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法定相続人の取得金額
もちろん、申告の現場では必ずしも税務上有利ではない遺言と向き合うこともしばしばです。小規模宅地等の評価減は、取得者の条件で適用の有利不利に大きな差が出るため、これを考慮していない遺言では納税額に影響があります。二次相続の税負担を一切考慮していない配偶者への遺贈や、遺贈財産では納税資金が工面できないといったものもあります。 また、民法では、ご存知のように遺言であっても侵せない相続人の権利として遺留分が認められています(兄弟姉妹が相続人の場合には遺留分はありません)。いくらご自分の意思といっても、相続人から遺留分の減殺請求権を行使され、争いになってはどうしょうもありません。 最優先すべきはなによりご自身の意思ですが、このようなことも考慮した遺言であれば、よりご自身のお気持ちが伝わり、承継もスムーズとなるのではないでしょうか。
遺言は、民法で厳格な方式が定められており、その方式に従っていない遺言は無効です。これは遺言者の意思を確実に実現させる必要があるためです。自筆証書、秘密証書、そして公正証書という方法がありますが、自筆及び秘密証書はその内容自体が法的に不備である可能性もあり、また、これを発見した人が家庭裁判所に届け出て検認を受ける必要があります。遺言なさる以上は、検認手続きも不要で、法的に不備のない公正証書の作成をおすすめしています。ただし、財産の価格等に応じて公証人へ支払う手数料など費用がかかるものですから、作成にあたってはいろいろな面からの検討が必要でしょう。法律上の問題より、むしろ税務上の問題が大きな影響を及ぼすのが遺言であると心得ておきたいものです。
税理士。早稲田大学卒。国税専門官として税務調査を経験後、アーンスト&ヤング会計事務所、タクトコンサルティングを経て独立。資産税のスペシャリストとして活躍中。