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誰かに優しくすると、誰かがまた優しくしたりする。世界はいいものだと思う。
ワイキキパークホテルで働くジャネットが
ゲストアテンダントという仕事を選んだのは
10代の頃、何も知らない日本で
さりげない優しさにふれたからだった。
「いつか返してくれたらいいからね」そう言って
薄着で震える異国の少女に自分の上着を貸してくれた
駅の売店のおばさんの優しさが忘れられない。
ジャネットはいつもその話をする。

ある日、
父親をなくした家族が日本からやってきた。
娘たちが母親をなぐさめるために
自然のなかに連れてきたことを知ったジャネットは
彼女のためにできることを丁寧にやろうと思った。
本当に元気のなかった彼女が
少しでも前を向けるように。
あの頃の恩返しをするつもりで。

帰りにその母親はジャネットを強く強く抱きしめた。
突然だった。
娘たちはその姿に涙を流していた。
ジャネットは、あの頃のあの人に
少し恩返しができたような気がした。
いい街には、物語がある。
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