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第8回 不動産を高く売るには?〈後編〉第8回 不動産を高く売るには?〈後編〉

レッツプラザ2018年1月号/執筆者:神宮 保彦

前回、不動産価格の算出方法には比較事例法・原価法・収益還元法・開発法などのバリエーションがあることについてお話しました。 では、どうやったら不動産の価格を高くすることができるのでしょうか? 今回は「不動産を高く売る方法」について考えてみたいと思います。

自宅を高く売るには

個人の方が主な購入検討者となるようなご自宅等を好条件で売却するためには、購入者から見て「住みたい」家にできるかどうかが成否の鍵を握ります。 利便性や間取り、築後何年か等の条件は諸々ありますが、買い手の意思決定に大きな影響を与えるのは「イメージ」なのです。そこに住むことで「楽しくて幸せな生活」をイメージできれば購入を検討するでしょう。

具体的にはどうすれば良いのか? いくつかのヒントを箇条書きにしておきます。

とにかく見た目が肝心。なるべく明るく綺麗に見せる。

少しでも広く見せる努力。生活感のあるものは隠す。

実際に使わなくて良いので庭にガーデンテーブル等を置いて、家族の楽しい週末をイメージしてもらう。

物件のメリット・デメリットを抽出しメモを作り、担当営業マンと共有する。

販売期間が長期化すると「売れ残り感」が出てしまう。極力短期間で売れるような販売計画をたてる。

新学年や新学期のスタートの入居を意識して物件探しをする買い手が多いため、それを意識したタイミングで売却開始。

ハウスクリーニング、小物などをそろえてもせいぜい出費は20万円程度、それで50万円以上高く売れると考えて多少の投資をしてください。

収益用物件を高く売るには

収益用物件の購入を検討するのは個人の投資家・資産家、転売・保有目的のプロです。 購入を決定するポイントは、「収益性が高い」「立地が良い」「管理状態が良い」「建物の状態が良い」「融資を受けやすい」などです。高く売るコツとしては次の通り。

表面利回りを下げてしまうため、無理に安い賃料で空室を埋めない。

賃料を下げるより敷金・礼金ゼロ、フリーレント等を上手く使う。

清掃やメンテナンスは計画的に実施する。

建築確認関係書類。竣工図面、修繕履歴、土地測量図、賃貸契約書類は整理して保管。

安易に不法な増改築・用途変更はおこなわない。

建物が古くなってくると更地価格のほうが高くなるケースがある。更地価格を把握し売却手法を検討。

プロが買い手のケース

個人の方が購入するには広すぎるような土地や、大幅なリニューアルを要する物件については、開発業者や不動産再生事業を手掛けるプロが主な買い手となります。高く売るコツとしては次の通り。

開発やリニューアル事業等のうち、どの事業主が一番高く買うかの検証を担当者に依頼する。

販売方法(入札方式等)・スケジュール・目標価格等について担当者と十分打合せをする。

入札方式にする場合は幹事会社を有力会社一社に絞る。

相対の価格交渉に入った場合、具体的な目標価格を投げかける。ただし交渉期間を長期化させることは破談のリスクがあるため避ける。

価格以外の条件について十分説明を受ける。

エリア外からの買い手も想定されるため、広域にネットワークがある仲介会社を選ぶ。

なお、いずれの場合についても、売却をスムーズに進めるために、測量(確定測量)は早めに着手する、隣接地所有者が購入するケースがあるため、販売担当者と打合せのうえ隣接地所有者にアプローチする、などの点も留意しておいてください。

一社に頼む(専任媒介)か複数の会社に頼む(一般媒介)か?

複数の会社から売りに出すことは、すぐに情報が出回り、物件情報の新鮮味がなくなってしまうため、販売力のある会社一社に窓口を絞ることをお勧めします。

一般媒介のほうが良いケースもありますが、その場合でも有力と思われる会社3社程度までにしておいたほうが良いと思います。
販売担当者のやる気が価格を左右するケースも少なくありません。担当者とは良い関係を築いて、がんばってもらいましょう。

※本記事は2018年1月号に掲載されたもので、その時点の法令等に則って書かれています。

神宮 保彦
三井不動産リアルティ株式会社
関西支店 ソリューション営業部長 神宮 保彦

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