DEVELOPMENT / 三井不動産の街づくり

開発を通じて三井不動産が大切にしている
「想い」、グローバル事業拡大への取り組み、
あらゆる業界の経験が活かせる「街づくり」
という仕事の醍醐味などについて
人事部 人材開発グループ長がご紹介します。

人事部 人材開発グループ グループ長
平原 秀人

三井不動産らしい開発プロジェクトとこれまでの実績。

社名に「三井」とありますように、当社は江戸時代(1673年)に創業した呉服店「越後屋」をルーツとしています。その後1914年に設立した三井合名会社の不動産課が前身となり、1941年には三井不動産株式会社として設立されました。

建築基準法の高さ規制を緩和するなど多くの苦難を乗り越えて、日本初の超高層ビルとして竣工した「霞が関ビルディング」(東京都 千代田区)。今年竣工50周年を迎えた。 このようなグループの歴史の中で、これまで私たちが主に取り組んできたのは、旧三井財閥のレガシーを活かして自社保有の土地に建物を建てる、といった事業ばかりではありません。むしろ飛躍のきっかけとなったのは、三井の精神とも言える新しいものにチャレンジしていく「進取の気性」であり、また常にその時代の社会や顧客のニーズに応えようとする「顧客志向」の発想です。
たとえば、1950年代後半の東京湾に面した千葉県臨海部の埋め立て事業は重工業化を進める当時の日本経済のニーズに沿ったものでしたし、1968年に竣工した日本初の超高層ビル「霞が関ビルディング」は、当時の建築技術の限界に挑んだもので、都心部に機能集積が進む中での良好な都市環境の維持に貢献できたと言えます。
またその後も都市への人口流入に対応するため住宅事業の展開や、余暇やレジャーニーズの高まりに対応して、千葉県船橋市で本格的なショッピングセンターの開発なども行ってきました。

2004年のCOREDO日本橋の開業から始まった「日本橋再生計画」では、引き続き中長期的なスタンスで官・民・地元が一体となり、街区の再開発(ハード)とコミュニティ活動(ソフト)の両面から、「残しながら、蘇らせながら、創っていく」大規模な再生プロジェクトを推進していく考えです。

そして2018年3月には、日比谷公園に面した立地に都心型スマートシティ「東京ミッドタウン日比谷」がオープンしました。帝国ホテルや帝国劇場などの歴史的建造物も多く、演劇や映画などエンターテインメントに触れられる街 “日比谷” の特性を踏まえ、緑豊かなオープンスペースを取り入れたオフィスと商業施設、シネコンなどで構成されるミクストユース型(複合用途型)の街づくりを進めています。

数多くの開発プロジェクトを手掛ける中で社員が大切にする“想い”とは。

街づくりは、非常に多くの関係者と密接に連携しながら推進する大プロジェクトです。
今街を利用しているお客様のみならず、新たに開発するオフィスビルや商業施設に入居されるテナント企業、施設を訪れる人々といった潜在的なお客様のニーズも踏まえる必要があります。周辺地域の人々の想いとも向き合い、関係行政や土地の所有者などの共同事業者をはじめ、事業のパートナーである設計事務所やゼネコンなど、時として意見や利害が対立することもあるさまざまな関係者と合意形成を図りながらゴールを共有し、プロジェクトを推進していきます。

その際に大切なのは、「ここにどのような街をつくったら、長い目で見て地域のために、そして集う人々のために一番良いだろう」という “想い” を妥協することなく持ち続け、そのゴールを関係者間でしっかり共有する姿勢です。そして事業化の段階では、自分たちのメリットを考えるだけではなく、全ての関係者の意向を踏まえた上で、お互いがメリットを享受できる仕組みづくりを進めていきます。

加えて、当社には、プロジェクトの目標をより高く設定する社風があるように思います。口には出さずとも、自分の関わる仕事を通じて「いかに社会に貢献できるか」を考えている社員が多いと思います。
もちろん、理想に向かってさまざまな関係者と調整を重ねるプロセスは “大変” の一言に尽きます。しかし、誰もが一番良いと思える形に近付けて施設が完成した暁には、関係者を巻き込みながら目標に向かって仕事を進めてきた分、達成感は非常に大きく、しかも関係者全員でその喜びを分かち合うことができます。 左:国の重要文化財に指定されている「三井本館」
右:さらなる賑わいを創出する3つのCOREDO室町

街づくりに新しいテクノロジーを取り入れ、
付加価値の高いサービスを提供する取り組み。

一般的に不動産事業には、IoTなどの先端技術を積極的に取り入れているイメージはあまりないかもしれません。しかし実際には、私たちはそれぞれの事業において新しい技術を活用する余地がまだまだあると考えています。

たとえば、千葉県柏市の「柏の葉スマートシティ」は、公・民・学が連携して住宅、オフィス、商業施設、ホテル、ホール、国際交流施設などが集積する複合開発型のスマートシティです。
ここでは防災面での備えはもちろん、エネルギー利用の最適化を目指して、省エネ効果を高める技術的な仕組みづくりを推進しており、2016年には国際的な環境認証制度(LEED-ND)において最高ランクの「プラチナ認証」を日本で初めて取得いたしました。

また、3PLやEコマースの成長を背景に、「三井不動産ロジスティクスパーク」という先端機能を備えたより効率の高い物流施設を積極展開しています。人材不足が喫緊の課題となっている物流業界で、さまざまな省力化・自動化へのニーズが高まっていますが、このニーズに対応するために、2017年9月、物流ICTに特化したショールーム「MFLP ICT LABO」を開設するなど、単に施設だけを提供するのではなく、付加価値の高いサービスを提供することで差別化を図っています。

オフィスビル事業では、多くの企業でより効率的で質の高い成果を上げる働き方が模索される中、法人向けの多拠点型シェアオフィス「WORKSTYLING」をオープンしています。
さまざまな企業の社員にサテライトオフィスとして利用していただくことで、仕事に集中できる個人スペースと会議スペースなど、各自のワークスタイルやライフステージに合った「働く場」を提供していこうというものです。契約対象を法人に限定し、受付にはコンシェルジュが常駐することによって働く人々の安心・安全を確保するとともに、高度な通信セキュリティ環境なども整備しています。
昨年はじめた事業ですが、現在すでに全国に約30拠点を展開しています。

さらに2017年11月には当社グループで運営する商業施設と連動し、新たなショッピング体験を創出するファッションECモール「Mitsui Shopping Park &mall(アンドモール)」がグランドオープンしました。
商業施設に足を運ぶ前に&mallで商品の在庫確認ができたり、店舗に希望する色やサイズが欠品だった場合は、タブレット端末で&mall内で注文・支払ができるなど、リアル店舗とECモールが相乗効果で売上を拡大できるオムニチャネルプラットフォームを目指しています。

先ごろ公表した長期経営方針「VISION2025」にも、「テクノロジーを活用し、不動産業そのものをイノベーションする」というビジョンが盛り込まれており、今後も不動産×ICTで新たなビジネスを創出していきたいと思います。 左:「環境共生」「健康長寿」「新産業創造」という三つの街づくりのテーマを掲げた「柏の葉スマートシティ」(千葉県 柏市)
右:企業と社員がともにワークスタイルやライフステージに合ったベストな働き方を追及できるよう、セキュリティなどのサービスの品質を高めたシェアオフィス「WORKSTYLING」

グローバル事業における近年の実績。

当社は1970年代から海外に進出し、アメリカやヨーロッパの主要都市でさまざまな不動産開発を行ってきました。
その後バブル崩壊の影響もありましたが、現在は、少子高齢化による人口減少の影響を受けて国内の不動産マーケットが成熟化しつつある一方で、マーケットのグローバル化やアジア各国の経済成長が進む状況を踏まえ、戦略的なグローバル展開に改めて注力しています。

直近の開発事例としてはニューヨークのオフィスビルを中心とした大規模再開発プロジェクト「55ハドソンヤード」が2018年10月に竣工し、さらに「(仮称)50ハドソンヤード」の開発事業にも参画しています。マンハッタンにおける単体のオフィスビルとしては、最大規模のプロジェクトとなっています。
また米国西海岸でも賃貸住宅事業を推進するとともに、英国では公共放送局BBCが持つロンドンの「テレビジョンセンター」再開発計画において、日系企業の都市開発では最大規模となる分譲住宅を開発・販売しています。
一方、アジアでは台湾初の「三井アウトレットパーク台湾林口」の売上も順調に推移し、台中でのアウトレットや台北でのららぽーと、ホテル開発を進めております。更に中国、インドネシア、マレーシア、タイ、フィリピンなどにおいても、大規模な分譲住宅や商業施設などの開発を推進しています。

今後もグローバルカンパニーへ進化するべく、海外事業の飛躍的な成長を目指しています。 左:「(仮称)50ハドソンヤード」イメージパース。アメリカ・ニューヨークマンハッタン最大級となる再開発プロジェクトに参画し、オフィスビル開発事業を展開
中央:「三井アウトレットパーク クアラルンプール国際空港 セパン」東南アジアで当社初のメジャーシェア商業施設事業
右:「ハレクラニ(ハワイ)」ワイキキのラグジュアリーホテル。世界各国の多くのファンから高い評価をいただいています

グローバル事業を展開する上で三井不動産の強みとは?

当社がグローバルでプロジェクトを推進していく際に、重要視しているのが、各国の不動産のローカル市場で高い実績を築いているパートナー企業の存在です。地元に根付いたパートナー企業に出資するなど、緊密な連携体制を築くことで、有益な情報や人脈を得ることを可能にしています。
加えて、現地のパートナー企業に対しても「地域にとって一番良いものをつくる」という私たちの基本となる開発姿勢を共有することも欠かせません。
三井不動産の街づくりに対する “想い” に共感してくれるパートナー企業の存在が、欧米でも、アジアでも重要な意味を持っていると思います。私たちはそのようなパートナー企業との継続的な関係を大切にして仕事に取り組んでいます。パートナー企業とは一つの街づくりにだけ取り組むのではなく、将来にわたってその国における別の事業でもタッグを組み、相互信頼に基づいて新しい街づくりを形にしていきたいと考えています。

また海外市場では、当社のようにオフィスビル、商業施設、住宅、ホテル・リゾートから物流施設事業、更には不動産投資もカバーする幅広い不動産事業を総合的に展開している会社は少ないと言えます。従って、当社が日本において “街づくり” をトータルに手掛けてきた経験とそこで蓄積してきたノウハウが、今後グローバル事業展開を進めていく上でも大きな強みになると思っています。

キャリア採用に取り組む背景と、求める人物像。

2017年度の連結決算では、売上高、営業利益ともに過去最高の数字となりました。事業を取り巻く環境の好循環に加えて、2015年に策定した中期経営計画で策定した戦略を着実に遂行してきた成果が数字に表れています。

ただ、現在の業績がいくら好調であっても、だからこそ危機感を持っていて、私たちは常に「次の時代の街づくりには何が必要とされるのか」を愚直に問い直さなければならないと自覚しています。
そう考えると、私のように新卒で入社し、ずっと三井不動産流の仕事のやり方で育ってきた場合、どうしても今までと違う発想や視点が持ちにくくなっている側面もあるのではと感じることもあります。そこで、さまざまなバックグラウンドと実務経験をお持ちの皆さんに、全く新しい発想で当社の事業に参画していただき、次の時代の三井不動産をつくっていただきたいと考えているのです。

私たちが手掛ける街づくりは、「働く」「住む」「買い物をする」「旅を楽しむ」「文化に触れる」など、人々の生活シーンと密接に関わる事業です。そのため、あらゆる業界での経験が何らかの形で活かせると思っています。
たとえば、航空・鉄道をはじめとする輸送業や、メーカー並びにエンジニアリング会社、メガバンクや証券などの金融機関。その他にも、総合商社、シンクタンク、コンサルティングファーム、弁護士などの専門職や中央官庁の国家公務員など、少し想起するだけでも非常に幅広い業界出身者の顔が思い浮かびます。
要するに、当社の総合職採用に関しては、特定の経験は関係なく、幅広く多様な業界の出身者を歓迎していると考えていただければ良いと思います。

当社を志望する人材に求める資質は、利害の異なる関係者や場合によっては文化的な背景や言語の異なる関係者とゴールを共有し、プロジェクトを引っ張っていけるコミュニケーション力と、自ら主体的に動いて積極的に新しいことにチャレンジしていく姿勢の主に二つです。これまでの経験を活かしながら、組織に刺激を与えて活性化し、社内外の関係者と関わり合いながら一つの目標に向かってチームをリードしていけるような方を求めています。
また、総合職としての採用になりますから、新卒入社の社員と同様、幅広い事業・職種を経験していただくことになります。
当社の社員からは男女を問わず「安心して働けます」といった声を耳にする機会が多く、子育てや介護をしながら働く社員を支援する制度の運用実績も高いです。長期的にキャリアを積み重ねていくことができる環境が整っています。

自身が歩んだ三井不動産でのキャリアステップ。

私は1992年の入社ですが、最初に関西支社の不動産ソリューション部門に配属され、まだ右も左も分からない新人のころから2年間、自分なりに法人や個人の土地活用の課題をお聞きして、お客様に合った土地の有効活用を提案していくという業務に取り組みました。
その当時、地主様を対象にした「土地活用セミナー」を実施したのですが、1人でも多くの地主様に来ていただこうとひらめくままに、お笑い芸人を起用した新聞広告の企画を社内で提案したら採用されてしまいました(笑)。駆け出しの入社1、2年目の新人のアイデアでもOKなんて、懐の深い会社だなあと驚いたのを覚えています。

次に住宅事業に移り、土地を仕入れてマンションを建てる仕事、更にはそれを販売する仕事に携わるようになりました。仕入れた土地に一部土壌汚染があったり、地権者が数多くおられて調整に苦労したりと、大変なことも経験しましたが、諦めずに粘り強く仕事を進めていく姿勢を身につけた時期でもありました。
元々当社には、若手にも早い時期からどんどん裁量権を持たせ、一定の責任や役割を与えて成長を促す育成風土があります。入社10年目にはチームリーダーとして2年目の若手とチームを組んで仕事をしていましたが、マンション建設予定地の近隣住民への説明などの業務を積極的に若手に任せていました。

その後、経理部に異動となり財務グループで全社のさまざまな事業の資金調達を担当するという、これまでとは全く畑違いの管理部門の業務に挑戦することになりました。正直初めは少し戸惑いましたが、住宅事業を通じて事業の現場を知っていたお陰で、プロジェクトに必要な投資や費用について、実際に資金調達が必要になる時期や金額を適正に見極めることができ、より現場の業務に則した判断を下すことができました。5年間経理部で仕事に取り組んだことで、企業活動と資金の流れの全体像が深く理解できるようになりました。

「総合職として入社し、ジョブローテーションで複数の職種を経験しましたが、これまで経験した業務で役に立たないと思った仕事は一つもありません。異動した際に前部署の知見を活かして業務を行うこともあり、広い視野を持って物事を捉えることができるようになったと感じています。」次に携わったのが商業施設事業です。流通関連の用語を覚えることからのスタートで、官公庁や施設近隣の住民などの関係者との調整に非常に苦労したこともありました。ただ、特に商業施設は地域に与える影響も大きく、施設ができたことでその街の活性化に繋がったと感じられたり、周辺の住民の皆様が日常的に利用して下さっている様子をみると、とても意義のある仕事をしているということを実感できました。

そして現在は人材開発グループで採用と研修を担当しています。自身の部下だけではなく社員皆が気持ち良く、効率良く働き、成果を上げられるように「働き方改革」にも取り組んでいます。

三井不動産を志望する方や潜在的な候補者へのメッセージ。

一般的に不動産業界というと、個人個人が単独で業務を行っている、といった印象があるかもしれません。
しかし、当社では2名以上のチームで、社内外のさまざまな関係者と携わりながらプロジェクトを推進するという「チームで仕事に取り組む」ことが基本となっています。
ある中途入社の女性社員が、前職の仕事で当社の社員と接する機会があり、その時に感じた印象を次のように話しています。
「進取の気性に富んでいて、若い時から裁量権を持って活躍している。また、ジョブローテーションで複数の職種を経験していて経験の幅が広い。」
まさにこれは、私たちの会社の社員像を象徴していると感じます。

繰り返しますが、私たちが手掛ける街づくりは、多くの関係者の意見を調整しながらゴールを共有し、地域にとってベストと思える施設を形にしていく仕事です。「働く」「住まう」「買い物をする」「遊ぶ」などの施設は人々の生活に密着しているため、このインタビュー記事をお読みになっている皆さんにも何らかの関わりがあり、非常に親しみやすい事業であると思います。

また、何と言ってもこの仕事の一番のやりがいは、自分が手掛けた施設を利用する人の喜ぶ姿を間近に見られることです。オフィスビルに出勤する人々、商業施設で働く人やお店を訪れる人の笑顔、或いはマンションに入居されたお客様から「とても暮らしやすいですよ」といった言葉を聞くことができる仕事であり、それは私たちにとって大きな励みになっています。
冒頭で取り上げた「東京ミッドタウン日比谷」をはじめ、現在もさまざまなプロジェクトが並行して進んでおりますので、数多くのお客様の笑顔に触れられる機会はこれからもどんどん増えていきます。
“不動産” という固定観念に捉われず、私たちと一緒に挑戦して下さる方々とお会いできるのを楽しみにしています。

(※取材協力 株式会社エリートネットワーク様)

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