CFO MESSAGE

CFOメッセージ

2022年8月時点

CFOメッセージCFOメッセージ

2022年3月期業績

2022年3月期の業績は、新型コロナウイルス感染症の影響が継続するなか、前期に比して、商業施設賃貸の回復、投資家向け分譲の物件売却の伸長、リパーク(貸し駐車場)やリハウス(個人向け仲介)等の収益・利益の伸長等により、営業収益は2兆1,008億円、営業利益は2,449億円、経常利益は2,249億円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,769億円となりました。バランスシートは、総資産が8兆2,080億円となり、前期末に比べて4,660億円増加しました。連結有利子負債は3兆6,672億円、純資産は2兆9,137億円となり、これらの結果、D/Eレシオは1.31倍、自己資本比率は34.1%となりました。株主還元は、年間配当を1株当たり55円とするとともに、既に実施済みの自己株式取得150億円に加え、新たに自己株式取得150億円を追加決定したことにより、総還元性向は46.6%となりました。

2023年3月期業績見通し

2023年3月期の業績は、感染抑制を図りながら社会・経済活動の正常化が進むなか、主にホテル・リゾートにおける新型コロナウイルス感染症の影響を引き続き考慮しながらも、商業施設・東京ドーム等の業績が回復傾向にあることや新規竣工オフィスの収益寄与等を織り込み、営業収益2兆2,000億円、営業利益3,000億円、経常利益2,600億円、親会社株主に帰属する当期純利益1,900億円、いずれも過去最高となることを見込んでいます。株主還元は、年間配当を2022年3月期より5円増配し、1株当たり60円を予定しています。

中長期的な視野でのBSコントロール

  • 当社グループの主要事業である不動産開発や街づくり型の事業は、長期間にわたりバランスシートを大きく活用することが特徴ですが、将来の「収益・利益の拡大」と「効率性の向上」の実現のためには、中長期的な視野のもとでのBSコントロールが大変重要となります。具体的には、常に5年10年先を見据えながら、積極的な成長投資と継続的な資産入れ替えによる回収をバランス良く組み合わせるとともに、有利子負債残高やD/Eレシオの適正な管理により財務の健全性を維持するなど、バランスシート全体を俯瞰した管理をしています。
    バランスシートの資産について2017年3月期から2022年3月期までの5年間を振り返ると、総資産は5兆5,517億円から約1.5倍の8兆2,080億円に拡大しています。これは主に、日比谷・日本橋等の大規模開発の相次ぐ竣工や東京ドームグループの連結子会社化など、成長投資の順調な成果によるものです。成長投資を進める一方で、近年では「新宿三井ビルディング」「飯田橋グラン・ブルーム」「中之島三井ビルディング」等を当社グループの関連REITに売却するなど、資産の入れ替えを進めています。また、政策保有株式の縮減方針のもと、保有株式の売却を進めており、資産ポートフォリオの強靭化によるROAの維持向上に努めています。
    今後の外部環境は、サプライチェーン・物流の混乱・供給面の制約等による世界各国でのインフレ進行、金利上昇等のリスクの顕在化など、これまで以上に不安定な状態が続くことが想定されます。このような環境下において安定的に事業を継続するためには、健全な財務基盤の維持構築が重要です。そのため、当社グループにおいてはバランスシートを有利子負債約4兆円、D/Eレシオ1.2~1.5倍程度を目安として管理するとともに、物件開発期間中における金融マーケットの変動等のリスク軽減に向け、金利の長期・固定化、返済年限の分散化、格付けの維持等に加え、緊急時の流動性確保のため未使用枠のコミットメントライン4,000億円を保持しています。さらに、昨年秋に策定した「脱炭素社会実現に向けたグループ行動計画」における資金調達アクションの一環として、本年7月に国内不動産会社として過去最高の発行額となるグリーンボンド800億円を発行するなど、資金調達の多様化にも取り組んでいます。また、為替変動に対しては、主に海外事業において現地通貨建ての資金調達によりナチュラルヘッジを効かせることで、リスクの相殺・軽減に努めています。

中長期目標の達成と企業価値の拡大

当社グループは、中長期的な成長性目標として営業利益:3,500億円程度(2025年前後)、EPS成長率:年7%以上(2025年までの期間平均)、効率性目標としてROAは5%程度、ROEは8%程度(いずれも2025年前後)を掲げています。
変化の激しい外部環境のなかで、これらの目標達成は決して平坦な道のりではありませんが、強固な財務基盤をベースとした優良案件への継続投資や仕掛中案件の進捗等により、着実な成果を実感しています。具体的な今後の利益成長のドライバーとしては、主にホテル・リゾートや東京ドーム等におけるコロナ影響からの回復、2023年3月期に新規竣工する大規模ミクストユース型プロジェクト(東京ミッドタウン八重洲、50ハドソンヤード)の定常稼働・利益貢献等を見込んでいます。また、バランスシートの不動産資産に占める開発中資産の割合約30%・都心資産の割合約50%、D/Eレシオ1.2~1.5倍程度を前提に、継続的なBSコントロールを推進すること等により、さらなる効率性の向上を目指してまいります(統合報告書2022 P33参照)。
当社グループは、将来の「収益・利益の拡大」と「効率性の向上」の実現に向け、これからも不動産サイクルや金利動向等を見据えた長期的な財務戦略のもと、回収キャッシュフローを意識した厳選投資に加え、成長性と効率性を意識したBSコントロールを推進すること等により、資本コストを上回るリターンを継続的に実現し、さらなる企業価値の拡大に努めてまいります。

中長期目標の達成と企業価値の拡大中長期目標の達成と企業価値の拡大
閉じる
IR情報メニュー