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不動産経済ファンドレビュー グローバルレポート
市場再編が進む台湾REITとアジアREIT市場のクロスボーダー化


 本稿では、昨年よりアジアにおける各REIT市場と不動産マーケットについて取り上げてきたが、今回は締めくくりとして台湾のREIT市場を取り上げる。

 1990年代後半からの不動産バブル崩壊とアジア通貨危機等の影響で、台湾の不動産投資市場は冷え込み不良債権担保物件が急増した。2002年には土地法の改正により、外国人・外国法人名義での所有が許可されるなど、不動産市場活性化策がとられたが、その一環として2003年に台湾でもREITの制度が確立した。このような背景から台湾REITのスポンサーは金融機関がほとんどであり、当初不良債権処理の器とされることが懸念されたが、上場が始まる2005年には不動産市場は再活性化され、銀行の店舗の入居するオフィスビルを始め賃貸マンションやホテルなど幅広い不動産を保有資産としたREITの上場が始まった。その後2007年5月までに8本のREITが上場を果たしたが、それ以降新規の上場が無く、更にクローズドエンド型のREITで増資が認められていなかったため、上場済REITの物件取得も限定的であり、台湾REITマーケットは極めて低調であった。

 2009年にはこの事態を打破すべく、競合する各アジアREIT市場制度等との比較研究から、増資の解禁が行われ、更に都市再開発など限定された分野へ15%以下という制限つきながら開発物件への投資が解禁された。リーマンショック以降早期に回復しかつ安定的に成長を続けている台湾経済を背景として、中国本土マネーの流入もあって台湾の不動産マーケットはバブルが懸念されるほど回復し、不調であったREITマーケットにおいても、依然として取引高は低調ではあるものの、各REITが台湾証券取引市場のインデックスである加権指数を上回って推移している。不動産価格の高騰を反映し、特にここ一年間のリターンは各REIT23〜46%となっている。

 また、8本上場していたREITのうち2本は本年3月までに上場廃止(清算)となっている。この2銘柄は長い間不動産価値に比べて低い株価しか付かず、流動性も乏しかったため、投資主が清算の道を選択した。REIT市場の再編により、選別されたREITが投資家に徐々に受け入れられるようになったと解釈される。

 アジア新興国においてはREIT市場が開設されている国は限定的であり、最近ではインドのヘルスケアREIT(Religare Health Trust)が、シンガポール市場への上場を目指しているなど、クロスボーダーな上場が目につく。下表は、各アジアREIT市場の制度をまとめたものであるが、新興国不動産市場の発展と共に各REIT市場間の競争が今後も活性化していくだろう。

 

 

■アジアREIT制度比較

(各種資料より筆者作成)
※図のクリックにて拡大




大竹 喜久
2012年10月15日 不動産経済ファンドレビュー グローバルレポート

 

 

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