても、次に相続争いという地獄が待っていると思うと絶望的です。」

 恵子さん、お義母様は性格が変わったというより、軽い認知症ではないでしょうか。友人のお母様も一見普通なのに「嫁が財布を盗んだ」などと「ウソ」を言うようになり、病院で検査したところ認知症と分かりました。その可能性もありますから、主治医や介護の専門家に相談してみましょう。

 お義母様の介護はヘルパーさんに任せてみてはいかがですか。まわりは冷たいとか、身勝手だとか、いろいろ言うでしょうが、気にしてはダメ。これまでのキャリアを活かすような仕事に就いてもいいし、趣味やボランティアのサークルに参加するのもひとつの手。まず、この閉塞状態に風穴を開けるのです。

 相続の準備も必要です。他にどのような資産をお持ちかはわかりませんが、お話を聞くかぎり、相続税の対象になりそうです。お義母様の言動から察すると後見人※が必要になるかもしれません。そうしたことを含め、ご主人から税理士や弁護士、相続コンサルタントのプロに相談し、専門家を交えてご兄弟と相続対策を冷静に話し合う機会をつくってもらってください。

 恵子さんは誤解が解けるまで、ご兄弟の話し合いには出ないほうがいいでしょう。お義母様の言葉が事実ではないと証明できる証拠を整理しておくことです。介護費用もきちんと記録してください。感情に感情で対抗してはいけません。この状態から抜け出すポイントは「問題の整理と外部化」です。ひとりで抱え込まず、問題を分解してそれぞれの専門家に振り分けていくのです。あなたが冷静に対処すれば、いずれ誤解は解けます。それまでの辛抱ですよ、頑張って!

成年後見人制度:認知症や知的障害などで判断能力が不十分な人を保護•支援するための制度。「任意」と「法定」があり、法定後見制度では、家庭裁判所によって選ばれた成年後見人等が本人の利益を考えながら法律行為や財産管理等を支援する。
2009/10/29

不動産ジャーナリスト。1978年、青山学院大学卒。「住宅画報」編集、「住宅新報」記者を経て1995年に独立、専門誌や経済誌を中心に住宅・不動産関係の記事を執筆する。

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