取り組み方針
地球温暖化による気候変動が原因とみられる自然災害が増え、水資源においても様々な悪影響を及ぼすことが懸念されています。2050年には、世界人口の40%以上が深刻な水不足に見舞われる可能性も予測されています。水質と水量は、健康や食料の安定確保、エネルギーの持続可能性、都市、雇用、生態系に影響を及ぼします。
水資源における「持続可能な」活用や保全を意識して、三井不動産グループではグループ環境方針に基づき、水の有効利用や地下水涵養などの水環境の保全に配慮した建物・街づくりを推進していきます。共同事業者やテナント企業、出店者さま、お客さまとともに、街づくりを通じ節水や水資源の有効利用に努め、水環境の保全に取り組んでいきます。
主な取り組み
節水
当社グループは、新築建物に節水型機器を導入するとともに、既存建物についてもリニューアル時などに節水型機器への切り替えを進めています。また、日常の建物の運営管理においても、共同事業者やテナント、出店者さま、お客さまとともに、節水に努めています。
節水型機器の導入
「東京ミッドタウン」(東京都港区)では、節水型の衛生機器や自動混合水洗式洗面台などを導入し、節水を図っています。
「三井アウトレットパークジャズドリーム長島」(三重県桑名市)では、大規模リニューアルによる増床部において、超節水型の大便器(洗浄水量5.5リットル)を49台導入しました。ららぽーと豊洲(東京都江東区)、ララガーデン川口(埼玉県川口市)、トレア-ジュ白旗(神奈川県藤沢市)においても、更新期が来たものから順次、超節水型機器へ更新をしています。公園と一体となった商業施設であるMIYASHITA PARK(東京都渋谷区)では、衛生対策の一環として、水循環型手洗いスタンドWOSHを導入しました。
三井不動産レジデンシャルの販売(賃貸については入居開始)した分譲・賃貸マンションや戸建分譲住宅では、節水型トイレと止水ボタン付きの浴室シャワーヘッドを採用しています。
井戸水の潅水利用
「パークシティ柏の葉キャンパス ザ・ゲートタワー」(千葉県柏市)では、緑地の潅水(水やり)に井戸水(地下水)を使用し、上水使用量の削減を図っています。地下水を利用していますが、緑地に散水することで地下へと還元されることになり、地下水への影響も抑制しています。
雨水・中水利用
オフィスビルや商業施設、分譲マンションなどでは、雨水や排水を処理した中水の利用など、水資源の有効利用に努めています。
「東京ミッドタウン日比谷」(東京都千代田区)では、雨水利用槽(貯水量約400m3)に雨水や空調機器のドレン水※を貯め、処理したのちトイレ洗浄水などの雑用水として利用しています。また、厨房排水や雑排水および冷却塔ブロー水を処理した中水も同様に雑用水として利用しています。
※ドレン水:空調機の気化式加湿器余剰排水および冷却配管で冷却され凝縮した水分のこと。
雨水の地下還元、雨水流出防止
オフィスビルや商業施設では、外構部や歩道、場内道路、駐車場などに透水性舗装などを採用し、雨水の地下還元に努めています。また、雨水が一気に流出しないよう一時貯留施設や調整池を設置し、地下水涵養や洪水の防止を図っています。
水ストレスの評価
世界資源研究所(WRI)の評価ツールAqueduct(アキダクト)を用いて、水ストレス・水リスクの評価を実施しました。国内のすべての物件は、high以上の水リスクがある地域に立地していませんでした。海外の一部の物件は、high以上の水リスクがある地域に立地しています。今後も定期的に調査を実施し、関係者と協議のうえ、適切な水利用を行うよう努めます。