京都中京区にオープンした三井ガーデンホテル京都新町 別邸。
1903年に建てられた風情ある京町家を
どうやって現代にフィットさせるか。
ただ保存するだけではなく愛される存在として
どう生まれ変わらせるか。
歴史への愛情を注いであえて小規模のホテルにする。
それはここにしかない独自の価値になる。
その価値はきっとひとを惹きつけるはずだ。
祇園祭の山鉾巡行がやってくると、
この場所が特別な愛されかたをしていることがわかる。
2階によみがえった虫籠窓が開け放たれて
目の前をゆく山鉾をうれしそうに眺める宿泊客たちの
満足そうなその表情こそがそれだ。
歴史をただのテイストにしてしまいたくない。
その土地が素敵な意味を持ち続けるために
何を残すべきか。
歴史と未来の美しい関係をつくるために
そういう発想こそが必要なのかもしれない。
京都に溶け込んで
街のひとたちに
愛されているこのホテルに、
未来の風がひとつ吹いていた。
2016年3月掲載 雑誌広告