SUSTAINABILITY / ESG

Vol.19

2025.01.17

三井不動産が取り組む、スポーツ・エンターテインメントを活かした街づくり

三井不動産グループでは長期経営方針の事業戦略のひとつとして「スポーツ・エンターテインメントを活かした街づくり」の推進を定め、デジタル化が進む世の中で“リアルな体験”の価値を提供することによる街づくりを強化しています。

今回は当社が40年にわたり取り組む、南船橋のコミュニティ活性化を促進するための事例と、プロジェクトに携わる人々へのインタビューも交えながら、感動のある街づくりを目指す今後の展望についてご紹介します。

Contents

「感動のある街づくり」を目指して

三井不動産グループは、2024年4月に策定した長期経営方針でも、事業戦略に掲げる新たなアセットクラスへの展開に向け、「スポーツ・エンターテインメントを活かした街づくり」に取り組むことで、感動体験の創出を目指しています。

また、スポーツパークを有する「三井ショッピングパーク ららぽーと福岡」や屋内型スタジアムコートを有する「三井ショッピングパーク ららぽーと堺」などイベントが開催できる『場』を整え、子どもたちがアスリートの1DAYのレッスンを受けられる「三井不動産スポーツアカデミー」をはじめ、さまざまなスポーツ・エンターテインメントイベントを開催しています。

2023年から2024年にかけて各種大規模リニューアルを実施している「東京ドームシティ」では、スポーツ・エンターテインメントを軸とした『街』としての一体感や滞在快適性、満足度の向上を目指して、環境整備を進めています。

南船橋の歴史を受け継ぎ、未来へ

1981年、三井不動産グループが南船橋エリアに大規模商業施設「三井ショッピングパーク ららぽーとTOKYO-BAY」(当初の名称は「船橋ショッピングセンター」)を開発。これにより、南船橋は広域からの集客を狙った商業エリアとして成長しました。

2024年5月に「LaLa arena TOKYO-BAY」が開業し、南船橋エリアには、商業施設のほか、住宅 ・物流施設・スポーツ施設など、三井不動産グループが運営・管理する多様な施設が存在します。その強みを活かし、エリア全体でイベントとあわせて楽しんでいただける連携施策を推進中です。

スポーツ・エンターテインメントの力を活かす取り組み

当社は、「LaLa arena TOKYO-BAY」で開催されるイベントと、「ららぽーとTOKYO-BAY」「三井ショッピングパーク ららテラスTOKYO-BAY」「vivit南船橋」などの商業施設や通販サイト「Mitsui Shopping Park &mall」と連携しながら、様々なお客さまの体験価値の最大化に取り組んでいます。

南船橋の3つの商業施設では、イベントチケットの半券特典サービスの実施や、デジタルサイネージでの関連動画の放映、館内での楽曲放送、推し活グッズの販売等、推し活グッズの販売等、イベント前後も楽しんでいただける取り組みを行っています。

千葉ジェッツとの取り組み

千葉ジェッツは、2016年のB.LEAGUE開幕から4シーズン連続で観客動員数1位となり、日本のチームとして初めて、東アジアスーパーリーグ「EASL 2023-24シーズン」を制覇するなど、強豪クラブとして成長を続けているチームです。

「LaLa arena TOKYO-BAY」はそんな千葉ジェッツのホームアリーナとして「観る」場所だけではなく「過ごす」場所としての体験価値を創出しております。

アリーナに隣接する商業施設では、千葉ジェッツとコラボレーションしてデジタルサイネージでの試合状況や関連動画の放映をはじめ、施設の中での応援ゾーンの創出、チームとの連携イベント実施などの様々な取り組みを行っており、お客様と一緒に街全体でチームを盛り上げていきます。

PROJECT STORY
プロジェクトストーリー

スポーツ・エンターテインメントで生み出す「街ぐるみ」のムーブメント

(右)商業施設・スポーツ・エンターテインメント本部 商業施設運営一部 井上 直太
(左)商業施設・スポーツ・エンターテインメント本部 商業施設運営一部 小川 孝衛

三井不動産グループでは、“リアルな体験”の提供を通じて地域コミュニティの活性化に取り組んでいます。今回は、南船橋エリアでスポーツ・エンターテインメントを活かした街づくりを推進している井上直太と小川孝衛の二人に、コミュニティ活性化にむけた取り組みについて聞きました。

最初に、お二人のこれまでの経歴をお聞かせください。

井上:私はキャリア入社で、前職ではエンジニアとして石油精製コンビナートや天然ガスのプラント設計に携わっていました。海外駐在も経験し、自分の設計したものを実際に建てて、お客様に引き渡すような仕事をしてきました。

街づくりという大きなテーマでありながら、お客様との距離感が近く、より手触り感のある仕事に魅力を感じ、三井不動産に転職しました。

入社してすぐ南船橋を手掛けるチームに配属され、部分的に南船橋に関わるようになったのですが、メインで担当するようになったのは2023年10月からです。

小川:私は新卒で三井不動産に入社しました。経済学部出身で不動産に関する知識はありませんでしたが、さまざまな業界を見て、幅広い領域に携われるデベロッパーに惹かれました。

その中でも、三井不動産は非常にイノベーティブで新たな挑戦をする機会が多くあることや、数年置きにジョブローテーションを実施しているため、多種多様な不動産アセットで用地取得、開発、営業、運営といった異なるフェーズに携われる可能性があることに魅力を感じました。入社後、研修を終えてすぐ、商業施設の運営部に配属されました。

現在のお仕事の内容を教えてください。

小川:南船橋に位置する3つの商業施設「ららぽーとTOKYO-BAY」「ららテラスTOKYO-BAY」「vivit 南船橋」の運営を担当しており、テナント誘致の構想や集客のための企画業務なども担当しています。さらに、商業施設の枠を超え、地域の多様なステークホルダーや異なる領域の方々とも積極的に連携し、施設を核とした街全体の活性化を目指しています。

井上:現在南船橋エリアは2023年11月の「ららテラスTOKYO-BAY」の開業を皮切りに、「LaLa arena TOKYO-BAY」が2024年4月に竣工し、「ららぽーとTOKYO-BAY」の北館の建替えが進んでいるなど大きな変化の局面を迎えています。

今ある施設の強みや特長を伸長させつつ、新たに魅力づけできるようなコンテンツの強化を目指すなど、理想の街づくりと収益性・持続性のバランスを意識しながら運営業務にあたっています。

小川:既存のアセットに新たな魅力を加えていくプラスの取り組みだけでなく、トラブルの解決といった課題に向き合い、マイナスを解消していくことも重要な役割です。解決には時間を要することもありますが、正面から向き合い、問題を乗り越えたときには大きな達成感を得られます。

「LaLa arena TOKYO-BAY」での興行と周辺の商業施設との連携にはどのような狙いがあるのでしょうか。

井上:「ららぽーとTOKYO-BAY」は南船橋の象徴的な商業施設として40年以上続いており、地域に根付いていると感じています。今後も南船橋に住んでいる方々に愛される場所であり続けるために、時代のニーズに合わせて進化し、より広域の方からも好まれる施設にしていかなくてはなりません。

「LaLa arena TOKYO-BAY」は目的性が高い施設で、例えば好きなアーティストの興行があれば遠方から来てくださるお客様もいます。そうしたお客様に、ららぽーとやららテラスにも足を運んでもらい、三井不動産の施設とサービスを知っていただくきっかけづくりとして、連携を強化しています。

南船橋にはショッピングに特化したららぽーとがあったり、体験が充実した「LaLa arena TOKYO-BAY」があったりと、「面」としての開発が進んでいます。その特長を活かし、一施設というより、お客様が一日楽しめるエリアを作りたいという考えです。

現在の客層と、今後訴求していきたいターゲット層があれば教えてください。

井上:「ららぽーとTOKYO-BAY」は客層が分散しており、小さいお子さま連れのファミリー、若い方、ご年配の方、さまざまなお客様に来ていただいています。

すでに幅広い年代のお客様が来てくださっていますが、今後特に力を入れていきたいのは、Z世代の集客とインバウンド需要の取り込みです。Z世代に興味を持ってもらい、共感してもらえるよう、特色あるテナントの誘致やイベントの企画などを検討しています。さらに、国内需要だけでなく、外国人も含めた広域のお客様にも知ってもらい、船橋に来て楽しんでもらうことで、収益の拡大を図っていきたいです。

これまでに実現できたイベントやプロモーションがあればお聞きしたいです。

井上:三井不動産グループが保有するアセットは非常に大きいので、華々しい連携イベントを単発で催さなくても、複数の企画を連携させて、同時に積み上げていくことができます。

具体例を挙げると、「ららテラスTOKYO-BAY」のフードコートを「LaLa arena TOKYO-BAY」でライブ公演するアーティストの大きなポスターで装飾してフォトスポットを設け、「ららぽーとTOKYO-BAY」ではお客様が自由に書き込めるメッセージボードを設置するなど、施設を跨いでお客様に楽しんでいただける企画を実施しました。メッセージでいっぱいになったボードをご本人に送ったところ、その写真をSNSにアップしてくれたのです。お客様も、演者も、イベント主催者も、施設も、みんなが嬉しくなるきっかけづくりができました。

また、ポスタージャックを行い、館内各所でフォトスポット化を狙ったこともあります。小さな連携を積み重ね、まとまりがあって楽しいイベントが作れたことが成功体験になりました。

ライブ単体ではなく、ライブ前に関連施設で関連グッズを買ってワクワク感を醸成したり、ライブ後にアーティストのものであふれた場で感想を語り合ったり、フォトスポットで写真を撮ったりすることで、街全体でライブを楽しんでもらえると思っています。

1つのイベントを実行するにあたり、どれくらいのスケジュール感と体制・人数で動くのでしょうか。

井上: イベントの規模にもよりますが、例えば「LaLa arena TOKYO-BAY」で公演いただくアーティストやスポーツチームとのイベントであれば、イベント実施の半年~数カ月前から動き出すケースが多いと思います。

小川:その場合、イベント主催者様やLaLa arena関係者、アーティストの方であれば、事務所の方やレーベルの方などとも連携させていただきながら、企画を検討していきます。商業施設の運営サイドとしても、物件の運営窓口にとどまらず、テナントや広告代理店の方々など、幅広いパートナーと連携しながら企画を進めています。 短いスパンで成功に導けるよう、それぞれの立場の違いを理解しながら、各所win-winの取り組みになるよう準備をしています。

イベントの価値を最大化させるためにどんなことをしていきたいですか。

小川:スポーツで自分の好きなチームを応援するとき、熱狂が生まれますよね。そのような熱いムーブメントを、施設内だけでなく街全体でつくりあげていきたいと思っています。たとえば、街をチームカラーで彩るジャックイベントや地域の子どもたちと選手が交流するイベントなど、街ぐるみでチームを応援するような取り組みをさらに強化していきたいですね。興行主の方々にも、「LaLa arena TOKYO-BAY」で興行をしたからこそ、商業施設との連携によるここならではの盛り上がりを生み出せたというような、唯一無二の成功体験を持ち帰っていただきたいと考えています。

最後に、今後の展望や意気込みをお聞かせください。

井上:構想段階のものも多いですが、挑戦したいことはたくさんあります。現状だとお客様が見て楽しむコンテンツは多いものの、スポーツのように体を動かして楽しむ体験型のコンテンツがまだ少ないので、それを増やしていきたいですね。「南船橋に行けば一日楽しく過ごせる」と思ってもらい、実際に来てもらえる街にすることを目指しています。

小川:私は、施設の内側だけでなく、施設と施設をつなぐ道などの街の空間にも目を向けていきたいと考えています。ニューヨークの空中遊歩道「ハイライン(High Line)」のように、何気なく散歩しているだけで心が弾むような、賑わいと楽しさにあふれる街をつくりたいと思っています。

News

「LaLa arena TOKYO-BAY」を会場に「りそなグループ B.LEAGUE ALL-STAR GAME WEEKEND 2025 IN FUNABASHI」が開催

2025年1月18日(土)、1月19日(日)の2日間、船橋市をホームタウンとする「千葉ジェッツふなばし」のホームアリーナ「LaLa arena TOKYO-BAY」を会場に、公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(Bリーグ)主催で「りそなグループ B.LEAGUE ALL-STAR GAME WEEKEND 2025 IN FUNABASHI」が開催されます。
この大会は、年に1回リーグを代表するスター選手たちにより繰り広げられる夢の祭典であり、船橋市内で単独開催される初の全国規模のスポーツイベントとなります。
https://www.bleague.jp/all-stargame2025/

大会当日には、会場周辺を盛り上げる場外イベント会場として、船橋市・千葉ジェッツが主体となる実行委員会主催の「ふなばし FUN FAN FESTA with りそなグループ B.LEAGUE ALL-STAR 2025」が開催され、当社関連施設が使用されます

  • 三井ショッピングパーク ららテラスTOKYO-BAY MIXI FUN PARK
  • 三井不動産ロジスティクスパーク船橋Ⅲ「MFLP船橋・&PARK」

https://mitsui-shopping-park.com/lalaport/tokyo-bay/event/2941556.html

また、イベント開催に先立ち、1月17日(金)にはBリーグによる前日記者会見がららぽーとTOKYO-BAYにて開催され、「りそなグループB.LEAGUE ALL-STAR GAME 2025」に出場するB.BLACK、B.WHITEの全選手とヘッドコーチが登壇予定です。その他にも、イベントを街全体で盛り上げる施策を多数開催いたします。
https://www.mf-shogyo.co.jp/pdf/newsrelease-20250109-785.pdf

三井不動産グループのサステナビリティについて

三井不動産グループは、「共生・共存・共創により新たな価値を創出する、そのための挑戦を続ける」という「&マーク」の理念に基づき、「社会的価値の創出」と「経済的価値の創出」を車の両輪ととらえ、社会的価値を創出することが経済的価値の創出につながり、その経済的価値によって更に大きな社会的価値の創出を実現したいと考えています。

GROUP MATERIALITY(重点的に取り組む課題)

  1. 産業競争力への貢献
    企業や社会、そこに生きる人々の英知を結集する役割を担い、社会の付加価値の創出や、新産業の創造に貢献します。
  2. 環境との共生
    持続可能な地球環境を次世代へつなぐために、気候変動への対応をはじめ、広く自然環境との共生を目指します。
  3. 健やか・活力
    ひとり一人が健やかに、生きがいと共に生きていくために、感動体験を届け、活力に満ちた社会の実現に貢献します。
  4. 安全・安心
    ハード・ソフトの両面において、安全・安心な社会の実現に努めます。
  5. ダイバーシティ&インクルージョン
    すべての人が能力を最大限発揮し活躍できる社会の実現に向けた取組みを進めます。
  6. コンプライアンス・ガバナンス
    法令・社会規範の遵守はもとより、企業倫理に従った公正で透明性の高い企業活動を遂行します。