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「マーケティングホライズン」 [PULSE] (社)日本マーケティング協会
住み替えニーズの多様化と「おひとりさま」

 三井不動産グループの住宅分譲事業会社・三井不動産レジデンシャル(株)では、単身女性やDINKSなど小世帯の都心居住ニーズに応える分譲マンションの新ブランド〈パークリュクス〉を08年7月より展開している。
 〈パークリュクス〉シリーズのコンセプトは ”It’s my luxury”。供給エリアはJR山手線圏内で最寄駅から徒歩5分圏内を基本とし、間取り・面積は1LDK〜2LDKで30m2台〜60m2台を中心としている。
 商品企画面では、ホテルライクな内廊下形式の配棟計画や共用部ダブルオートロックなどプライバシー・セキュリティへの配慮、小スペースながらも機能性と快適性を追求した住空間、イントラネットによるクリーニングや家事代行サービスの取次・紹介サービスなど、利便性・快適性・安全性の充実を通じてお客様の豊かな都心生活の実現を目指している。
 第一弾の本郷を皮切りにお茶の水、白金、西麻布、初台、三宿などこれまでに11物件約450戸を販売。リーマンショックと前後してのシリーズスタートとなったものの上述したコンセプトがお客様に高く評価され、販売は順調に進捗している。
 この〈パークリュクス〉シリーズの購入者のおよそ5割以上が単身女性、いわゆる「おひとりさま」となっているが、彼女たちのプロフィールを簡単に紹介しよう。
 年齢は30歳台後半から40歳台前半のいわゆる「アラフォー世代」が5割超、年収は500万円台から600万円台が全体の約三分の一を占めている。購入時の預貯金額は1,000万円以上という人が全体の約半数と堅実に貯蓄をしているが、購入に際しては親からも一定の資金援助を受けている人が多い。

 さて、かつて住宅業界には「住宅すごろく」という言葉があった。「ふりだし」は社会に出て賃貸アパートでの一人暮らし、やがて結婚や出産を契機にファミリータイプの分譲マンションを購入、最後は郊外に庭付き一戸建てを建てて「あがり」−というような、住宅の住み替えの典型的なパターンを指して使われた言葉である。
 しかし、少子高齢化、非婚化・晩婚化、女性の社会進出、雇用の流動化といった社会の変化に伴って消費者のライフスタイルは多様化し、住宅の住み替えもかつての「すごろく」のような単純なパターンには収まりきらなくなっている。個々のお客様の働き方や家族の状況に応じて住み替えパターンが多様化・複雑化しつつある今日では、お客様それぞれ・その時々のライフスタイルに対応した多様な選択肢の提供が求められている。 
 〈パークリュクス〉シリーズは想定顧客層として単身女性を意識してはいるが、いわゆる「女性専用マンション」ではない。お客様にはDINKSや男性の方もいらっしゃる。その意味で、パークリュクス〉シリーズは「単身女性」という単純なデモグラフィック属性によるターゲット・セグメンテーションではなく、小世帯(単身女性を含む)の都心居住というライフスタイルに着目したセグメンテーションを行っているのである。
 国内市場が成熟化する中にあって、今後増加が見込まれる「おひとりさま」関連の市場は数少ない成長分野である。しかし、「おひとりさま」というのはあくまでもデモグラフィックな属性に過ぎないのであって、そのライフスタイルや価値観はそれこそ異なっていることを忘れてはならない。それをひと括りにしてただ単に「おひとりさま向け」と体裁をしつらえただけの商品・サービスでは、お客様の支持を得ることは難しいのではないだろうか。




辻田昌弘
(社)日本マーケティング協会
『マーケティングホライズン』2号/NO.631掲載


 
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