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その桜の道が、この街の秘密を教えてくれた。
日本橋を歩くといつも
少し不思議な気持ちになる。
歩きやすいのだ。
すこし歩くと見えてくる風景が楽しいのだ。

「道づくりによる街づくり」という
開発当時のコンセプトが
息づいているからだろうか。

ひとが動くと、賑わいが生まれる。
その賑わいは、街の生命力になる。
道はそれをつくりだす。

春になると、桜が新しい道を教えてくれる。
「江戸桜通り」
江戸時代の市川團十郎のお家芸、
助六由縁江戸桜にちなんで名づけられたその通りは
常盤橋から昭和通りまで
大通りと老舗の路地を気持ち良くつないでいる。
この新しくて、由緒のある道は、
日本橋の新しいひとの流れをつくりだして
歴史と未来をつないでいるのだ。

だから気持ちいいのか。
一歩あるくたびに見えてくる風景が心を誘う。
来年の桜はあのひとと見に来よう。
いい街には、物語がある。
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2018年5月掲載 雑誌広告