官民地域一体となり、“水都”としての東京の新しい顔の創出へ
日本橋川を中心とした5つの再開発区域とその周辺一帯エリア
『日本橋リバーウォーク』の情報発信を開始
2025年6月11日
一般社団法人日本橋リバーウォークエリアマネジメント
日本橋一丁目中地区市街地再開発組合・八重洲一丁目北地区市街地再開発組合
日本橋室町一丁目地区市街地再開発組合・日本橋一丁目東地区市街地再開発組合
日本橋一丁目1・2番地区市街地再開発組合
首都高速道路株式会社
本リリースのポイント
- 川幅含め幅約100m・長さ1,200mにおよぶ広大な親水空間と川沿い歩行者ネットワークを中心に、5つの再開発区域とその周辺一帯を指すエリア名称「日本橋リバーウォーク」。
- エリアの街づくりを進める「一般社団法人日本橋リバーウォークエリアマネジメント」が今春設立。
- 街づくりのプレゼンテーション拠点「VISTA」を開設し、今後も様々な取り組みを計画。「日本橋リバーウォーク」が、“水都”としての東京の新しい顔となることを目指す。
日本橋川沿いのエリアマネジメント法人、5つの再開発を推進する事業者、首都高速道路株式会社(以下「首都高」という)は、「日本橋リバーウォーク」にて官民地域一体で街づくりにかかわる様々な取り組みを行い、街づくりのプレゼンテーション拠点「VISTA」を開設し、情報発信を本格的に開始いたします。
また、エリアの街づくりを推進する法人組織として「一般社団法人日本橋リバーウォークエリアマネジメント」が2025年4月1日に発足したことをお知らせします。
江戸橋上空から首都高速道路の高架橋が撤去された『日本橋リバーウォーク』を望む
■“水都”としての東京の新しい顔となることを目指す 『日本橋リバーウォーク』
日本橋リバーウォークは、親水空間と川沿い歩行者ネットワークを中心に、5つの再開発区域とその周辺一帯を指すエリア名称です。このエリアでは、首都高速道路日本橋区間地下化事業と5つの再開発事業が互いに連携し、空と川に開かれた街づくりを国・東京都・中央区・首都高・再開発事業者を始めとする民間事業者、そして地域一体で進めています。5つの開発区域を合わせた面積は約11haとなり、広大な親水空間を創り出すことで、日本橋・八重洲エリアが東京の“水都”としての新しい顔となることを目指します。
■日本橋リバーウォークで取り組まれる重点課題と実現を目指すテーマ
「日本橋川沿いの景観のあり方」と、日本橋上空にかかる「首都高速道路の老朽化」という2つのテーマは、かねてより行政主導で議論と検証が進められてきました。
官民多様なプレイヤーが連携し、日本橋川沿いのインフラ整備と街づくりを行うべく、日本橋リバーウォークでは、6つの重点課題に取り組みます。「①東京の新しいランドマークとなる景観形成」「②環境や生態系の確保による豊かな水辺の再生」「③国内外の注目を集める国際都市への更なる進化」「④高速道路機能の維持、舟運の活性化など交通利便性の維持・向上」「⑤地域が育んできたイノベーションの連鎖の促進」「⑥より多様な文化・産業の創出」。これらの重点課題に対して官民地域が一体となって取り組むことで、「水と緑 広がる街」「東京の新しい顔」「創る人 支える街」という3つのテーマの実現を目指します。
■日本橋リバーウォークの3つのテーマ
1.水と緑 広がる街
日本橋リバーウォークでは、街が川に向かって再び開かれ、人・川・街が一体となった都市空間が誕生します。人々が憩い、人と川の距離が近づく居心地よい親水空間、水質改善や陸域での緑地環境も整備され、自然との共生を目指した豊かな水辺が創出されます。

緑地広場も整備され、自然を感じる豊かな水辺が生まれる

多様な生物に溢れた豊かな水辺の再生を目指す
2.東京の新しい顔
日本橋リバーウォークで推進される再開発によって、東京駅の東側は一体性が強化され、都市機能が大きく向上します。もともと職住近接の街でしたが、商業、オフィス、居住環境のさらなる充実とラグジュアリーホテルやサービスアパートメント、ホールといった都市機能が加わり、国際的なMICEにもふさわしいビジネスの街としても進化。
水辺の魅力を活かしたイベント、舟運の楽しみも加わることで、観光面でも世界が注目する“水都”を目指します。

日本橋リバーウォークの再開発の推進によって、より回遊性が高まる東京駅東側

人・川・街が一体となった都市空間が誕生
3.創る人 支える街
日本橋・八重洲エリアは江戸時代から、イノベーションの街として全国から集まる挑戦者を受け入れ、支えてきた街です。当時の「イノベーター」は現代の「老舗」となり、新たな挑戦者を受け入れ、共に切磋琢磨して成長を重ねてきました。日本橋リバーウォークでの取り組みを通して、金融・ライフサイエンス・宇宙・食など様々な領域の挑戦者がこのエリアに集い、イノベーションの連鎖はこれからも絶えることなく、より拡大していきます。

日本橋が宇宙ビジネスの拠点へ。
年間約300件のイベントが行われている
(画像提供:(一社)クロスユー)

様々な食産業にかかわる企業の集積と成長が続く
(画像提供:ルナロボティクス)
■一帯の街づくりを推進するエリアマネジメント組織を設立。情報発信を本格開始
2025年4月、日本橋・八重洲エリアで進んでいる5つの再開発区域と近隣エリアをつなぎ、一体感ある街づくりを進めるため、法人組織「一般社団法人日本橋リバーウォークエリアマネジメント」が発足しました。新たに誕生する様々な空間の利活用と情報発信を行うことで、エリア価値の向上を目指します。
今般設立された公式ホームページの運用や、VISTAとの連携を通して、日本橋リバーウォークに関する情報発信を本格開始し、一帯の賑わいづくりに貢献してまいります。
- 公式ホームページ:https://www.nihonbashiriverwalk.jp/
- 一般社団法人日本橋リバーウォークエリアマネジメントを構成するメンバー(順不同)
日本橋一丁目中地区市街地再開発組合、八重洲一丁目北地区市街地再開発組合、日本橋室町一丁目地区
市街地再開発組合、日本橋一丁目東地区市街地再開発組合、日本橋一丁目1・2番地区市街地再開発組合
■街づくりのプレゼンテーション拠点「VISTA」と連携した情報発信も実施
「VISTA」は、首都高速道路株式会社および関連企業が共同で運営するプレゼンテーション拠点です。多様な関係者が一体となり、様々な取り組みが行われる日本橋リバーウォークが目指す未来や特徴を、映像・模型を使って理解いただけます。首都高速道路日本橋区間地下化工事の概要や特徴、日本橋・八重洲エリアの地域資源やエリアの可能性を語るグラフィック展示も展開しています。エリアの具体的な情報発信とこの街の未来の探究ができる、街づくりのプレゼンテーション拠点となっております。
■参画企業:首都高速道路株式会社、東京建物株式会社、東急不動産株式会社、三井不動産株式会社


※「VISTA」内部は許可された方以外の撮影・録音はできませんのでご了承ください。
■日本橋川の歴史と『日本橋リバーウォーク』の背景
■人々の生活の中心にあった「日本橋川」と時代の変遷
1603年に、徳川家康が江戸幕府を開いて以降、五街道と水路網が整備されました。全国の物流と移動を支えたのが水運であり、その中心を担ったのが「日本橋川」でした。川沿いの魚河岸や娯楽の場は人々で賑わい、日本橋川は生活の中心でした。近代に入り、魚河岸の物流は次第に陸路へと移行し、川沿いには近代建築やガス灯など時代を象徴する景観が生まれました。1964年の東京オリンピック前には、モータリゼーションの進展に伴う都心の渋滞解消を目的に、日本橋川上空に首都高速道路が建設され、川沿いの景観は概ね現在の姿となりました。

19世紀の日本橋から見た魚河岸 (画像提供:イマジンネット画廊)

1920年代初めの日本橋
(画像提供:©クリスチャン・ポラック コレクション / ©Collection Christian Polak)

現在の日本橋
■並行して議論が進められてきた「日本橋川沿いの景観のあり方」と「首都高速道路の更新」の2つのテーマ
時代とともに変化してきた「日本橋川沿いの景観」。一方、区間内を一日約10万台の車が走行する首都高速道路は、建設から60年以上が経過し、老朽化が進んでいます。そのため、「首都高の整備」と「日本橋川沿いの景観のありかた」を巡り、議論や検証を行うため多くの有識者会議が開催されてきました。地域でも、日本橋川沿いの景観に関する署名活動が行われ、官民多様なプレイヤーがこの2つのテーマに向き合っていました。
2006年には「民間が先導して街づくりを行い、公共はこれを受けて首都高の地下化を行うべき」という“民間の再開発と首都高の地下化は一体不可分”との提言がなされ、2012年には都心環状線の高架橋を撤去・地下化する提案が行われました。
さらに2016年、日本橋川沿いの地区が、国家戦略特区の都市再生プロジェクトに追加され、翌2017年には石井国土交通大臣(当時)と小池東京都知事が、首都高速道路日本橋区間地下化の具体的な検討開始を発表。その際、小池東京都知事は「関係者が力を合わせて、100年後にも誇れる東京の姿を未来に残していきたい」と強調し、その後、国土交通省主導の検討会にて地下ルートや事業スキームの具体化が進められました。

「再び日本橋の上空に青空が戻る景観」を求める署名が約44万人分集まり、地域団体から行政へ提出された

江戸橋出入口の橋脚撤去の様子
■官民多様なプレイヤーが連携し、世界中が注目するエリアへ
官民多様な関係者が検討と協議を重ね、インフラ整備と街づくりの連携が大きな柱となる「日本橋リバーウォーク」。今後トンネル工事と再開発とが並行して進められ、2040年頃には高速道路の地下化を受けた高架撤去が完了される予定です。この高架撤去により空と川が接することとなり、幅約100m・長さ1,200mにわたる川沿いの景観と自然を楽しむことができる潤い溢れる空間が、東京駅至近に誕生します。
2040年頃首都高速道路の高架橋が撤去され、再び空と川が接する潤い溢れる空間が広がる
日本橋川沿いとその周辺エリアは昼夜問わず常に賑わい、世界中が注目する東京の新しい顔となる
(参考) 日本橋リバーウォークで行われる5つの再開発事業について
① 八重洲一丁目北地区
東京駅直結、日本橋リバーウォークの玄関口として、高層棟にはオフィス、ホテル・イン・レジデンス、高度金融人材サポート施設、商業施設を整備。新たに生まれる約1,000㎡の広場と賑わいある親水空間は、川沿いのウォーカブルネットワークの起点となります。国際的な金融拠点を目指すこの地区は、アフターコンベンションの交流の場としても期待されます。
プロジェクト名 | 八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業 |
---|---|
区域面積 | 約1.6ha(都市再生特別地区) |
用途 | 事務所、店舗、宿泊施設、駐車場、高度金融人材サポート施設 等 |
竣工 | 南街区:2029年度(予定)、北街区:2032年度(予定) |
参画ディベロッパー | 東京建物株式会社 東京ガス不動産株式会社 |
② 日本橋室町一丁目地区
ビジネスでもショッピングでも、より多くの人が行き交う街に。高層棟にはオフィスやレジデンス、商業施設、ライフサイエンス向けの支援施設としてフレキシブルオフィスやカンファレンスを配置。街区の軸となるむろまち小路を歩行空間として再整備するとともに、地下歩道に面する商業店舗も整備。川沿い街区には低層商業施設とともにプロムナードを整備し、日本橋川沿いの賑わいのある水辺空間を創出します。
プロジェクト名 | 日本橋室町一丁目地区第一種市街地再開発事業 |
---|---|
区域面積 | 約1.1ha(都市再生特別地区) |
用途 | 店舗、事務所、住宅、駐車場 等 |
竣工 | A街区:2031年度(予定) B街区:2033年度(予定) C・D街区:2034年度以降(予定) |
参画ディベロッパー | 三井不動産株式会社 |
③ 日本橋一丁目東地区
働くだけでなく、滞在・居住機能も備えた日本橋へ。国際的なビジネス拠点として江戸橋南側に2棟の高層棟が並びます。国家戦略住宅やサービスアパートメント、各種生活支援施設を備え、居住機能も充実。川沿いには約2,000㎡の広場や緑地、眺望テラスが生まれます。横断デッキにより日本橋一丁目中地区ともつながります。
プロジェクト名 | 日本橋一丁目東地区第一種市街地再開発事業 |
---|---|
区域面積 | 約3.6ha(都市再生特別地区) |
用途 | 事務所、店舗、住宅、カンファレンス、サービスアパートメント、生活支援施設 |
竣工 | A・B街区:2031年度(予定) C・D・E街区:2038年度(予定) |
参画ディベロッパー | 三井不動産株式会社、東急不動産株式会社、日鉄興和不動産株式会社 |
④ 日本橋一丁目1・2番地区
日本橋の玄関口として、多くの人々が行き交う情報発信拠点へ。様々な文化を発信する情報発信拠点を整備し、訪れる人々の交流を促進。また、MICEのアフターコンベンションの場として、インバウンドも訪れる場所となります。水辺には広場や歩行者ネットワークなどを整備。隣接する日本橋一丁目中地区・八重洲一丁目北地区とはデッキや地下通路でつながります。
プロジェクト名 | 日本橋一丁目1・2番地区第一種市街地再開発事業 |
---|---|
区域面積 | 約0.8ha(都市再生特別地区) |
用途 | 事務所、店舗、文化体験施設、情報発信、交流施設、駐車場 等 |
竣工 | A・B街区:2031年度(予定)、C・D街区:2034年度(予定) |
参画ディベロッパー | 三井不動産株式会社 |
⑤ 日本橋一丁目中地区
空と川にひらかれた新しい東京のランドマーク。高層棟には、オフィスや商業施設、大型ホールやラグジュアリーホテル、居住施設等を配置。川沿いの「日本橋野村ビルディング旧館」は保存改修により生まれ変わります。テラスやデッキ、オープンエアなカフェ、船着場や広場・遊歩道等により、リバーサイドならではの賑わいのある空間を創出します。
プロジェクト名 | 日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業 |
---|---|
区域面積 | 約3.9ha(都市再生特別地区) |
用途 | オフィス、商業施設、ホテル、居住施設、MICE施設、ビジネス支援施設、駐車場等 |
竣工 | 2026年(予定) |
参画ディベロッパー | 三井不動産株式会社、野村不動産株式会社 |
(参考)首都高日本橋区間地下化事業の概要について
日本橋川上空の首都高速道路は、都心部の渋滞解消のために、1964年の東京オリンピック前に建設され、1963年の開通から60年以上が経過しています。この区間は、1日あたり約10万台の自動車が走行する過酷な使用状況にあるため、構造物の損傷が激しく、更新が必要となっています。
更新に当たっては、「立体道路制度」を活用し、建物の地下にトンネルを整備することで、先述の再開発街区と一体となって地下化事業に取り組み、地域の魅力の更なる向上に貢献します。
プロジェクト名 | 首都高速道路日本橋区間地下化事業 |
---|---|
事業区間 | 東京都千代田区内神田二丁目~東京都中央区日本橋小網町 |
延長 | 約1.8km |
供用時期 | 地下ルート開通:2035年度(予定)、高架橋撤去:2040年度(予定) |
事業者 | 首都高速道路株式会社 |
事業HP | https://www.shutoko.jp/ss/nihonbashi-tikaka/ |
注:本リリースで使用されているCGおよびパースは、すべてイメージであり実際の計画詳細を説明するものではありません。