米国ニューヨーク・マンハッタン。ここで進められているのが、過去最大規模の複合開発「ハドソンヤード」におけるオフィスビル開発です。三井不動産は、2018年10月に竣工したオフィスビル「55ハドソンヤード」に続き、2022年竣工予定の複合ビル「(仮称)50ハドソンヤード」開発事業も推進しています。「事業」と「営業」の側面から関わっている2名の社員の取り組みを紹介します。


2015年、三井不動産はマンハッタン「ハドソンヤード」を構成するオフィスビル群のうちの一棟、「55ハドソンヤード」(以下、「55HY」)の開発事業に参画。続いて「(仮称)50ハドソンヤード」(以下、「50HY」)の開発に着手した。いずれも三井不動産のグローバルポートフォリオにおける旗艦物件と位置付けられており、後者は、マンハッタンにおける単体オフィスビルとしては過去最大の事業規模となる。

米国ニューヨーク・マンハッタン。ここで進められているのが、過去最大規模の複合開発「ハドソンヤード」におけるオフィスビル開発です。三井不動産は、2018年10月に竣工したオフィスビル「55ハドソンヤード」に続き、2022年竣工予定の複合ビル「(仮称)50ハドソンヤード」開発事業も推進しています。「事業」と「営業」の側面から関わっている2名の社員の取り組みを紹介します。
※掲載されている部署名はプロジェクト担当時のものです。

2015年、三井不動産はマンハッタン「ハドソンヤード」を構成するオフィスビル群のうちの一棟、「55ハドソンヤード」(以下、「55HY」)の開発事業に参画。続いて「(仮称)50ハドソンヤード」(以下、「50HY」)の開発に着手した。いずれも三井不動産のグローバルポートフォリオにおける旗艦物件と位置付けられており、後者は、マンハッタンにおける単体オフィスビルとしては過去最大の事業規模となる。

事業
塩田 達也
2004年入社
三井不動産アメリカ(株)(ニューヨーク)

ニューヨークでは、2000年以降、市が中心となり、都市機能の高度化と良好な住環境保全を目的としてゾーニング(都市計画)の変更が行われてきました。ニューヨーク・マンハッタンで再開発が進むハドソンヤードは、ミッドタウン、ダウンタウンに次ぐ新たな業務商業地区の形成を目指し、「ハドソンヤード特別地区」と定められ、過去最大規模の一体面開発が進行中です。新規案件の開発余地が少ないマンハッタンでは希少性の高い開発であり、2015年に、当社はハドソンヤードを構成するオフィスビル群のうちの一棟「55HY」の開発事業に参画しました。「55HY」は、オフィスを主要用途とした地上51階建、延床面積約11万8000㎡の建物。当社に加え、米国有数のデベロッパー「リレイテッド社」(以下、リレイテッド)と共に開発を主導しています。私は当社が参画を表明した2015年の前年に人事異動により渡米し、プロジェクト始動後、設計(内装デザイン含む)、施工を中心としたプロジェクトの円滑な進捗遂行を担当してきました。このような旗艦プロジェクトに携われることへの高揚感と同時に、トラブル無くスケジュール通りに完成させなければならないと重責を感じています。プロジェクトにおいて、私に課せられたミッションの一つとして、本プロジェクトの共同開発事業者であるリレイテッドと、ロビー内装デザインに対する調整および合意形成を図ることがありました。異国において、両社の異なる意見や考え、想いがある中で、双方納得の行く仕上がりを見出していくことの難しさを痛感しながら、特に内装デザインの決定までは、非常にタフな議論、意見交換を繰り返していきました。



私自身、東京・日本橋の再開発事業に6年間携わった経験から、デザインを創り上げていく上で、「温かみ」や「ホスピタリティ」を体現することが、「三井不動産イズム」とも言えるデザインコンセプトの一つであると考えていました。一方で、リレイテッドにはシンプルでシャープ、いわゆる「ニューヨークイズム」ともいうべき彼らなりのこだわりがあり、当初、両社の想いには大きな隔たりがあったのです。また、共同事業者と議論する前に、社内のナショナルスタッフに対しても、三井不動産の徹底してきた「モノづくりへのこだわり」を理解してもらう必要がありました。異なる価値観や文化の中で、いかに自分の意見や価値観を相手に伝えていけばよいのかを常に意識しながら、悪戦苦闘する日々。とにかく事業に対する強い想い、自分の信念を、丁寧かつ粘り強く話をすることで、何とか相互理解に結び付けてきました。その後、リレイテッドのメンバーへも同様のアプローチを行いながら、ナショナルスタッフのみならず、リレイテッドとも一心同体になることで、日米のお互いの良さを深化融合させた究極のデザインを追求していきました。結果として、ニューヨークの古き良き建物のデザインを基本コンセプトとしつつ、ニューヨークのオフィスビルではあまり見られない「温かみのある木材」や「自然を生かした石材」などをデザインに取り入れることで、斬新さとホスピタリティが融合した唯一無二のロビー空間を創り出したのです。

当プロジェクトでは、当社、共同事業者双方の「モノづくりへの想いやこだわり」が非常に強く、時に反発し合うこともありました。しかしながら、それは、より良い開発を実現しようとするデベロッパーとしてのあくなき追求心の表れでもあります。「三井不動産と仕事ができてよかった」。プロジェクト後にリレイテッドが発してくれたその言葉は、「より良いものをつくりたい」という根本的な情熱が万国共通であることの証ですし、その想いがあったからこそ両社が1体となってプロジェクトに向き合えたのだと思います。更には、言葉も文化も違う異国の地で、社内のナショナルスタッフおよびリレイテッドのメンバーと関係性を深化させながら、大きな成功に向けて邁進していくことは、難易度の高さに勝る、大きな達成感につながるものでした。「55HY」は当社のグローバルポートフォリオの核となるマンハッタンの歴史的プロジェクトで、そこに携われることは大きなやりがいであり、今まで以上の使命感と責任感を自覚して取り組んでいます。「55HY」に加えて、私は現在、2017年に当社が新たに参画を表明した58階建の複合ビル「50HY」の開発プロジェクトも担当しています。この施設は「55HY」以上の規模となるビッグプロジェクトであり、日本の不動産会社の海外開発案件では過去最大規模。これまで「日本橋再開発」「55HY」で蓄積した知見をフルに活かして取り組んでいく所存です。こうした刺激的かつ貴重な経験を重ねながら、今後も「三井不動産イズム」を胸に、世界中に魅力的な街、建物を創り出していきたいと思っています。


営業
山縣 有孝
2006年入社
三井不動産アメリカ(株)(ニューヨーク)

2015年4月、海外トレーニー制度を利用して渡米し、研修終了後、MFAホールディング(株)に出向することとなり、着工直前の「55HY」プロジェクトのテナントリーシングを担当することになりました。ミッションは、オフィスを中心に構成される「55HY」のテナントを誘致することです。日本では、リーシングをデベロッパーが自ら行うことも多いですが、米国では、テナント側もオーナー側もブローカー(仲介会社)が両者の間に入ることが慣習となっており、私たちには、パートナーのリレイテッドやテナント情報を有するブローカーを適切にコントロールしていくことが求められます。ブローカーが55HYの候補となりうるテナントにコンタクトを取り、好感触を得た段階で私たちは具体的なプレゼンテーションを実施、その後賃料や期間などの条件交渉を経て契約となります。
今でこそハドソンヤードは工事がかなり進捗をして、“街”としての姿を容易に想像できますが、55HYのリーシングが本格的にスタートした当時は、まだどのような街になるか想像が難しい段階でしたので、リーシングチームとしては、テナント候補に対してハドソンヤードがどのような街になっていくのか、具体的なイメージを持ってもらうことが課題となっていました。



「55HY」プロジェクトで、実際のブローカーとの連携やテナント誘致活動のフロントに立つのは、リレイテッドのリーシングチームになります。私は、誘致活動を開始してしばらくして、連携強化を目的とし、リレイテッドへ出向となりました。彼らをマネジメントしていく立場として、プロジェクトに対するお互いの意識の確認や営業戦略面での擦り合わせを重ねて信頼関係を強化していきました。そして、出向から約1ヵ月後、ある大手弁護士事務所へのプレゼンテーションが実現し、「ハドソンヤード」が将来、マンハッタンのオフィス街の中心地になっていく可能性があること、新たな街が生まれることの魅力を訴求。その後、度重なる交渉の結果、契約に至りました。テナントとして、この大手弁護士事務所の入居が決まったことは少なからずマーケットにインパクトを与え、その後の誘致活動に弾みをつけるものとなりました。その過程で実感したのは、米国ではより、「働く場であるオフィス環境が魅力的であることが、優秀な人材確保や企業価値向上につながる」という考えが根底にあり、オフィス移転は一つの投資ととらえられているということです。そのような視点でテナントにアプローチをしていくことは非常に刺激的でした。

現在、「55HY」は、弁護士事務所やファンド系金融会社など、8割以上の入居が決定しています。これを100%に近づけていくと同時に、新たに当社が開発参画を決定した高層ビル「50HY」のテナント誘致活動も開始しました。すでにオフィスの3割を占める、米国資産運用大手のブラックロック本社の入居が決まっていますが、次なる中核となるテナントを見出すことが目下の課題となっています。私自身、日本で約6年テナント誘致の営業を担当してきたので、「50HY」には是非、日系企業を誘致したいと考えています。日本では、自らテナントにアプローチする活動でしたが、ここ米国では自分の意欲や行動以上に「リレイテッド」社員の奮起やモチベーションが成果に直結します。したがって、彼らとの密なコミュニケーションや良好なリレーションシップの構築が、極めて重要な要素になります。私にとっては、出向時も含めて「リレイテッド」の社員と協働したことは貴重な経験となりました。彼らの、ミッションに対するコミットメントの強さや気迫、あるいはとことん突き詰める仕事へのスタンスなど、そのプロフェッショナル意識は非常に刺激的であり、自身の成長を促したと感じています。将来は、欧米を舞台に、日本流の、三井不動産の経験・ノウハウを活かした街・建物づくりを手がけていきたいと思っています。


事業
塩田 達也
2004年入社
三井不動産アメリカ(株)(ニューヨーク)

ニューヨークでは、2000年以降、市が中心となり、都市機能の高度化と良好な住環境保全を目的としてゾーニング(都市計画)の変更が行われてきました。ニューヨーク・マンハッタンで再開発が進むハドソンヤードは、ミッドタウン、ダウンタウンに次ぐ新たな業務商業地区の形成を目指し、「ハドソンヤード特別地区」と定められ、過去最大規模の一体面開発が進行中です。新規案件の開発余地が少ないマンハッタンでは希少性の高い開発であり、2015年に、当社はハドソンヤードを構成するオフィスビル群のうちの一棟「55HY」の開発事業に参画しました。「55HY」は、オフィスを主要用途とした地上51階建、延床面積約11万8000㎡の建物。当社に加え、米国有数のデベロッパー「リレイテッド社」(以下、リレイテッド)と共に開発を主導しています。私は当社が参画を表明した2015年の前年に人事異動により渡米し、プロジェクト始動後、設計(内装デザイン含む)、施工を中心としたプロジェクトの円滑な進捗遂行を担当してきました。このような旗艦プロジェクトに携われることへの高揚感と同時に、トラブル無くスケジュール通りに完成させなければならないと重責を感じています。プロジェクトにおいて、私に課せられたミッションの一つとして、本プロジェクトの共同開発事業者であるリレイテッドと、ロビー内装デザインに対する調整および合意形成を図ることがありました。異国において、両社の異なる意見や考え、想いがある中で、双方納得の行く仕上がりを見出していくことの難しさを痛感しながら、特に内装デザインの決定までは、非常にタフな議論、意見交換を繰り返していきました。

私自身、東京・日本橋の再開発事業に6年間携わった経験から、デザインを創り上げていく上で、「温かみ」や「ホスピタリティ」を体現することが、「三井不動産イズム」とも言えるデザインコンセプトの一つであると考えていました。一方で、リレイテッドにはシンプルでシャープ、いわゆる「ニューヨークイズム」ともいうべき彼らなりのこだわりがあり、当初、両社の想いには大きな隔たりがあったのです。また、共同事業者と議論する前に、社内のナショナルスタッフに対しても、三井不動産の徹底してきた「モノづくりへのこだわり」を理解してもらう必要がありました。異なる価値観や文化の中で、いかに自分の意見や価値観を相手に伝えていけばよいのかを常に意識しながら、悪戦苦闘する日々。とにかく事業に対する強い想い、自分の信念を、丁寧かつ粘り強く話をすることで、何とか相互理解に結び付けてきました。その後、リレイテッドのメンバーへも同様のアプローチを行いながら、ナショナルスタッフのみならず、リレイテッドとも一心同体になることで、日米のお互いの良さを深化融合させた究極のデザインを追求していきました。結果として、ニューヨークの古き良き建物のデザインを基本コンセプトとしつつ、ニューヨークのオフィスビルではあまり見られない「温かみのある木材」や「自然を生かした石材」などをデザインに取り入れることで、斬新さとホスピタリティが融合した唯一無二のロビー空間を創り出したのです。

当プロジェクトでは、当社、共同事業者双方の「モノづくりへの想いやこだわり」が非常に強く、時に反発し合うこともありました。しかしながら、それは、より良い開発を実現しようとするデベロッパーとしてのあくなき追求心の表れでもあります。「三井不動産と仕事ができてよかった」。プロジェクト後にリレイテッドが発してくれたその言葉は、「より良いものをつくりたい」という根本的な情熱が万国共通であることの証ですし、その想いがあったからこそ両社が1体となってプロジェクトに向き合えたのだと思います。更には、言葉も文化も違う異国の地で、社内のナショナルスタッフおよびリレイテッドのメンバーと関係性を深化させながら、大きな成功に向けて邁進していくことは、難易度の高さに勝る、大きな達成感につながるものでした。「55HY」は当社のグローバルポートフォリオの核となるマンハッタンの歴史的プロジェクトで、そこに携われることは大きなやりがいであり、今まで以上の使命感と責任感を自覚して取り組んでいます。「55HY」に加えて、私は現在、2017年に当社が新たに参画を表明した58階建の複合ビル「50HY」の開発プロジェクトも担当しています。この施設は「55HY」以上の規模となるビッグプロジェクトであり、日本の不動産会社の海外開発案件では過去最大規模。これまで「日本橋再開発」「55HY」で蓄積した知見をフルに活かして取り組んでいく所存です。こうした刺激的かつ貴重な経験を重ねながら、今後も「三井不動産イズム」を胸に、世界中に魅力的な街、建物を創り出していきたいと思っています。

営業
山縣 有孝
2006年入社
三井不動産アメリカ(株)(ニューヨーク)

2015年4月、海外トレーニー制度を利用して渡米し、研修終了後、MFAホールディング(株)に出向することとなり、着工直前の「55HY」プロジェクトのテナントリーシングを担当することになりました。ミッションは、オフィスを中心に構成される「55HY」のテナントを誘致することです。日本では、リーシングをデベロッパーが自ら行うことも多いですが、米国では、テナント側もオーナー側もブローカー(仲介会社)が両者の間に入ることが慣習となっており、私たちには、パートナーのリレイテッドやテナント情報を有するブローカーを適切にコントロールしていくことが求められます。ブローカーが55HYの候補となりうるテナントにコンタクトを取り、好感触を得た段階で私たちは具体的なプレゼンテーションを実施、その後賃料や期間などの条件交渉を経て契約となります。
今でこそハドソンヤードは工事がかなり進捗をして、“街”としての姿を容易に想像できますが、55HYのリーシングが本格的にスタートした当時は、まだどのような街になるか想像が難しい段階でしたので、リーシングチームとしては、テナント候補に対してハドソンヤードがどのような街になっていくのか、具体的なイメージを持ってもらうことが課題となっていました。

「55HY」プロジェクトで、実際のブローカーとの連携やテナント誘致活動のフロントに立つのは、リレイテッドのリーシングチームになります。私は、誘致活動を開始してしばらくして、連携強化を目的とし、リレイテッドへ出向となりました。彼らをマネジメントしていく立場として、プロジェクトに対するお互いの意識の確認や営業戦略面での擦り合わせを重ねて信頼関係を強化していきました。そして、出向から約1ヵ月後、ある大手弁護士事務所へのプレゼンテーションが実現し、「ハドソンヤード」が将来、マンハッタンのオフィス街の中心地になっていく可能性があること、新たな街が生まれることの魅力を訴求。その後、度重なる交渉の結果、契約に至りました。テナントとして、この大手弁護士事務所の入居が決まったことは少なからずマーケットにインパクトを与え、その後の誘致活動に弾みをつけるものとなりました。その過程で実感したのは、米国ではより、「働く場であるオフィス環境が魅力的であることが、優秀な人材確保や企業価値向上につながる」という考えが根底にあり、オフィス移転は一つの投資ととらえられているということです。そのような視点でテナントにアプローチをしていくことは非常に刺激的でした。

現在、「55HY」は、弁護士事務所やファンド系金融会社など、8割以上の入居が決定しています。これを100%に近づけていくと同時に、新たに当社が開発参画を決定した高層ビル「50HY」のテナント誘致活動も開始しました。すでにオフィスの3割を占める、米国資産運用大手のブラックロック本社の入居が決まっていますが、次なる中核となるテナントを見出すことが目下の課題となっています。私自身、日本で約6年テナント誘致の営業を担当してきたので、「50HY」には是非、日系企業を誘致したいと考えています。日本では、自らテナントにアプローチする活動でしたが、ここ米国では自分の意欲や行動以上に「リレイテッド」社員の奮起やモチベーションが成果に直結します。したがって、彼らとの密なコミュニケーションや良好なリレーションシップの構築が、極めて重要な要素になります。私にとっては、出向時も含めて「リレイテッド」の社員と協働したことは貴重な経験となりました。彼らの、ミッションに対するコミットメントの強さや気迫、あるいはとことん突き詰める仕事へのスタンスなど、そのプロフェッショナル意識は非常に刺激的であり、自身の成長を促したと感じています。将来は、欧米を舞台に、日本流の、三井不動産の経験・ノウハウを活かした街・建物づくりを手がけていきたいと思っています。