• 住まい

三井不動産、慶應義塾大学、タニタ、3者共同研究の成果
都市型住宅居住者向け健康サポートサービス
「Personal Health Design」
2013年1月11日(金)より、サービス提供開始
~実用化に向け、大川端リバーシティ21エリアにて実施~

平成25年1月10日
三井不動産株式会社、慶應義塾大学スポーツ医学研究センター、株式会社タニタ

三井不動産株式会社、慶應義塾大学スポーツ医学研究センター、株式会社タニタの3者は、急激な高齢化、生活習慣病の増加、医療費増大といった日本社会が抱える諸問題の解決に向け共同研究を実施し、その成果として、都市型住宅居住者向けの健康サポートプログラム「Personal Health Design(P.H.D.)プログラム」が完成いたしました。
    今般、本プログラムのサービス拠点として、三井不動産株式会社は、東京都中央区・大川端リバーシティ21地区に専用ラウンジ「P.H.D.ラウンジ」を開設いたします。株式会社タニタが本サービスの参加者を募集し、看護師資格を持つ「P.H.D.コンサルタント」が健康増進に向けて参加者各々の目的に合ったオーダーメードのサービスを提供します。サービスは有償で、2013年1月11日(金)より約2年間実施します。

「P.H.D.プログラム」は、三井不動産株式会社、慶應義塾大学スポーツ医学研究センター、株式会社タニタの3者共同研究により生まれました。本サービスは住まいの共用部「P.H.D.ラウンジ」に「P.H.D.コンサルタント」が常駐して、居住者の生活環境を詳細に把握した上で健康増進をサポートする新しいサービスです。現時点の健康状態だけでなく、その背景にある健康意識・健康知識・生活習慣・住環境などの関連要因を総合的にアセスメントした上で、健康行動科学的理論に基づいたオーダーメードのサービスを提供します。本サービス提供に当たっては、先行して2010年に大川端リバーシティ21地区で実施したトライアル実証研究および、2010年度の経済産業省委託調査「健康増進のための住宅づくり」の成果を反映し完成させました。

<本サービス概要>

サービス提供期間 2013年1月11日~2014年12月31日(予定)
対象世帯エリア 大川端リバーシティ21地区
サービス提供拠点 大川端リバーシティ21 ピアウエストスクエア1階 「P.H.D.ラウンジ」
サービス内容
  1. 看護師資格を持つ「P.H.D.コンサルタント」によるマンツーマンサポート
  2. 「P.H.D.プログラム」に基づくオーダーメードの健康プランの作成と提供
  3. WEBによる健康状態の「見える化」
  4. コミュニティ形成の場となる「P.H.D.ラウンジ」の設置
  5. タニタ等による各種健康イベント・セミナーの開催
  6. 地域医療機関との連携

■P.H.D.ラウンジ写真


コミュニティカフェ

面談ルーム

■サービス内容

本サービスは提供期間を約2年とし、三井不動産株式会社が1986年より大規模開発を行い街の成熟化が進んだ結果、多様な世代が住まう都市型住宅の代表事例である大川端リバーシティ21地区にて実施いたします。

  1. 看護師資格を持つ「P.H.D.コンサルタント」によるマンツーマンサポート
    専門の「P.H.D.コンサルタント」が常駐し、健康についての気軽な相談相手としてだけでなく、月1回の定期面談などを通じて、理想のカラダづくりをマンツーマンでサポートします。
  2. 「P.H.D.プログラム」に基づくオーダーメードの健康プランの作成と提供
    慶應義塾大学スポーツ医学研究センターの健康行動科学的理論と、株式会社タニタの保健指導のノウハウ、三井不動産株式会社の住環境づくりの経験を融合して研究した成果である「P.H.D.プログラム」に基づき、個々人を客観的に評価した上で株式会社タニタの「P.H.D.コンサルタント」が、「やせたい」、「禁煙したい」、「フルマラソンを走りたい」など、一人ひとりに合った目標設定と実現に向けたプランを提案します。
  3. WEBによる健康状態の「見える化」
    株式会社タニタのインターネットを使った会員制の健康管理サービス「からだカルテ」※1を通じて、貸与するタニタの体組成計や歩数計で計測した、体重、体脂肪率、筋肉量など体組成の自己計測結果を自動的に記録。毎日のカラダの状態の変化を、WEBで「見える化」します。
  4. コミュニティ形成の場となる「P.H.D.ラウンジ」の設置
    ピアウエストスクエアにサービス拠点であり交流の場となる共用スペース「P.H.D.ラウンジ」を設置。情報収集はもちろんのこと、居住者にお寛ぎ頂けるライブラリーやカフェを併設します。
  5. タニタ等による各種健康イベント・セミナーの開催
    株式会社タニタによる料理教室など定期的なイベント開催を予定しています。その他、企業とのタイアップによるイベントなど、「運動」「食事」「休養」をテーマとした各種健康イベントを実施予定です。
    ◆イベント例
    「タニタ食堂健康セミナー」「タニタ食堂料理教室」「体組成測定会」
  6. 地域医療機関との連携
    ホームドクターとして地域に密着したクリニックと提携。必要に応じて会員の方のカラダの状況をクリニックにお伝えする橋渡しをします。また、クリニックにおいて三大疾病などの重度疾患の診断を受けた場合は、専門医の紹介サービス(株式会社法研の名医案内サービス「ベストドクターズ・サービス」※2)をご利用いただけます。

■お申込み時の流れ

■サービスの流れ

■本サービス提供に至る背景・意義

我が国は、急激な高齢化、生活習慣病の増加、医療費増大といった問題を抱えています。現在の国民医療費は37.8兆円(2011年度)であり、2025年には約70兆円にのぼると試算されています。また、過去10年で、介護費は約2倍に膨らんでおり(現在8.9兆円)、2025年には20兆円を超えると推定されています。一方、長寿命化・核家族化により、子供が独立した熟年夫婦2人世帯(エンプティネスタ)はまだまだ元気であり、いつまでもアクティブに生きたいという志向が強くなっています。同時に将来の健康に不安を覚えており病気や万一のことを心配して健康管理や疾病予防への関心が高まっています。また、増加傾向にある単身者も同様に健康に高い関心を示しています。これまでも「健康」をテーマとする住宅の供給がみられますが、居住者の日々の活動である「健康」や「いきがい」に働きかけるソフトサービスを付加した住宅は供給されていません。一方で、「健康」で「いきがい」を感じられる生活を送るための生活習慣の改善には、個人を取り巻く環境の整備が重要であることが最近の研究で明らかにされつつあり、個人の生活に近い衣食住に直結した“環境改善”の取り組みが必要とされています。本サービスは、個人の生活のベースとなる住宅に着目し、高品質なハードと有機的に結びついた、「運動」「食事」「休養」等に関する健康面の向上や集合住宅内でのコミュニティづくりへの支援など、「健康」や「いきがい」を感じられる新しい住まいのあり方を提案するものです。

■三井不動産・慶應義塾大学スポーツ医学研究センター・タニタの共同研究による成果

「P.H.D.プログラム」は、予防医学に関する研究・実践を長年行ってきた慶應義塾大学スポーツ医学研究センターの理論と、約20年間の保健指導のノウハウを持ち、食事指導の研究から生まれたレシピ本『体脂肪計タニタの社員食堂』(大和書房刊)がベストセラーとなった株式会社タニタの経験、より快適で豊かな住まいとくらしを提供する三井不動産株式会社の住宅開発基盤を組み合わせて研究した成果です。
    実際にサービスを提供する大川端リバーシティ21地区は東京駅から2km圏、東京メトロ有楽町線・都営大江戸線「月島」駅徒歩約6分に立地する住宅エリアです。周辺に生活利便施設が充実している都心立地でありながら、水と緑に囲まれた潤い溢れる環境に位置していることや、誕生してから20数年が経ち幅広い世代の居住者が暮らしていることからも本サービスを実施するのに最適であると判断しました。
    2年間のサービス提供を通じ、実際にサービスを利用された居住者の声を集め、顧客ニーズに最大限対応していく予定です。三井不動産株式会社は、本サービスを通じて得られた結果をもとに、我が国において人口ボリュームの多いエンプティネスタに適合する生活環境および充実した施設の整備によって、居住者の健康をサポートする、より快適で豊かな暮らしができる次世代型住宅を提供してまいります。

三井不動産株式会社
「都市に豊かさと潤いを」をグループステートメントに掲げ、国内外においてオフィスビルや商業施設、住宅等の開発・運営事業を展開。東京ミッドタウンや日本橋再生計画などに代表される複合開発型の街づくりによる新たな価値創造にも取り組んでいる。
慶應義塾大学スポーツ医学研究センター
スポーツにおける医学的研究および教育に対する要求の高まりを受け、1989年設立。スポーツ選手の競技力向上、強化だけにとどまらず、一般の人々の健康維持・増進、疾患の予防・治療(例えば、肥満、生活習慣病など)等幅広い領域にわたり、約20年間諸問題に取り組んでいる。
株式会社タニタ
「健康をはかる」計測機器のリーディングカンパニー。「食事」「運動」「休養」をバランスよく取り、カラダの変化をチェックする「健康サイクル」の実践を提唱しており、これをサポートする様々な機器・サービスを提供している。社員食堂のヘルシーメニューをまとめたレシピ本「体脂肪計タニタの社員食堂」(大和書房刊)は続編と合わせて485万部のベストセラーとなり、2012年1月には東京・丸の内に「丸の内タニタ食堂」をオープンした。

■P.H.D.ラウンジ概要

施設名称 P.H.D.ラウンジ
所在地 大川端リバーシティ21 ピアウエストスクエア ノースウイング1階
(東京都中央区佃1-11-8)
交通 東京メトロ有楽町線・都営大江戸線「月島駅」徒歩約6分
JR京葉線・東京メトロ日比谷線「八丁堀駅」徒歩約11分
面積 約100㎡ (面談ルーム、ライブラリー、コミュニティカフェ、キッチン)
利用時間 10時~19時(定休日:火・木)

■P.H.D.ラウンジ平面図


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ライブラリーエリア

コミュニティカフェ/キッチン

■MAP

  • 1 「からだカルテ」
    株式会社タニタが提供するインターネットを使った会員制の健康管理サービスです。通信機能を持つ体組成計、歩数計、血圧計を使用し、計測結果をインターネット上の専用サーバに転送。利用者はパソコンや携帯電話、スマートフォンでアクセスすることで、日々のカラダの変化をチェックすることができます。また、管理栄養士、健康運動指導士によるサポートも行っています。
  • 2 法研の名医案内サービス「ベストドクターズ・サービス」
    株式会社法研が三大疾病などのサービス対象疾患と診断されたとき、病状に応じた最適な治療やセカンドオピニオンの取得のために、医師同士の相互評価で一定以上の評価を得た優秀な日本の医師をご案内するサービスです。本サービスはベストドクターズ社(Best Doctors, inc.)の日本総代理店である株式会社法研が運営するベストドクターズ日本コールセンターを通じて提供されます。
    ベストドクターズは米国および他の国におけるベストドクターズ社の商標です。

【2010年トライアル実施概要】

2010年に、本サービスの提供に先行してプログラムのトライアル研究を実施。約100名の参加者に約6ヶ月間のプログラムに参加していただき、個別健康増進プログラムの効果検証を行いました。健康に関する日常生活などに改善の効果がみられその有効性が確認されています。また、個別健康増進プログラムの提供に加え、健康・医療サポートやコミュニティ形成サポート、買物家事代行などの日常生活サポートのニーズが掘り起こされました。

■概要

対象地 大川端リバーシティ21西ブロック
参加者 30代~60代男女 約100名
研究デザイン 無作為化比較試験
期間 2010年6月から約1年間
プログラム
概要
食事・運動調査、体組成測定、運動能力測定、血液検査、質問紙調査を行い、健康意識・行動・状態を把握した上で、看護師資格を有する「健康コンシェルジュ(現P.H.D.コンサルタント相当)」が、個人のニーズに応じたオーダーメードの6ヶ月の「健康サポートプログラム」を提供。
  1. 健康状態の分析
  2. 「健康サポートプログラム」の作成
  3. 健康コンシェルジュと月1回面談
  4. WEBを活用した「健康サポートプログラム」の実践状況の記録
  5. 実践継続を支援する「見守りメール」の配信
  6. 健康・医療に関するセミナー
終了時に同様の項目を評価し、その変化を対照群(6ヶ月間はプログラム参加しない群)と比較検討。
結果概要
  • 男性
    • 主観的健康感の増大
    • 体重、BMI、体脂肪率の改善
    • インスリン、アディポネクチン(脂肪細胞から分泌される善玉ホルモンの一種)、高感度CRPの改善
    • 強度の高い身体活動量の増加
    • 減量プログラムの参加者は年末年始の時期でも、悪玉コレステロール等の改善
    ⇒長期休暇、季節、時期など、食生活の乱れがちな時期の重点的サポート、逆戻り防止対策が必要
  • 女性
    • 歩数が増加
    • 応募者の特徴として、健康意識が高く、動機づけもされている人が多かったため、介入群・対照群間での差は出にくかった
    ⇒疾病予防だけでなく、美容・快適さなど、健康へのニーズが様々になる場合、そのニーズに合わせたサポートが必要