SUSTAINABILITY / ESG

Vol.26

2026.03.23

捨てない選択が、世界とつながる
商業施設から広がる参加型サステナビリティ

三井不動産グループの商業施設では、家族や仲間と楽しくエコ活動や社会貢献活動を体験できる「場」と「きっかけ」づくりに取り組んでいます。今回はその一環である、家庭の不用品を回収して世界の難民や子どもたちに届ける「&EARTH衣料支援プロジェクト」および「サッカー支援プロジェクト」についてご紹介。プロジェクトを率いる、商業施設・スポーツ・エンターテインメント本部 施設管理部の濱野猛と守戸のぞみにインタビューしました。

PROFILE

三井不動産株式会社 商業施設・スポーツ・エンターテインメント本部
施設管理部 環境推進グループ 濱野 猛(左)
施設管理部 環境推進グループ 守戸 のぞみ(右)

まずはふたつのプロジェクトの概要を教えてください。

濱野:「衣料支援プロジェクト」は、ららぽーとやララガーデン、三井アウトレットパークといった当社の商業施設で、来場されるお客さまから使わなくなった衣料品を回収し、NPO法人日本救援衣料センター(JRCC)を通じて、世界中の難民や被災地の人々に届けるという取り組みで、当社と三井不動産商業マネジメントが共同で運営しています。

また、「サッカー支援プロジェクト」も同様に当社の商業施設で、使わなくなったウェアやスパイク、トレーニングシューズなどのサッカー用品を募ります。元サッカー日本代表の本田圭佑さんがプロデュースする「ソルティーロ ファミリア サッカースクール」との協同プロジェクトで、こちらもJRCCを通じて経済的に支援が必要な国・地域の子どもたちへ贈るとともに、現地でサッカー教室を開催しています。

プロジェクトはどのような経緯で始まったのでしょうか。

濱野:世界には日本の人口を超える数の難民・避難民がいて、たくさんの人が着る服がなくて困っています。その一方で、日本ではまだ十分に着られる状態の服が使われないままになっていたり、捨てられたりしている。そうした問題意識があり、人や環境にやさしいライフスタイルの普及につなげる活動をしたいという思いがありました。

そこで、使わなくなった衣料品を気軽に当社商業施設へお持ち寄りいただき、支援へ活用する「衣料支援プロジェクト」を2008年にスタートさせました。また「サッカー支援プロジェクト」は、かねてサッカーを通じて世界の子どもたちの夢を支援していた本田さんとのご縁ができたことをきっかけに2017年から始めています。

具体的にプロジェクトはどのように運営しているのですか。

守戸:毎年、年2回春・秋の衣替え時期の週末に全国各地の商業施設で衣料品とサッカー用品を同時回収しています。プロジェクト開始時は2施設でしたが、現在では各回20施設以上で実施しています。イベント日に各施設に回収ブースを設け、当社グループ社員の有志とその家族とともに来場されたお客さまから衣料品やサッカー用品を受け取っています。参加するグループ会社社員がお客さまと直接コミュニケーションする貴重な機会ともなっています。

プロジェクトのこれまでの実績について教えてください。

守戸:衣料支援プロジェクトは2025年までに約13万9,700人に参加していただき、約690トンもの衣料品を世界へ届けてきました。また、サッカー支援プロジェクトでは、これまでに4.4トンのサッカー用具をカンボジアやタイをはじめとする海外の子どもたちに寄贈しています。

来場者からの反響はいかがでしょうか。

守戸:多くの方にプロジェクトの思いに共感していただいていると感じています。昨今、フリマサイトやリユースショップなどで不用品を活用する方法が多様化しています。そのなかで「支援」というプロジェクトの意義に共感し、お持寄りいただけるのはとてもうれしいです。繰り返し参加してくださるお客さまも多く、「世界とのつながりを実感できる」といった感想をしばしばいただきます。17年間地道に継続してきた結果、多くの皆様にご協力いただいております。

活動を通じてどのような「気づき」を届けたいと考えていますか。

守戸:個人のちょっとした行動が社会全体にいい影響を与えられるということを知っていただけたらと思います。「サステナブルな社会」というと大きなテーマのように思えますが、じつは日々の小さな積み重ねです。お出かけのついでに気軽に参加していただくことで、世界の人々に思いを寄せて思いがけない気づきに出合ってもらえたらうれしいです。

実際、サッカーをしている子どもを持つ保護者の方で、これまでサイズアウトしたスパイクを「もったいないな」と感じつつも使い道はないだろうと捨てていた方もいらっしゃいます。中古品でも海外の子どもたちへの支援になるこのプロジェクトを知り、笑顔でサッカー用品をお持ちいただき、「次も参加しますね」と言っていただきました。

これまでに印象的だった出来事はありますか。

濱野:サッカー支援プロジェクトの支援先であるカンボジアとタイへ実際に訪れたことがありました。そのとき、現地の子どもたちが寄贈したシューズを嬉々として履き、本当に楽しそうにサッカーをしていたんですね。日本では「もう古い」と言われてしまうような靴も彼らにとっては「ピカピカ」なんです。その光景がずっと忘れられず、必要とされているところへ物品を届けるプロジェクトへのモチベーションもいっそう大きくなりました。現地からは「子どもたちの笑顔や希望が広がった」との温かい声も届いています。

今後、プロジェクトをどのように展開していきたいですか。

守戸:当社の商業施設では、スポーツやエンターテイメントとコラボレーションしたイベントも多く開催しており、若い世代をはじめとして幅広い層の方々に参加いただいています。そのような場を活用し、より多くの方々に知っていただき、共感・参加していただけるようなプロジェクトにしていきたいと思います。

2025年度は、Jリーグの川崎フロンターレやアスルクラロ沼津、Bリーグの立川ダイスに協力いただきました。ホーム試合の際に会場に回収ブースを用意し、集まった衣料品やサッカー用品を、各チームのマスコットキャラクターが当社の商業施設へ届けてくれるというものです。来年度も、地域のスポーツやエンタメと連携しながら活動を広げていきたいと思います。

濱野:続けていくことが大事だと思っています。もう17年間、続いているプロジェクトですから、当初参加してくれた子どもが大人になって自分の家族を持っているかもしれない。「もう着ないから持って行こうよ」というような会話が次世代の家族の中でも交わされたらとてもうれしいです。

最後にプロジェクトの参加者や参加を考えている地域の皆さんにメッセージをお願いします。

濱野:この活動は皆さま一人ひとりのご協力によって成り立っています。個々の小さな行動が、地球環境や誰かの生活に温かいつながりを生み出します。今後も商業施設という「人が集まり、思いが交わる場所」を通じてサステナブルでやさしい輪を広げていきたいと考えています。ぜひ気軽に、楽しみながらご参加ください。

News

第32回「&EARTH 衣料支援プロジェクト」全国24施設で開催!

https://and-earth.mitsuifudosan.co.jp/clothes/

第16回「&EARTH サッカー支援プロジェクト」全国24施設で開催!

https://and-earth.mitsuifudosan.co.jp/soccer/

三井不動産グループのサステナビリティについて

三井不動産グループは、「共生・共存・共創により新たな価値を創出する、そのための挑戦を続ける」という「&マーク」の理念に基づき、「社会的価値の創出」と「経済的価値の創出」を車の両輪ととらえ、社会的価値を創出することが経済的価値の創出につながり、その経済的価値によって更に大きな社会的価値の創出を実現したいと考えています。

GROUP MATERIALITY(重点的に取り組む課題)

  1. 産業競争力への貢献
    企業や社会、そこに生きる人々の英知を結集する役割を担い、社会の付加価値の創出や、新産業の創造に貢献します。
  2. 環境との共生
    持続可能な地球環境を次世代へつなぐために、気候変動への対応をはじめ、広く自然環境との共生を目指します。
  3. 健やか・活力
    ひとり一人が健やかに、生きがいと共に生きていくために、感動体験を届け、活力に満ちた社会の実現に貢献します。
  4. 安全・安心
    ハード・ソフトの両面において、安全・安心な社会の実現に努めます。
  5. ダイバーシティ&インクルージョン
    すべての人が能力を最大限発揮し活躍できる社会の実現に向けた取組みを進めます。
  6. コンプライアンス・ガバナンス
    法令・社会規範の遵守はもとより、企業倫理に従った公正で透明性の高い企業活動を遂行します。