気候変動

気候変動に対する認識

産業革命以降の人間のエネルギー消費などの活動により、大気中の二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの濃度が上昇し、地球温暖化が進みつつあります。有効な対策を取らず温暖化が進めば、気候が大きく変動し、海水面の上昇や異常気象などを引き起こし、人やその他の生物の生息環境に大きな影響をもたらすこととなります。また、三井不動産グループの事業活動においても、異常気象による被害を受けるリスクが高まることとなります。

三井不動産グループは、地球温暖化を抑制して、自社グループの気候変動によるリスクの低減と、人やその他の生物が生息できる環境を守り持続可能な低炭素社会を形成していくため、エネルギー消費を抑え温室効果ガスの排出が少ない建物や街をつくり提供・運営していくことが、不動産デベロッパーとしての大きな社会的使命と考えています。

取組方針

グループ環境方針に基づき、エネルギー消費や温室効果ガスの排出が少ない建物や街づくりを推進するとともに、共同事業者やテナント企業、出店者様、お客様とともに省エネルギー活動などの地球温暖化対策を進め、低炭素社会の形成をめざします。

取組目標

エネルギー消費原単位(延床面積当たり)を中長期にわたり毎年平均1%ずつ削減します。

※取組目標:三井不動産グループの排出する温室効果ガスは、主にエネルギー消費による二酸化炭素(CO2)であることから、温室効果ガス排出量の削減目標は定めていませんが、エネルギー消費量の削減目標を定め、取り組んでいます。

目標達成の進捗状況

2017年度のエネルギー消費原単位(延床面積当たり)は0.04268㎘(原油換算)/m2・年で、前年度比で4.1%削減しました。

(エネルギー消費原単位(延床面積当たり)の詳細については、「エネルギー消費量」をご参照ください)。

気候変動への適応に関するイニシアチブ

国連グローバル・コンパクトへの参加

三井不動産グループは、国連の提唱する「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」に関する10原則からなる「国連グローバル・コンパクト(UNGC)」に賛同し、2018年12月に署名するとともに、日本におけるローカルネットワークである「グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)」に参加しました。

当社グループは2001年に「グループ環境方針」を定め、省エネや温室効果ガス排出量の少ない建物や街づくりを進め地球温暖化の抑制に寄与するとともに、環境汚染の防止や廃棄物削減、水環境や生物多様性の保全などにも取り組んできました。オフィスや住宅などの生活基盤を支える企業グループとして、今後もより一層、環境保全等に取り組み、より高い水準で社会的責任を果たしていきます。
(「国連グローバル・コンパクト(UNGC)」の詳細については、以下をご参照ください。)
https://www.unglobalcompact.org/

気候変動への取組推進体制

三井不動産は、「環境委員会」(委員長:社長執行役員)のもとに「環境推進部会」を設置し、環境方針の対象となるグループ会社とともに地球温暖化対策などの環境への取り組みを推進しています。
(三井不動産グループの環境推進体制の詳細については、「環境推進体制」をご参照ください。)
「環境推進体制」詳細ページへ

取り組み事例

省エネ・創エネ・蓄エネ

三井不動産グループは、省エネに加え、太陽光発電やコジェネレーションシステムなどの創エネ、大型蓄電池による蓄エネなどにも積極的に取り組み、エネルギー消費と温室効果ガスの排出が少ない建物・街づくりを進めています。また、共同事業者やテナント企業、出店者様、お客様とともに省エネ活動にも取り組んでいます。

オフィスビルでの省エネ・創エネ・畜エネ
「東京ミッドタウン日比谷」での取り組み

「東京ミッドタウン日比谷」(東京都千代田区)では、熱負荷を低減する外装や高性能ガラスの採用、昼光を利用した照明の制御などの省エネ設備や高効率設備機器の採用、ガスコージェネレーションシステムの排熱利用などのほか、太陽光発電設備(発電能力約20kW)を設置して創エネも行っています。これらの省エネ・創エネ設備等により、東京都建築物環境計画書制度におけるPAL・ERRの「段階3」およびCASBEEにおける自己評価で「Sランク」を達成しています。

また、地域冷暖房(DHC)のサブプラントを新たに設置し、日比谷エリアにある既存のDHCプラントと連携することで、地区全体で高効率なエネルギー供給を実現しています。

「東京ミッドタウン日比谷」の環境への取り組み概要

>「東京ミッドタウン日比谷」の環境への取り組み概要
「日本橋髙島屋三井ビルディング」での取り組み

 「日本橋髙島屋三井ビルディング」(東京都中央区)では、東京都建築物環境計画書制度におけるPAL・ERRの「段階3」を達成しています。

「日本橋髙島屋三井ビルディング」
「日本橋髙島屋三井ビルディング」
(CGパース)
都内のオフィスビルで東京都の
「優良特定地球温暖化対策事業所」の認定更新

2010年度より、東京都内のオフィスビルについて、東京都の「優良特定地球温暖化対策事業所」の認定取得・更新を進めています。

2017年度は、「霞が関ビルディング(東京倶楽部ビルディング含む)」(東京都千代田区)と「新宿三井ビルディング」(東京都新宿区)の2事業所で準トップレベル事業所の認定を更新しました。これらの既存のオフィスビルでは、省エネ設備への切り替えのほか、CO2削減推進協議会を開催し、テナントとの協力体制を強化し、省エネ活動を推進しています。

なお、2018年3月末現在、「優良特定地球温暖化対策事業所」の認定を受けている三井不動産のオフィスビルは、トップレベル事業所が7事業所(9棟)、準トップレベル事業所が6事業所(7棟)となっています。

※東京都の「優良特定地球温暖化対策事業所」:東京都が規定する温室効果ガス排出削減の管理体制・建物設備性能・事業所設備の運用に関する全213項目の審査項目について、地球温暖化対策の推進の程度が特に優れた事業所を認定し温室効果ガス排出削減義務率を緩和する制度で、トップレベル事業所(評価点80点以上)と準トップレベル事業所(評価点70点以上)があります。

東京都の「優良特定地球温暖化対策事業所」の
認定取得実績の経緯(2018年3月末現在)

認定取得年度 トップレベル事業所 準トップレベル事業所
2010年度 ・日本橋三井タワー
・東京ミッドタウン
・銀座三井ビルディング
・日本橋一丁目三井ビルディング
・汐留シティセンター
2011年度 ・グラントウキョウノースタワー
・グラントウキョウサウスタワー
・ゲートシティ大崎
・赤坂Bizタワー(サブリース)
2012年度 ・霞が関ビルディング(東京倶楽部ビルディング含む)
・新宿三井ビルディング
2014年度 ・室町東三井ビルディング
(室町古河三井ビルディング、室町ちばぎん三井ビルディング含む)
・三井住友銀行本店ビルディング
2015年度
(更新)
・日本橋三井タワー
・東京ミッドタウン
・銀座三井ビルディング
・日本橋一丁目三井ビルディング
・汐留シティセンター
2016年度
(更新)
・グラントウキョウノースタワー
・グラントウキョウサウスタワー
・ゲートシティ大崎
・赤坂Bizタワー(サブリース)
2017年度
(更新)
・霞が関ビルディング(東京倶楽部ビルディング含む)
・新宿三井ビルディング
合計:13事業所(16棟) 7事業所(9棟) 6事業所(7棟)
注)*:「霞が関ビルディング」・「東京倶楽部ビルディング」は2棟で1事業所、「室町東三井ビルディング」・「室町古河三井ビルディング」・「室町ちばぎん三井ビルディング」は3棟で1事業所の扱いとなります。
大型物流施設での省エネ

三井不動産は、大型物流施設「三井不動産ロジスティクスパーク(MFLP)」において、LED照明や太陽光発電設備の導入を進めています。

2017年度に竣工した「MFLP稲沢」(愛知県稲沢市)と「MFLP茨木」(大阪府茨木市)においても、全館LED照明や太陽光発電設備を導入しています。

「MFLP稲沢」の太陽光発電パネル(発電能力約1,500kW)
「MFLP稲沢」の太陽光発電パネル(発電能力約1,500kW)
「MFLP茨木」の太陽光発電パネル(発電能力約2,000kW)
「MFLP茨木」の太陽光発電パネル(発電能力約2,000kW)
駐車場「三井のリパーク」での省エネ

三井不動産リアルティの駐車場「三井のリパーク」では、「安全・安心」「先進性」「環境配慮」「災害支援」の4つをキーワードを軸とした次世代型の駐車場づくりを進めています。

2017年度に開設した「『三井のリパーク』みなとまち新潟駐車場」(新潟市中央区)では、ハイブリッドソーラーシステム1基を導入しました。太陽光発電を行い、蓄電した電力で夜間に看板のLED照明を点灯するシステムで、最大で1日に約3,498Whの発電ができ、場内の看板照明の消費電力量の約62.6%を供給することが可能です。本システムの導入により、年間で約817kgのCO2排出量の削減を見込んでいます。また、災害時や停電時の非常用電力としても機能します。

「『三井のリパーク』みなとまち新潟駐車場」のハイブリッドソーラーシステムの太陽光発電パネル
「『三井のリパーク』みなとまち新潟駐車場」のハイブリッドソーラーシステムの太陽光発電パネル

メガソーラー事業

三井不動産はメガソーラー事業を行っており、2018年3月末現在、太陽光発電所(メガソーラー)5施設が稼働しています。全5施設での計画発電出力の合計は約72MW、年間発電電力量は約7千万kWhで、一般家庭の年間消費電力量約2万世帯分に相当します。

三井不動産の太陽光発電所の概要(2018年3月末現在)

施設名 所在地 運転開始年月日 計画発電出力
三井造船・三井不動産大分太陽光発電所 大分県大分市 2013年12月1日 約21MW (増設分約4MW含む)
三井不動産山陽小野田太陽光発電所 山口県山陽小野田市 2013年12月1日 約13MW
三井不動産苫小牧太陽光発電所 北海道苫小牧市 2014年 4月1日 約24MW
三井不動産八戸太陽光発電所 青森県八戸市 2014年10月1日 約8MW
三井不動産大牟田太陽光発電所 福岡県大牟田市 2014年12月1日 約6MW
合 計 約72MW

エネルギーマネジメントシステム

三井不動産グループは、オフィスビルや商業施設、マンション、戸建住宅などにおいて、それぞれに最適なエネルギーマネジメントシステムの導入を進めています。また、これらの個別の建物のエネルギーマネジメントシステムを連携させ、街区全体でエネルギーを管理するエリアエネルギーマネジメントシステムなどの導入も進めています。

エネルギーマネジメントシステムの導入事例

建物等の種類 エネルギーマネジメントシステムの種類 エネルギーマネジメントシステムを導入している建物等の事例
オフィスビル BEMS ・東京ミッドタウン日比谷
・日本橋髙島屋三井ビルディング
など
商業施設 BEMS ・ららぽーとTOKYO-BAY
・ららぽーと甲子園
・三井アウトレットパーク北広島
など(16施設)
分譲マンション HEMS(各戸)、MEMS(共用部、全体) 三井不動産レジデンシャルの
・パークタワー西新宿エムズポート
・パークシティ柏の葉キャンパス ザ・ゲートタワー
・パークシティ武蔵小杉 ザ ガーデン
など
戸建分譲住宅 HEMS 三井不動産レジデンシャルの
・ファインコートけいはんな公園都市
・ファインコート等々力 桜景邸
など
戸建注文住宅 HEMS 三井ホームの
・green'sⅡ(グリーンズⅡ)シリーズ、
・green's ZERO(グリーンズゼロ)シリーズ
など
街区全体 AEMS、TEMSなど ・柏の葉スマートシティ(柏の葉AEMS)
・パークシティ武蔵小杉 ザ ガーデン
など
注)
BEMS:Building Energy Management Systemの略。
MEMS:Mansion Energy Management Systemの略。
HEMS:Home Energy Management Systemの略。
AEMS:Area Energy Management Systemの略。
TEMS:Town Energy Management Systemの略。

自動車からのCO2排出抑制

三井不動産グループは、自動車からのCO2排出抑制のため、電気自動車用充電器等の設置や商業施設での公共交通機関利用促進サービスの提供などに取り組んでいます。

電気自動車普及のための基盤整備

三井不動産リアルティは、「三井のリパーク」の時間貸駐車場に電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド自動車(PHV)用の充電器の設置を進めており、2018年3月末現在、全国18ヵ所122台を設置済みです。

また、「ららぽーと湘南平塚」(神奈川県平塚市)などの商業施設や「パークシティ武蔵小杉 ザ ガーデン」(川崎市中原区)などの分譲マンションの駐車場においても、EVやPHV用の充電器の設置を進めています。

「『三井のリパーク』変なホテル舞浜 東京ベイ駐車場」(千葉県浦安市)のEV・PHV用充電器
「『三井のリパーク』変なホテル舞浜 東京ベイ駐車場」(千葉県浦安市)のEV・PHV用充電器

エネルギー消費量

三井不動産(集計対象範囲参照)のエネルギー消費量は2015年度以降微増傾向にあり、2017年度は257.1千㎘(原油換算)/年と前年度比で1.9%増加しました。しかし、エネルギー消費原単位(延床面積当たり)は0.04268㎘(原油換算)/m2・年と、前年度比で4.1%減少しました。エネルギー消費原単位(延床面積当たり)が減少した主な要因は、エネルギー消費原単位の大きな商業施設での削減幅が大きかったことによるものです。

エネルギー消費量の推移

エネルギー消費量の推移

温室効果ガス排出量

三井不動産(集計対象範囲参照)が事業活動により排出する温室効果ガス(GHG)は、主にエネルギー消費に伴う二酸化炭素(CO2)です。そのほか漏洩したフロン類(HFC等)が該当します。

三井不動産の温室効果ガス(GHG)排出量は2016年度以降ほぼ横ばい状態で、2017年度は506.6千t-CO2/年と前年度とほぼ同程度でした。しかし、温室効果ガス(GHG)排出原単位(延床面積当たり)は0.08409t-CO2/m2・年と、前年度比で5.8%減少しました。温室効果ガス(GHG)排出原単位(延床面積当たり)が減少した主な要因は、エネルギー消費原単位の大きな商業施設での削減幅が大きかったこと、主要活動エリアでの電気の温室効果ガス排出係数が低下したことによるものです。

温室効果ガス(GHG)排出量の推移

温室効果ガス(GHG)排出量の推移
注)CO2排出量の算定は、「温室効果ガス排出量算定・報告マニュアル」(環境省、経済産業省)に基づき行っています。なお、各年度のCO2排出量の算定には、各々前年度の電力使用に係るCO2排出係数確定値を用いることとなっています。

集計対象範囲

エネルギー消費量および温室効果ガス(GHG)排出量の集計対象範囲は、下表のとおりです。

集計対象範囲
(エネルギー消費量・温室効果ガス(CO2)排出量)

部門 区分 年度
2015 2016 2017
全体 対象施設数(施設) 151 154 163
延床面積(m2 5,393,971 5,673,109 6,024,150
オフィスビル 対象施設数(施設) 84 82 90
延床面積(m2 2,583,774 2,482,891 2,728,958
商業施設 対象施設数(施設) 44 43 45
延床面積(m2 2,596,732 2,851,201 2,864,433
ホテル 対象施設数(施設) 12 12 12
延床面積(m2 157,097 151,626 150,619
ロジスティクス 対象施設数(施設) 0 0 3
延床面積(m2 0 0 265,059
その他 対象施設数(施設) 10 14 13
延床面積(m2 14,426 63,168 15,080
注)
1.オフィスビルには「東京ミッドタウン(六本木)」、柏の葉スマートシティ「ゲートスクエア ショップ&オフィス棟KOIL」を含みます。
2.ホテルの対象範囲にはリゾートホテルを含みます。
3.その他には総務部所管施設、各支店などを含みます。
4.エネルギー消費量・温室効果ガス(GHG)排出量の延床面積は、稼働月を考慮したものとなっています。
5.自用床でのエネルギー消費・温室効果ガス(GHG)排出を含んでいます。