顧客満足の向上と
街づくりによる価値提供

顧客満足の向上の方針

当社グループでは、「環境への取り組み方針」の中で「様々な主体との多様な連携・協力(Cooperation)」を定めています。 また、顧客、取引先、地域社会、行政などとも連携・協力して、事業活動における人権の尊重を遵守します。

また、内閣府等が創設した「パートナーシップ構築宣言」に参画しています。「パートナーシップ構築宣言」は、大企業と中小企業が共に成長できる持続可能な関係を構築するため、サプライチェーン全体の共存共栄と規模・系列等を越えた新たな連携や、親事業者と下請事業者との望ましい取引慣行の遵守を宣言するものです。

また当社の社員や当社の施設で働く従業員も重要なパートナーであると認識し、積極的な対話を通じて心身の健康維持や安全、能力開発の機会提供などに取り組んでいます。

「パートナーシップ構築宣言」

当社は、サプライチェーンの取引先の皆様や価値創造を図る事業者の皆様との連携・共存共栄を進めることで、新たなパートナーシップを構築するため、以下の項目に重点的に取り組むことを宣言します。

1.サプライチェーン全体の共存共栄と規模・系列等を超えた新たな連携

直接の取引先を通じてその先の取引先に働きかける(「Tier N」から「Tier N+1」へ)ことにより、サプライチェーン全体での付加価値向上に取り組むとともに、既存の取引関係や企業規模等を超えた連携により、取引先との共存共栄の構築を目指します。その際、災害時等の事業継続や働き方改革の観点から、取引先のテレワーク導入やBCP(事業継続計画)策定の助言等の支援も進めます。

(個別項目)

a.企業間の連携

「&マーク」の理念に基づき、ビジネスパートナーと共に当社の事業を推進いたします。また、ビジネスパートナーと共にオープンイノベーションによる新産業を創造していきます。

b.グリーン化の取組

当社は、「脱炭素社会実現に向けたグループ行動計画」を策定の上、サプライチェーンと一体となって、①「新築・既存物件における環境性能向上」、②「物件共用部・自社利用部の電力グリーン化」、③「入居企業・購入者の皆様へのグリーン化メニューの提供」、④「再生可能エネルギーの安定的な確保」、⑤「建築時のCO2排出量削減に向けた取り組み」等を実行して参ります。

2.「振興基準」の遵守

親事業者と下請事業者との望ましい取引慣行(下請中小企業振興法に基づく「振興基準」)を遵守し、取引先とのパートナーシップ構築の妨げとなる取引慣行や商慣行の是正に積極的に取り組みます。

①価格決定方法

不合理な原価低減要請を行いません。取引対価の決定に当たっては、下請事業者から協議の申入れがあった場合には協議に応じ、労務費上昇分の影響を考慮するなど下請事業者の適正な利益を含むよう、十分に協議します。取引対価の決定を含め契約に当たっては、親事業者は契約条件の書面等による明示・交付を行います。

②手形などの支払条件

下請事業者との取引に対する代金は現金で支払います。

③知的財産・ノウハウ

取引上の立場を不当に利用したノウハウの開示や知的財産権の無償譲渡などは求めません。

④働き方改革等に伴うしわ寄せ

取引先も働き方改革に対応できるよう、下請事業者に対して、適正なコスト負担を伴わない短納期発注・急な仕様変更を行いません。災害時等においては、下請事業者に取引上一方的な負担を押し付けないように、また、事業再開時等には、できる限り取引関係の継続等に配慮します。

2020年2月28日制定、2024年4月1日改定
三井不動産株式会社 代表取締役社長 植田 俊

「パートナーシップ構築宣言」の詳細についてはこちらをご参照ください。
https://www.biz-partnership.jp/index.html

CS(顧客満足)向上の取り組み

当社グループは、お客さまとのコミュニケーションを重視し、いただいたご意見やご要望に対して真摯な姿勢で取り組んでいます。様々な消費者課題の解決・改善に努めることにより、顧客目線に立った街づくりと、お客さまへ提供するサービスの質の向上を推進します。

主な取り組み

お客さまアンケートの実施

各事業においてお客さまの声に耳を傾ける取り組みを行っています。オフィスビルのテナント企業や、マンション・戸建住宅の居住者、ホテルの宿泊者などへのCS調査を実施し、各種改善に役立てています。商業施設事業では、「お客さまの声ボックス」を一部施設で設置し幅広くご意見・ご感想を収集し、施設運営の改善や店舗づくりなどに活用しています。

ステークホルダー 改善例
オフィスビルの
お客様・
入居企業
  • 防犯対策、分煙対策
  • 共用部分の整備
  • エレベーターの運行プログラムの改善
  • トイレ内の設備環境の整備
  • エレベーター救出訓練の見学会実施
  • 館内施設の見学ツアーの実施
商業施設の
お客様・
入居企業
  • コインロッカー増設、大型コインロッカーの設置
  • キッズスペース改修・増設
  • ベビールーム内空気清浄機
  • 電子レンジ設置
  • オムツ交換室カーテン設置
  • 授乳室の床材・壁クロスの張替
  • 女性トイレ・パウダールーム改修
  • ベビーカー設置場所の増設(ベビーカーの増台)
  • ベビーカー返却場所増設
  • カート返却場所増設・駐車場内サイン改善
  • 館内ベンチ・サイン増設、スモーキングルーム扉改善
  • ペットルールの変更(持ち込みエリアの見直し)
物流施設の
お客様・
入居企業
  • 共用部の喫煙場所の整備、駐車場・駐輪場の増設
  • 共用アメニティの充実(クリスマスツリー・門松の設置、一言カードの設置など)
バリアフリー・ユニバーサルデザイン

当社グループは、働く、住まう、遊ぶ、憩うなどのあらゆるシーンにおいて、文化・言語・国籍や年齢・性別などの違い、障がいの有無、能力差などを問わずに、誰もが利用しやすい街づくり・建物づくりを推進しています。また、オフィスビルを始め、すべての開発において公共交通機関へのアクセスを考慮して障がい者対応の評価を実施し、法令の定める範囲で対応を実施するとともに、一部ではプラスアルファの取り組みを行っています。

三井ホーム㈱の『温湿度バリアフリーで「健康・安心・らくらく」ホームプロジェクト』は、ダクト式の空調システムとIoT技術を組み合わせることにより、室内のホコリを抑えて掃除の回数を減らしたり、外出先からお風呂を沸かしたりして、家事負担の軽減および時間を短縮できるもので、国土交通省の「平成29年度サステナブル建築物先導事業(次世代住宅型)」に採択されています。

国土交通省の「サステナブル建築物等先導事業」に採択
ママwithららぽーと

ららぽーとでは、お子さまがお腹にいるときも、大きくなってからも、パパ・ママが楽しく安心して過ごすことができるように、“もっとパパ・ママに優しいららぽーとへ。”をスローガンとして、『ママwithららぽーと』の取り組みを進めています。ベビー休憩室やお子さまが遊べるスペース等の設備面はもちろん、パパ友・ママ友と交流できるイベントや親子で楽しめるワークショップ等の取り組みも積極的に実施しています。

主な取り組み事例

  • 授乳室、おむつ台、キッズスぺース、フードコート内の小あがり席、屋内外の広場空間等、子育て世代にうれしい機能を集約した空間を、ららぽーと内の各所に設置
  • 完全個室のベビーケアルーム「mamaroTM(ママロ)」の設置
  • 生理用ナプキンの常備・無料提供サービス「OiTr(オイテル)」の設置
  • 助産師による「ベビーケアステーション」の開催
接客ロールプレイングコンテスト全国大会

三井不動産商業マネジメント㈱は、接客・サービスの質を高めて「来館価値の向上」を目的とし、全国で運営する商業施設内での予選を勝ち抜いた代表者による「接客ロールプレイングコンテスト全国大会」を毎年開催しています。

大会参加者
大会参加者
「第11回全力応対コンテスト」開催

三井不動産ホテルマネジメント㈱は2019年に「第11回全力応対コンテスト」を開催しました。総勢20名が登場したステージでは、参加者が日々の接客で磨きあげた応対をロールプレイング形式で披露し、「笑顔でお客さまをお迎えする」ことの喜びや大切さを再認識しました。

大会参加者
大会参加者
CASBEE-WO取得

2020年5月に「日本橋室町三井タワー」(東京都中央区)、2021年3月に「東京ミッドタウン日比谷」(東京都千代田区)、2022年1月に「日本橋高島屋三井ビルディング」(東京都中央区)がそれぞれ「CASBEE-WO(ウェルネスオフィス)認証制度」の最高位Sランクを取得いたしました。日本橋高島屋三井ビルディングは、これまで認証された賃貸オフィスビルの中で最高スコアである96.6点を獲得しております(2022年1月末時点)。また、いずれの物件においても「CASBEE-建築」の自己評価登録を行い、高い環境性能総合評価も踏まえて「CASBEE スマートウェルネスオフィス認証」に認定されております。

一般社団法人健康環境・省エネルギー機構(IBEC)が実施する、ハード・ソフト両面でのオフィスの取り組みを認証するもの。建物内で執務するワーカーの健康・快適に直接影響を与える要素だけでなく、知的生産性の向上に資する要因や、安全・安心に関する性能についても評価されます

&well

特定非営利活動法人健康経営研究会の監修のもと、経営層・人事と従業者の双方をサポートし、企業の健康経営推進に資するソリューションサービス、「&well」を2019年より提供しています。

当社だけではなく、関係する企業・従業者と共同・協業する形で健康経営を推進していく取り組みです。

健康促進イベント「&well Festa」 (大屋根広場)
健康促進イベント「&well Festa」(大屋根広場)
(2019年7月開催時の様子)
健康経営支援サービス「&well」

for Workerサービスでは、“一緒だからたのしい、たのしいから続けられる”サービスを目指して、リアルのイベントやスマートフォンアプリからのコンテンツ配信を中心に、従業者が健康を考えるきっかけ提供やその後の行動変容を促進しています。また、for HRサービス(レポート/コンサルティング)においては、健康診断結果の分析や、スマートフォンアプリの利用状況の分析など、企業ごとの様々なニーズに応じた健康経営に関する認定取得サポートに取り組んでいます。

その結果、支援している企業のうち健康経営優良法人認定の取得を目指す企業の3割が認定に初選定され、5割の企業の認定評価が上昇しました。また、4割の企業がホワイト500に選定されました。

お客さまとのコミュニケーションツール

当社グループでは、お客さまに向けて多彩なコミュニケーションツールを提供し、お客さまとのリレーション構築の一助としています。コミュニケーションツールの内容は、お住まいに関する様々な情報やお客さまの安全・安心、環境意識向上のサポートなどが中心で積極的な情報発信、情報交換を行っています。

会社名 コミュニケーションツール
三井不動産
レジデンシャル
リース㈱
住まいと暮らしのガイド
賃貸住宅における生活のポイントをまとめたお客様向けガイドブック。
三井不動産
レジデンシャル㈱
三井のすまい
三井不動産レジデンシャルの住まいの情報総合サイト。
みんなの住まい
住まいについてみんなで話し合うコミュニケーションメディア。
三井不動産
グループ
げんきな森と木のひみつ
三井不動産グループの森林保護活動を紹介する、ファミリー向けのパンフレット。
三井ホーム㈱
環境・社会活動
東京ミッドタウン
マネジメント㈱
環境への取り組み

ES(従業員満足)向上の取り組み

施設で働く従業員は、大切なパートナーであり、働きやすい環境を提供してES(従業員満足)を高めることがお客さまへのサービス向上につながり、CS(顧客満足)を高めるという考えに基づき、従業員が利用する施設の機能性を高め、快適に働ける労働環境の整備に努めています。

主な取り組み

商業施設で働くショップスタッフ向けに、株式会社HataLuck and Person (HATALUCK)が展開する店舗マネジメントアプリ「はたLuck®」を導入し、働きやすい環境と豊かなコミュニティを創出する取組み「三井ショッピングパーク Staff Circle (スタッフサークル)」を実施しています。

また商業施設に付帯する保育施設として、三井アウトレットパーク倉敷(岡山県倉敷市)、三井ショッピングパークららぽーと名古屋みなとアクルス(名古屋市港区)、三井アウトレットパーク木更津(千葉県木更津市)、三井アウトレットパーク仙台港(仙台市宮城野区)の4施設において企業主導型保育事業を行っています。

また、商業施設で働く従業員のESの向上を目的として、従業員休憩室の改装を進めています。カフェをイメージした明るく、開放感のある休憩室は施設ごとに個性豊かな装飾が施されており、従業員がリラックスして過ごせる癒しの空間となっています。食品自販機やコンビニ自販機を導入し、利便性を高めています。

「ららぽーと豊洲」
「ららぽーと豊洲」
「ラゾーナ川崎プラザ」
「ラゾーナ川崎プラザ」

街づくりを通じた新たな価値・市場の創造

当社グループは、常に先進性を追求しながら、優れた機能と品質を備えた街づくりを通して、新たな価値や市場を創造するべく、「街づくりの基本姿勢」を次の3点に集約しています。1つ目は、ミクストユース化(用途や機能の複合)、ソフト・ハードの融合などによる「多機能・多彩なコンテンツの融合」。2つ目は、住む人、集う人、憩う人や地域をつなぐ「コミュニティの創造」。そして3つ目は、街が完成したのちもタウンマネジメントなどを通じて、年々、街の魅力を高めていく「経年優化®」です。

この3つを好循環させることにより、新たな価値の創造をめざします。

主な取り組み

「東京ミッドタウン日比谷」の取り組み

詳細については、こちらをご参照ください。
https://www.mitsuifudosan.co.jp/business/development/tokyo_midtown_hibiya/

三井不動産ロジスティクスパーク(MFLP)の取り組み

当社は、2016年に策定したロジスティクス事業ステートメント「ともに、つなぐ。ともに、うみだす。」を基に、既存の枠に捉われない価値づくりに挑戦するべく、三井不動産ロジスティクスパーク(MFLP)において、様々な施策を行っています。MFLPは物流の効率化にとどまらず、入居企業による雇用の創出や人員確保に向けたコンサルティングサポート、建築工事における地元業者の採用、施設従業員の近隣店舗利用促進など、地域貢献のための取り組みを実施している先進の物流施設です。

周辺地域の状況に応じた付加価値を提供する複合施設として、以下の取り組みを実施しています。

  • 漏水防止のための仕様・検査方法の検証と再発防止策定
  • 感染予防・新たな働き方に対応した施設づくりとして、ELVのボタンの非接触化工事を船橋Ⅰ、Ⅱで実施予定
  • 障がい者への働く場の提供
    (トイレへのアート展示、キッチンカー、外構部の植栽管理)
  • 女性、LGBTQに配慮した商品企画
    (多目的トイレ、ユニバーサルデザイン、多言語対応等)
  • 地域小中学校の見学・研修・受け入れ
    (2021年度はMFLP立川立飛で社会科見学の受け入れを実施)
  • MFLP船橋・緑地空間での地域貢献イベント開催
    (大田市場直送の野菜の直売を実施、その他イベントを検討)
MFLP船橋Ⅲ
MFLP船橋Ⅲ
航空写真

日本橋エリアの取り組み

詳細については、こちらをご参照ください。
https://www.mitsuifudosan.co.jp/business/development/nihonbashi/

宅配便の再配達ゼロをめざす取り組み

三井不動産レジデンシャル㈱と㈱フルタイムシステムは、社会的課題のひとつとなっている宅配物の増加に対し、マンションの宅配ロッカーの利用効率を向上させることで“再配達ゼロ”をめざして、以下の対策を考案しました。

  • 利用状況に適した宅配ロッカーの新構成によるBOX数の増加
  • 宅配ロッカーの入出庫回転率の向上を図る
  • 宅配ロッカーへの入庫数の減少を図る
  • 「宅配ロッカーの利用情報閲覧サービス」の提供

この4つの対策は、2019年に竣工した大規模分譲マンション「パークタワー晴海」(東京都中央区)をはじめとして、三井不動産レジデンシャル㈱が分譲するマンションへの導入を順次進めて、宅配ロッカーの利用率向上を図ります。

利用効率向上策を導入する「パークタワー晴海」
利用効率向上策を導入する
「パークタワー晴海」
宅配ロッカー(イメージ)
宅配ロッカー(イメージ)

安心・安全な街づくり

当社グループは、災害に強い街づくりを推進するとともに、日常的な訓練・点検・教育を通じて防災に関する意識向上に努め、安全・安心の確保をめざしています。従業員やテナント、お客さまの安全を守るだけでなく、地域社会と連携した防災対策の拡充を進めています。

災害対応体制

当社グループが運営するビル、施設の従業員およびテナント企業、来場者の安全・安心を守るために、防災訓練や講習、BCP(事業継続計画)に関する取り組みを推進しています。従業員やテナント、お客さまの安全を守るため、災害対策マニュアルやBCPを策定し、災害発生に備えています。

当社では、専用の「災害対策本部室」を「日本橋室町三井タワー」(東京都中央区)に常設しています。日本橋室町三井タワーでは、災害時の信頼性が高い中圧ガスを発電に利用するため、非常時にも建物のBCPに必要な電気の供給を受けることが可能です。

大規模地震が発生したときなどには、社長を最高責任者とする「緊急対策本部」を設置して対応します。また夜間・休日の発災に備えて、社員による夜間・休日の宿日直を実施しており、迅速に緊急対策本部を立ち上げる体制としています。社員の安否状況や各物件の被災状況の確認を行うとともに、グループ会社と連携し、災害対応を行う体制を取っています。また、AED(自動体外式除細動器)による救命講習を社員に実施し、普通救命講習の資格を取得したスタッフを配置することで、万一の際に突然心停止からの蘇生率を高める対策を施しています。

災害対策本部室
災害対策本部室
AED(自動体外式除細動器)設置写真
AED(自動体外式除細動器)訓練風景

周辺地域の防災・BCP

スマートエネルギープロジェクト

当社は、エネルギーや環境問題、防災といった様々な社会的課題への解決に街づくりを通して取り組んでいます。

2019年から日本橋を皮切りに、「スマートエネルギープロジェクト」を開始しました。東京ガス株式会社と共同で設立した三井不動産TGスマートエナジー㈱を通じて、大規模再開発の建物内に都市ガスを燃料とした大型のコジェネレーションシステムを核とする「エネルギーセンター」を設置し、そこで発電した電気と、発電時に発生する熱を活用した冷暖房を、再開発とその周辺に供給する取り組みです。

平常時は発電時の熱を有効活用することで、エネルギー効率が高まるため街の省エネ・省CO2に貢献。災害時(広域停電時)には、耐震性の高い導管から引き込んだガスにより発電を行い、地域に電気と冷暖房の供給を継続することで供給建物のBCP性能を向上。街の防災性の向上に寄与します。

2020年には豊洲、2022年8月からは八重洲でスマートエネルギープロジェクトが稼働しており、環境負荷の低減と、都市の安心・安全の確保を行い、持続可能な社会の実現をめざします。

三井不動産TGスマートエナジー㈱によるスマートエネルギープロジェクト

  • 「日本橋スマートエネルギープロジェクト」(2019年4月供給を開始)
  • 「豊洲スマートエネルギープロジェクト」(2020年4月供給開始)
  • 「八重洲スマートエネルギープロジェクト」(2022年9月供給開始)
大型のガスコジェネレーションシステム
大型のガスコジェネレーションシステム

ビルの防災・BCP

東日本大震災以降に高まったテナント企業の安全・安心、事業継続計画(BCP)に対するニーズに応えて、非常時の対応、平常時の備えを強化し、新築ビル・既存ビルともに防災・BCPに関する取り組みを推進しています。

「三井オフィス」での主な取り組み

①インフラ停止後72時間の電力機能確保・主要機能の維持

  • (1)主要ビルにおける72時間対応の非常用発電設備の標準装備(専用部にも電力供給可能)
  • (2)主要機能の維持・早期復旧のための対応強化(エレベーター・トイレ・換気など)
  • (3)建物被災度判定システムの導入拡大

②帰宅困難者対応の強化

  • (1)防災備蓄品の配備を強化
    • 一般帰宅困難者向けの水・食料を一定提供
    • テナントに対して従業員一日の水・食料を無償提供
  • (2)情報発信の強化(情報提供のためのデジタルサイネージを設置)
  • (3)受入ビルでの帰宅困難者受入マニュアル整備
  • (4)帰宅困難者受入訓練の実施

③災害時の司令塔「危機管理センター」の常設

  • (1)災害時に情報の一元管理が可能な「危機管理センター」を常設
  • (2)専用回線による最新のTV会議システムなど複数の非常時通信インフラを完備
  • (3)当直体制による365日24時間対応
  • (4) 3回/年の全社連携訓練の実施

④テナント企業向け防災関連取組み

  • (1)当社の防災の取り組みや、什器の転倒対策の重要性を伝える『防災ガイドブック』『オフィス什器 転倒落下防止ガイドブック』を発行
  • (2)防災情報を発信するウェブサイトを整備(31防災Web)
三井不動産総合防災訓練

当社グループでは、災害対策マニュアルや事業継続計画(BCP)に基づく訓練等を行っています。大規模地震への全社対応訓練としてグループ会社やテナントと連携した共同総合防災訓練を年2回、9月1日(防災の日)と3月11日を中心に実施しています。

「新宿三井ビルディング」(東京都新宿区)テナント共同総合防災訓練
「新宿三井ビルディング」(東京都新宿区)
テナント共同総合防災訓練

商業施設の防災・BCP

当社グループが展開する商業施設では、全施設統一の災害マニュアルを整備し、災害時の初動における顧客の避難誘導方法を周知徹底するなど、実践的な取り組みを強化するとともに、設備面の防災対策も進めています。

震災訓練、災害対策徒歩参集訓練

当社と三井不動産商業マネジメント㈱は、災害時の連繋を確認する全社災害対策訓練および徒歩参集訓練を行っています。

「防災道場」プログラム

東京ミッドタウンマネジメント㈱では、「東京ミッドタウン」(東京都港区)に設置された訓練施設「防災道場」で、一人ひとりが実践的なシミュレーション訓練を体験しています。火災・救急・救助を含めた災害対応スキルを身につけることを目的に、全社員が3日間にわたり合計8時間のプログラムを受講しています。

講義風景
講義風景
訓練の様子
訓練の様子
クイズやワークショップで地域住民に防災を啓蒙

当社と三井不動産商業マネジメント㈱は、行政・消防組織等と連携し、防災啓発イベント「&EARTH 災害に負けない知識を学ぼう!~防災スタンプラリー~」を首都圏の「ららぽーと」ほか商業施設で開催しています。

サバイバルキッチン
サバイバルキッチン
AEDのレクチャー
AEDのレクチャー

物流施設(MFLP)の防災・BCP

当社が運営する大型物流施設「三井不動産ロジスティクスパーク(MFLP)」では、以下の取り組みによりBCP対策の強化に努めています。

  • 免震構造

    建物の基礎部分に特殊なゴム層などを入れて地盤と絶縁し、大規模な地震の際にも建物の被害を最小限に抑える。

  • 非常用発電

    停電時だけでなく、万一の震災や火災の発生時にも、共用部や事務所エリアの照明などをバックアップする非常用発電機を設置。

  • 災害ベンダー

    災害発生時に飲料を無料で提供する機能を持つ自動販売機を設置。

  • 防災備蓄庫

    マルチテナント型倉庫に防災備蓄品を設置(物件により1日~3日分の備え置き)。

  • 監視カメラ(ITV)による遠隔監視

    災害対策本部などから現場の状況を把握できる監視カメラを設置。

  • 富士山噴火を想定したBCPの検討
  • 年2回の防災訓練実施と新築物件における停電時72時間の電源供給の標準化(共用部)
MFLP船橋Ⅲ
MFLP船橋Ⅲ
MFLP市川塩浜Ⅱ
MFLP市川塩浜Ⅱ
官民学連携によりドクターヘリポートを設置

「MFLP東名綾瀬」施設屋上には国内物流施設では初となるアルミデッキヘリポートを綾瀬市との協定締結により設置し、綾瀬市消防、東海大学医学部付属病院高度救命救急センターと連携しています。平時はドクターヘリ等による救命救急、災害時には支援人員・支援物資等の防災拠点にもなる拠点として活用いただきます。

ホテルの防災・BCP

ホテル事業では、運営するすべてのホテルにおいてエレベーターの耐震性確保、非常用発電機の24時間稼働確保、総合監視システム(各ホテル-本社間)の導入等によるBCP対策を行っています。

地域や社会とともに取り組む防災

当社グループはビルや施設の中だけでなく、周辺地域の防災を強化し、エリアに住む方々、働く方々の防災に対する意識を高めるために、様々な活動を行っています。

地域が一体となって参加した日本橋体験型防災訓練

当社と一般社団法人日本橋室町エリアマネジメントは中央区の協力を受けて、毎年3月の「春の火災予防運動週間」に合わせて日本橋エリアで防災訓練を実施しています。

日本橋体験型防災訓練の当日の様子
日本橋体験型防災訓練の当日の様子
日本橋体験型防災訓練の当日の様子
「熊本地震調査報告書」を関係省庁や大学に配布

三井ホーム㈱では阪神・淡路大震災以降、震度7以上の大地震に対して全棟調査を行っています。2016年に発生した熊本地震では被災地に建つ1,263棟を、延べ1,600人余りで調査し、その結果を調査報告書にまとめました。全壊・半壊ゼロで一部破損がわずか10棟という結果は、三井ホーム㈱設計・施工の2×4工法住宅の優れた耐震性を証明するものです。2017年2月に発行した報告書を関係省庁や大学に配布して、震災の情報として共有しています。

街づくりの品質向上

当社グループでは、お客さまに安全・安心や快適さを提供するための基礎として、建物をはじめとする商品・サービス等の品質マネジメントに努めています。品質を踏まえた安全・安心や快適さを提供することが、お客さま満足(CS)実現の前提であると考えています。

各事業においては、品質マネジメントに関する独自の設計指針・マニュアル等を定めて運用し、品質の徹底管理を図っています。また、お客さまの声や発生した不具合等を反映する改訂、災害時の安全面に関わる項目などの見直しも随時実施しています。

各事業部門の主な指針等

部門 指針等
ビルディング事業
  • 「オフィスビル設計指針(BCP設計指針含む)」
    商品企画や運営管理上のノウハウを整理・集約して企画設計に関する方向性を規定
  • 「ビルディング事業標準業務フロー」
  • 「オフィスビルサイン計画ガイドライン」
  • 「オフィスビルバックヤード標準」
  • 「施工品質管理に関する各種帳票」
  • 「CO2削減策解説シート」
商業施設事業
  • 「商業施設設計依頼書」
    商品企画や運営管理上のノウハウを整理・集約して企画設計に関する方向性を規定
  • 「ららぽーとサイン計画ガイドライン」
  • 「テナント内装設計指針」
  • 「デザインクライテリア」
住宅事業
(中高層、戸建て)
  • 「住宅設計指針、仕様書、製品規格等」
ホテル事業
  • 「設計指針、仕様書」
    三井ガーデンホテルズの設計・施工についてのマニュアル
ロジスティクス事業
  • 「物流施設設計依頼書」
  • 「三井不動産ロジスティクスパーク サイン計画ガイドライン」
  • 「三井不動産ロジスティクスパーク 施設デザインガイドライン」

評価機関による性能評価

品質管理の客観的評価として、分譲マンションでは、国土交通大臣登録の第三者機関による「住宅性能表示制度の評価書」を設計段階と建築段階に取得しています(一部物件除く)。また、三井ホームの戸建注文住宅においても、住宅性能表示制度に高いレベルで対応することができます。

街づくりの基本デザイン

当社グループは、街づくりの基本デザインにおいて常に先進性を追求しながら優れた機能と品質を実現し、そこに暮らす人々の未来に向けた、新たな価値の創造をめざしています。

「柏の葉スマートシティ」における取り組み

当社グループは、「柏の葉スマートシティ」(千葉県柏市)を環境問題、超高齢化社会、経済停滞などの社会的課題を解決する先進的なモデル都市として位置付け、公・民・学連携による次世代都市の街づくりを進めています。

柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)が「国土交通大臣賞」を受賞

UDCKが「第6回まちづくり法人国土交通大臣賞(まちづくりの担い手サポート部門)」を受賞しました。公共・民間・大学の連繋により事業計画策定、デザイン調整、事業後の空間マネジメントを行い、これらを実行する組織と運営の仕組みを他地域へと展開し、街づくりの担い手をサポートしてプロジェクト全体の活性化に貢献したことが受賞につながりました。

公・民・学連携の都市デザイン・マネジメントが「石川賞」を受賞

柏市、三井不動産、東京大学、千葉大学が協働した「柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)」による公・民・学連携の都市デザイン・マネジメント」が、公益社団法人日本都市計画学会が表彰する2016年度の「石川賞」を受賞しました。

受賞者一同

三井不動産レジデンシャルにおける取り組み

三井不動産レジデンシャル㈱の分譲マンション「パークホームズ中目黒」(東京都目黒区)、「パークホームズ中野本町ザ レジデンス」(東京都中野区)など計3案件が、公益財団法人日本デザイン振興会主催の「2021年度グッドデザイン賞」を受賞しました。これにより、三井不動産レジデンシャル㈱は22年連続でグッドデザイン賞を受賞しております。

日本橋における取り組み

残しながら、蘇らせながら、創っていく「日本橋再生計画」

日本橋(東京都中央区)は江戸時代から商業と文化の中心として栄えてきました。当社グループの源流もこの地で生まれ日本橋とともに歩んだ歴史は300年以上にわたっています。当社グループは、日本橋への愛着と感謝の想いを形にするため「残しながら、蘇らせながら、創っていく」をコンセプトに、地域の活性化と新たな魅力を創造するプロジェクト「日本橋再生計画」を始動。官・民・地元と一体となって、伝統と革新が共存する新たな街づくりを進めています。

再開発が進む日本橋のビル群の中に1,000m2を超える広場空間として設けられた「福徳の森」は、地域が育んできた歴史と伝統を日本の自然により再現した憩いの空間です。隣接する「福徳神社」やその参道を囲むように配置した緑地は、四季折々の美しさが楽しめるよう整備しています。

福徳の森
福徳の森
日本橋の「道づくりによる街づくり」

五街道の起点として栄えた東京・日本橋。当社は、この地域における無計画な再開発を防ぎ、日本橋で育まれた文化や伝統、歴史的な建造物との「共生・共存」を図るため「道づくりによる街づくり」を進めています。その第一歩が、日本橋を象徴する中央通り沿いに並ぶ建物の低層部の高さを31mに統一するなどの景観保全対策。さらに、昔から地域で愛されてきた通りの特性に合わせた施設の開発や緑地の整備により、人々が集い、楽しく過ごせる空間を創出しています。かつて舟運都市として栄えた「水の道」ネットワークの復活など、道づくりを起点として未来に向けた街づくりに取り組んでいます。

日本橋・中央通り
日本橋・中央通り

ホテルにおける取り組み

「HOTEL THE MITSUI KYOTO」(京都市中京区)では、「日本の美しさと -EMBRACING JAPAN’S BEAUTY-」というブランドコンセプトのもと、伝統文化や建築、工藝、食などに見られる伝統的な日本独自の美しさと現代的なデザインを融合し、歴史性と先進性が調和された滞在空間を提供しています。客室空間は伝統的な茶室をイメージし、自然素材と工藝技術で創り上げられています。また、中庭は「庭屋一如」の精神を重んじたランドスケープデザインとなっています。

また 「三井ガーデンホテル京都河原町浄教寺」(京都市下京区)は、京都の歴史と文化を護り継ぐ寺院と連携したユニークな複合建物となります。京都には、観光スポットとしてだけでなく、そこに暮らす人々の心の拠り所となっている寺院が多数点在しています。しかしながら、建物の老朽化や後継者の不在、檀家離れなどの理由で、閉じざるをえない事態に陥っている寺院もあります。本プロジェクトは、こうした社会課題の解決方法の一つとして、ホテルと寺院との一体開発という寺院再生の新たなモデルケースとなっています。

「HOTEL THE MITSUI KYOTO」エントランス
「HOTEL THE MITSUI KYOTO」
エントランス
 「三井ガーデンホテル京都河原町浄教寺」 エントランス
「三井ガーデンホテル京都河原町浄教寺」
エントランス

「三井ガーデンホテル札幌ウエスト」(札幌市中央区)では、北海道の伝統工芸品である木彫りの熊をテーマに制作されたオブジェ作品「WOODY BEAR」をインテリアデザインに用いています。伝統を革新的に解釈する新しい価値観の創造をコンセプトに、日常的にある椅子、テーブルなどの木製の家具を解体し、緻密に重ね合わせ新たな輪郭を生みだしています。

「三井ガーデンホテル札幌ウエスト」
「三井ガーデンホテル札幌
ウエスト」
「WOODY BEAR」
「WOODY BEAR」

住宅における取り組み

木造マンションMOCXION

三井ホーム㈱では2021年7月に人と環境にやさしいサステナブルな建築資源である「木」を構造材に用いた木造マンションの新ブランド、「MOCXION (モクシオン)」を立ち上げました。第1号物件である「MOCXION INAGI(モクシオン稲城)」(東京都稲城市)は普及性の高い木造大規模中層建築プロジェクトである点が評価され、「国土交通省 令和2年度サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)」に採択されています。また、2021年には環境にやさしいという観点から「MOCXION (モクシオン)」がグッドデザイン賞を受賞しました。

木造マンションMOCXION
三井ホームの高遮音床システム「Mute45-50」

子育て世代の家族が下の階へ伝わる音を気にすることなく、のびのびと暮らせる住宅業界最高レベルの床遮音性能と衝撃吸収性を持つ、三井ホーム㈱の高遮音床システム「Mute45-50」が「第11回キッズデザイン賞子どもたちの安全・安心に貢献するデザイン部門」を受賞しています。「Mute45-50」は、住宅以外の保育園や幼稚園、医療施設などに応用して、優れた衝撃吸収性により身体への負荷を軽減し、転倒時の安全性を高めることも可能です。

「Mute45-50」を導入した集合住宅
「Mute45-50」を導入した集合住宅
KIDS DESIGN AWARD 2017

都市の再開発プロジェクトの実績

当社グループは、「共生・共存」「多様な価値観の連繋」「持続可能な社会の実現」の理念を実現し、お客さまや社会に向けて新しい価値を提供するために、「街づくりの基本姿勢」を次の3点に集約しています。

  • ミクストユース化(用途や機能の複合)、ソフト・ハードの融合などによる「多機能・多彩なコンテンツの融合」。
  • 住む人、集う人、憩う人や地域をつなぐ「コミュニティの創造」。
  • 街が完成したのちもタウンマネジメントなどを通じて、年々、街の魅力を高めていく「経年優化®」。

また、オフィスビルを始め、すべての開発において公共交通機関へのアクセスを考慮しています。交通拠点近傍の立地による利便性・安全性の提供はもとより、運用においても多くの人が集う商業施設やホテル等で環境負荷の少ない公共交通機関の利用を推奨しCO2排出低減にも寄与しています。さらに、すべての開発において障がい者対応の評価を実施し、法令の定める範囲で対応を実施するとともに、一部ではプラスアルファの取り組みを行っています。

主な再開発プロジェクト

東京・日本橋エリア

当社グループは地域のコミュニティと連携して、江戸時代から受け継がれてきた歴史や文化を街づくりやイベントに活かしながら、ライフサイエンス拠点としての機能強化を図り、日本橋エリアの活性化に貢献しています。
詳細については、こちらをご参照ください。
https://www.mitsuifudosan.co.jp/business/development/nihonbashi/

「柏の葉スマートシティ」

当社グループは、「柏の葉スマートシティ」(千葉県柏市)を環境問題、超高齢化社会、経済停滞などの社会的課題を解決する先進的なモデル都市として位置付け、公民産学の連携による次世代都市の街づくりを進めています。
詳細については、こちらをご参照ください。
https://www.mitsuifudosan.co.jp/business/development/kashiwanoha/

「東京ミッドタウン日比谷」

2018年3月29日にオープンした「東京ミッドタウン日比谷」(東京都港区)は、明治時代から社交とくつろぎの場として発展し、日本の近代化に大きな役割を果たしてきた日比谷の歴史と伝統を継承しながら“未来志向の新たな体験や価値の創造”をめざしています。
詳細については、こちらをご参照ください。
https://www.mitsuifudosan.co.jp/business/development/tokyo_midtown_hibiya/