• 街づくり(複合施設)

1日1万株の野菜を生産する国内最大級の植物工場
「柏の葉スマートシティ」植物工場が本格稼働!

平成26年6月5日
株式会社みらい
三井不動産株式会社

株式会社みらい(以下「みらい社」)と三井不動産株式会社(以下「三井不動産」)は「柏の葉スマートシティ」において国内最大級の植物工場「柏の葉 第2グリーンルーム」を2014年6月に本格稼働いたしました。

本植物工場では、多段栽培施設による高い生産性で安定的な野菜供給が可能です。また園芸学専攻の技術者による成分コントロールにより、より機能性に優れる野菜生産が可能となり、レタス、グリーンリーフ、ロメインレタス、フリルレタスを含む15種類以上の野菜を、1日につき約1万株生産・出荷する国内最大級の植物工場となります。

柏の葉スマートシティでは「環境共生都市」「健康長寿都市」「新産業創造都市」の3つの取り組みを推進しており、そのうち「新産業創造都市」に掲げる「日本の技術力を活かしたベンチャーを地域で支援」する一環として事業化いたしました。本植物工場は三井不動産が工場事業主となり(三井ホーム株式会社が施工)、みらい社が工場を運営し野菜を生産します。生産された野菜は、JAグループをはじめとする系統団体が国と連携して設立した6次産業化ファンドからの出資をうけた株式会社みらいトレーディングがパッキングして出荷します。

  • 事業スキーム図参照

三井不動産は、高い技術力をもったベンチャーとの共創を進めるため、柏の葉キャンパスシティにおける「KOIL(柏の葉オープンイノベーションラボ)」や、霞が関ビルディングにおける「LIAISON-STAGE 霞が関」などでインキュベートオフィスを展開しており、みらい社は「LIAISON-STAGE霞が関」の開設当初からのテナントです。本植物工場は、三井不動産がオフィスの提供にとどまらず、ベンチャーとともに協同して市場を創造していく取り組みの代表事例です。

<柏の葉スマートシティ植物工場「柏の葉 第2グリーンルーム」の主な特徴>

  • 外気を遮断した環境で農薬を使わずに野菜を栽培し、1年中安定的に提供することが可能。
  • 多段の栽培ベッドを使用することで、狭い空間で効率よく野菜を生産・収穫。
  • 独自の栽培ソフトにより苦みが少なく栄養価の高い野菜を生産。
  • 新型のスタンディング型のパッケージ採用による、清潔感の向上と鮮度保持期間の長期化。
  • 気密性、断熱性が高く、大空間を実現した木造工法により、安全性と生産性を向上。

柏の葉における植物工場に関するこれまでの取り組み

柏の葉が目指すスマートシティとは、ただ単に省エネを実現するスマートグリッドのような技術特化型の街づくりではなく、恵まれた自然環境を活かしながら住民が無理せずエネルギーの低減を実現できる街づくりを目指した「環境共生都市」、住民の食・運動・社会参加を地域ぐるみでサポートしつつ疾病予防をテーマに子供から高齢者まで健康で豊かな生活を実現する「健康長寿都市」、未来社会を支えるテクノロジー・ベンチャー企業や新産業の創出を地域連携で進める「新産業創造都市」の3つを柱とした、課題解決型の街づくり目指しています。

柏の葉では、千葉大学が「環境健康都市園芸フィールド科学教育研究センター」を開設した当初の2003年頃から、継続的に植物工場の研究や実証実験が行われてきました。
2009年10月には、千葉大学・みらい社・三井不動産が協力して2坪タイプの小型植物工場を開発、商業施設「ららぽーと柏の葉」内に設置、また2012年5月には、大規模な植物工場の実証実験施設が千葉大学キャンパス内に整備され、学術機関や企業と協力して植物工場の研究開発に取り組むコンソーシアムの一つとして、「街中植物工場コンソーシアム柏の葉部会」が三井不動産をリーダーとして設立されました。
さらに2012年9月には、千葉大学・三井不動産・パナソニック・みらい社により家庭内設置用のネットワーク型の小型ワゴンタイプ植物工場を開発、柏の葉エリアの住民をモニターとして、ネットワークを活用した野菜栽培の実証実験を約1年間行いました。

植物工場が求められる社会的背景

「食の安心、安全」、「気象変動による野菜価格の高騰」、「健康志向」、「地産地消」、「食料自給率の向上」等の課題により、社会の植物工場に対する関心が強まっています。植物工場は気象・病虫害等の被害リスクを最小にし、植物の生育環境を最適に維持することでできるため、安心・安全な青果物の質的・量的安定供給が可能で、上記の課題から発生するニーズに対応することができます。

事業スキーム図

ニュースリリース全文はPDF(851KB)をご覧ください。