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また星が流れた。不便さに贅沢を感じるなんて人間って面白い生き物だなあ。
三重県志摩市、英虞湾のすぐそばにNEMU RESORTはある。
ここにはかつて、
巨大なプールやゴーカートや温泉施設をもつ
大きなテーマパーク型のリゾートがあった。
だが、時代は流れリゾートに対する価値観が変わった。
生まれ変わるのは必然だった。
ここにしかないものは何か。
都会にはないものこそがリゾートという場所には必要なのだ。
だからこの土地にある最も贅沢なものを取り戻そう。
それが「自然への回帰」だった。
不自然なものを、自然なものへ。
このコンセプトが実にたくさんのことを教えてくれた。
最初に「陰影と起伏」を地形に取り戻した。
それは生き物たちの循環を生んだ。
そして次に「不便さ」を作った。
人間の目の高さより高い灯を、夜から消そう。
道案内のサインをできるだけ減らした。
迷うのは最初だけで、それも楽しい経験のひとつになった。
夜空に浮かぶ星たちはそれだけでひとつのコンテンツだった。
すべてのお手本は、自然のなかにあった。
私たちが便利と快適の名のもとに捨ててきたものが
実はとても素敵なものだったのだ。
てふてふの丘で深呼吸するだけで、
それがわかる。
私たちが未来をつくるときに
忘れてはいけないものが
ここにはたくさんあった。
いい街には、物語がある。
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2019年4月掲載 雑誌広告