トップメッセージ

持続可能な社会の実現を目指し
ESG課題の解決やSDGsの達成に貢献

左:代表取締役会長 岩沙弘道  右:代表取締役社長 菰田正信

左:代表取締役会長 岩沙弘道
右:代表取締役社長 菰田正信

三井不動産グループの社会的使命

世界は新型コロナウイルス感染症との戦いの最中にあります。感染拡大を防止するために、人や物の移動の制限や社会的距離を確保する取り組み等が行われ、経済は非常に大きな打撃を受けています。日本においてもいまだに感染拡大の収束時期を見極めることが困難な状況にあり、ワクチンあるいは治療薬が確立されない限りは、新型コロナウイルスと共生していく期間が続くものと思われます。社会生活や経済活動の大幅な制約が当面続き、長期戦を覚悟せざるを得ない状況が予想される中で、私たちは「感染拡大の防止」と「経済の再生」を両立させるという非常に大きな難題に直面しています。

このような世界規模での混乱が続く中、企業が最優先に取り組むべき課題は「人々の命と健康を守ること」であると考えています。そしてこの国難を乗り越えるために、官民が一体となって感染拡大の防止と経済の再生に取り組んでいくことが重要です。

三井不動産グループは本来、様々な事業を通して街の賑わいを創り、人々のくらしに楽しみや潤いを提供することを目指していますが、今は人々のくらしを守るため、街が賑わう状態を避け、営業やサービスを一部抑制する必要があります。

その結果、利益は一時的には減少に転じますが、企業は経済的価値や短期的な利益を追求するだけではなく、社会的な責任を果たさなければなりません。地域社会やテナントといったパートナーと助け合いながら、持続可能な社会の実現に向けて、この国難をともに乗り越えていく覚悟です。このような社会的責任を全うすることで、お客さまやテナントをはじめとする全てのステークホルダーからの私たちに対する信頼が一層高まり、いずれ新型コロナウイルス感染症の流行が収束した後には、三井不動産グループがさらに社会から必要とされる存在になることができると確信しています。

各事業の状況

当社グループは現在、あらゆる施設において新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けて様々な対応を行っていますが、こうした中での主要事業の状況についてお伝えします。

オフィスビル事業は足元では順調に推移し、2018年に竣工した「東京ミッドタウン日比谷」をはじめとして、東京で新たに完成した当社の手掛けるミクストユース型再開発物件(日比谷、日本橋、田町、大手町、春日、豊洲エリア)はいずれもほぼ満室で稼働しています。

商業施設事業は、政府による緊急事態宣言は解除されたものの第2波の感染症流行リスクが依然として懸念される中では、営業の正常化や以前のような売上回復までに時間を要するものと思われます。当社グループではこうした環境下においてこそ、重要な事業パートナーである店舗テナントを積極的に支援し、痛みを分かち合い、ともにこの逆境を乗り越えていく姿勢が大切であると考えています。引き続きテナントとの長期的な信頼関係の強化に努め、多くのお客さまに喜んでいただける魅力あふれる店舗を取り揃えた施設を目指してまいります。

ホテル・リゾート事業は、インバウンド観光客の大幅な減少、国内の長距離移動の自粛、さらには東京オリンピック・パラリンピック開催延期等の影響を受けて売上・利益が減少しています。こうした需要回復までの期間をお客さまからより高い信頼を獲得するための貴重な準備期間ととらえ、施設の衛生管理の徹底やロイヤルカスタマーのさらなる醸成に向けた検討など、様々な施策を実行してまいります。

国内の住宅マーケットは、共働き世帯の増加、職住近接ニーズの高まりや低金利に支えられて、利便性の高い都心や駅近物件を中心に好調な売れ行きを維持してきました。このような中、「都心」「大規模」「再開発」といった当社グループの強みが発揮された付加価値の高いマンションは総じて好調な売れ行きが続き、2020年度計上予定の3,800戸については、期初の段階で8割以上が契約済みとなっています。新型コロナウイルス感染症による影響は今のところ限定的ですが、マーケットの見通しについてはしっかりと注視してまいります。

海外事業において特に大きなウエイトを占める欧米のオフィスビル事業は、テナントとの契約期間が10年間から15年間といった長期契約が中心であるため比較的安定しています。また新規オフィスビルのリーシング状況に関しては、米国最大級の大規模開発「55ハドソンヤード」が100%稼働、2022年竣工予定の「(仮称)50ハドソンヤード開発計画」もBlackRockとFacebookがテナントとして決定しており、すでに75%が契約済みとなっています。英国においても「1エンジェルコート」や「テレビジョンセンター再開発計画」などのオフィスはほぼ100%稼働中であり、分譲住宅も9割以上が契約済みです。

グループ長期経営方針「VISION 2025」の推進

当社グループは不動産業そのもののイノベーションと更なるグローバリゼーションに取り組み、2020年代中盤以降も持続的な成長を実現していくために、長期経営方針「VISION 2025」を策定しています。その目指していくあり姿として「街づくりを通して、持続可能な社会の構築を実現」「テクノロジーを活用し、不動産業そのものをイノベーション」「グローバルカンパニーへの進化」というビジョンを掲げていますが、感染症の拡大という世界的な危機においても、その方向性に変更はないと確信しています。

ワクチンや治療薬が確立していない現在においては、人々は不要な接触を控えなければなりませんが、この状態が決して未来の日常の姿ではありません。人間は元来社会的な動物で、接触によってエネルギーを生み出す生き物です。ひとたびこのウイルスに対する治療法や予防策が確立されれば、本来のあるべき姿、すなわち、街に人が集まって賑わいをもたらし、様々な価値が生まれ、人と人が接することによってイノベーションが起こる未来が待っていると確信しています。したがって「街づくりを通して、持続可能な社会の構築を実現」することを引き続き目指してまいります。

また急速に進むデジタルトランスフォーメーションの進展に関しても、「VISION 2025」に掲げている方向性と合致しています。当社グループが推進するシェアオフィス「WORKSTYLING」、ECサイト「&mall」、物流施設における「MFLP ICT LABO 2.0」などはその一例ですが、これからの世界は今まで以上にライフスタイルやワークスタイルの多様化が進み、デジタルとリアルの融合が一層求められる時代となります。求められる変化のスピード感やスケール感については当初の想定を見直していく可能性もありますが、今後も「テクノロジーを活用した不動産業のイノベーション」に向けて 様々な施策を実行してまいります。

新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延はグローバル化の「負の側面である」と指摘する声がありますが、当社グループが推進するグローバル化はそれとは全く異なるものです。私たちが行うグローバルビジネスとは、主には人が国境を越えて移動することを対象としたものではなく、不動産事業そのものを海外でローカルビジネスとして定着させ、当社の有する不動産の総合力をもって高付加価値の事業を現地で展開していくものであり、今後もしっかりと拡大していくことができると考えています。

新型コロナウイルス感染症の問題を契機として、企業は利益を上げるだけではなく、社会的な責任をしっかりと果たしていくことが重要であると改めて深く実感しています。今回のような危機に際しては、まず何より人々の命と健康を守らなければなりません。その結果として営業活動の制約や一時的な利益の減少も受け入れる必要があります。またテナント等の事業パートナーが非常に厳しい状態に陥れば、少しでも余裕のある会社が手を差し伸べていかなければなりません。さらに最前線でウイルスと戦っている医療従事者の支援も必要です。これこそが持続可能な社会を実現していくため の取り組みであり、ESGの精神にかなったものであると私たちは考えます。こうした視点を踏まえつつ、当社グループはこれまで以上にESG経営を推進し、「VISION 2025」の着実な実現に向けて取り組んでまいります。

グループ長期経営方針「VISION 2025」の推進

2020年7月

三井不動産株式会社
代表取締役会長

岩沙弘道

三井不動産株式会社
代表取締役社長

菰田正信

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