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嫁とは金銭感覚が合いません

「持てる」女性たちの贅沢な悩み相談室

嫁とは金銭感覚が合いません

世の中には「持つ者」と「持たざる者」がいます。
「持たざる者」からみれば、不動産の悩みなんて贅沢な悩みに見えるでしょう。
でも、今は「不動産を持っているだけでバラ色」とはいきません。
不動産はうまく活かして初めて、持ち主をハッピーにする資産に「なる」のです。
このコラムでは、そのための頭の整理方法と問題解決のヒントをご紹介します。
さて、今回は、昔からの資産家、巴さん(73歳)のお話。お嬢様育ちの巴さん、庶民的なお嫁さんと金銭感覚が合いません。

「夫が亡くなった後、息子の家族と同居しております。自宅は荷物置場代わりに残してあります。敷地が500坪ほど。もったいないと言う方もいますが、夫が残してくれた賃貸ビルの収入だけでも年間1,300万円ほどございますから、経済的な心配はありません。私が死んだら相続税がかかるでしょうから、納税用に残しておけば良いと思っております。

問題は嫁のことです。貧乏性といいますか、何事にも始末でイライラすることばかり。私はどこに行くにもタクシーです。いつまでも美しくありたいから美容室やエステにも頻繁に行きますし、お茶やお花のお仲間と銀ブラや旅行にも出掛けます。着物が趣味ですので呉服屋が季節ごとに訪ねてまいります。こうしたことが一々嫁の気に障るようで、贅沢すぎると申します。

孫にも小さいときから一流に触れて欲しいと思い、音楽会や美術館、レストランなどに連れていきたいのですが、嫁は良い顔をしません。私のお金をどう使おうと自由じゃありませんか。嫁の様子を見ておりますと、いずれ自分たちが受け継ぐ財産を減らしたくなくて一々口出しするのかしらと勘ぐってしまいます。私がこのくらい使ったとしても、息子夫婦にはまだ相当な財産が残りますのに嫌ですねえ。

こんな調子では、私が倒れたり、寝たきりになったら、費用のかからない老人介護施設に送り込まれそうで心配です。実際に知り合いにそういう方がいらしたんですよ。私は人生の最後を惨めな形で迎えたくはありません。とは言っても、一人暮らしはやはり何かと心配ですし、どうしたら良いのでしょうねえ。」

 お嬢様育ちの巴さんが、お嫁さんの「ケチくさい」言葉や態度にイライラする気持ちは良く分かります。一方で、私にはお嫁さんの苛立つ気持ちも良く分かります。巴さんの育った時代や環境とお嫁さんのそれとは全く違いますから、金銭感覚が違うのは当然でしょう。

 昔からの資産家の方々にとって今後ますます厳しい時代になります。客観的に見て、跡継ぎの息子さんにしっかり者のお嫁さんを迎えたことは正解だと思います。ただ、価値観や金銭感覚は容易に変わるものではありません。

 互いにイライラしながら一緒に暮らすより、ご自身で決断できるうちに思い切って環境を変えてみてはいかがでしょう。毎日、同じ家の中で顔を付き合わせていれば、実の親子だってストレスが溜まります。距離を置けば良いのです。

 例えば、私が先日拝見した介護付き有料老人ホームは、銀座からタクシーで1メーターか2メーターくらい。高級ホテルのような洗練された雰囲気で、入居されているお客さまもハイクラスな方ばかり。バーラウンジや屋内プール、大浴場なども完備していて、まるで大人の社交場という感じでした。お元気なときから入居できて、最後まで手厚い介護サービスを受けることができます。

 便利な場所ならこれまで通りお孫さんやお友達とも会えますし、外泊や海外旅行ももちろん自由。この施設では食事もダイニングルームでウエイトレスサービスです。各種のサークル活動もさかんなようでした。同じクラスの方々と一緒に暮らした方が、巴さんもノビノビできるのではないでしょうか。

 ちなみに、この施設の入居一時金は4,000万円台から。月々の管理費は18万円弱でした。一般庶民には高嶺の花ですが、巴さんなら使っていないご自宅を売却すれば、入居一時金を払ってもたっぷりおつりがきます。残りの一部をお孫さんの教育資金として贈与すれば(ひとり年間110万円までは贈与税がかかりません)、皆、ハッピーになります。それ以外にかかる月々の費用も賃貸ビルの収入で充分賄えますね。

 ただし、ひとくちに「有料老人ホーム」といっても色々なタイプがありますから、システムや運営会社もよく調べてください。体験入居ができる施設も多いので、利用されて、実際に入居されている方のお話をうかがうのもよい方法だと思います。

 もし、私が巴さんくらい裕福だったら、自分らしくのびのびと暮らせる環境を探して自由に暮らします。相続税の最高税率は50%、消費税はまだ5%。ご自分の財産ですもの、亡くなってから国に召し上げられるより、楽しく使ったほうがおトク。使い切れない分は、生きているうちにご家族やお友だちのために使えば、もっと楽しい人生になるでしょう。人生90年時代、お楽しみはこれからですよ。グッドラック!
 
2011/12/22

不動産ジャーナリスト。1978年、青山学院大学卒。「住宅画報」編集、「住宅新報」記者を経て1995年に独立、専門誌や経済誌を中心に住宅・不動産関係の記事を執筆する。

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