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当社100%子会社である三井不動産建設株式会社の
株式譲渡に関する基本協定書締結について

平成13年7月26日 三井不動産株式会社

「適時開示資料はこちらをご覧ください (PDF : 12KB / 3P)」

当社は、本日の取締役会において、当社100%子会社である三井不動産建設株式会社(本社:東京、資本金:40億円、社長:松本光弘)の発行済み全株式を東京証券取引所第1部上場の総合建設会社である日東大都工業株式会社に譲渡すること及び日東大都工業株式会社と三井不動産建設株式会社が経営統合を行うことに関し基本協定書を締結の上、包括的な協議を開始する方針を決定いたしましたのでお知らせいたします。

【三井不動産建設株式会社の概要】

  1. 同社は、当社が昭和30年代から直営事業として行っておりました埋立・浚渫事業の施工部門を分離独立し、昭和49年に100%出資で設立した海上・港湾土木主体の総合建設業子会社であります。
  2. 同社は、バブル期に進出した不動産開発事業の低迷等により不動産等の含み損が拡大したため、平成13年3月期に当社からの直接支援金464億円を原資として大幅に不良資産を処理し、本業特化を前提とする3ヵ年の自主再建計画を実行中であります。
  3. その結果、平成13年3月期末において同社は、総資産が前期より600億円減少し644億円、有利子負債が504億円減少し118億円と体質改善が進捗し、売上高833億円、営業利益27億円、経常利益22億円と本業改善の成果も顕著となっております。

【株式譲渡および経営統合に関する協議開始について】

  1. 三井不動産建設株式会社が属する建設業界においては、公共工事の縮減、業界再編という事業環境の下、本年7月からは国土交通大臣が認定した企業集団に係る経営事項審査(いわゆるグループ経審)が採用されるなど、業界・市場の大きな構造変化が進行しつつあります。
  2. このような状況の下、当社といたしましては、同社が前述の再建計画を完遂しても将来に渡り単独で持続的な成長をするには限界があるとの認識に立ち、同社が持つ土木事業の強みを活かした形での資本提携等により事業基盤の拡充強化を図り、将来の発展を期すことが最善との判断に至り、具体的な提携先の検討に入りました。
  3. その過程で、同様の観点で種々の検討を行っていた日東大都工業株式会社と協議する機会に恵まれ、両社にて検討を進めた結果、当社から三井不動産建設株式会社の発行する全株式を日東大都工業株式会社に譲渡し、日東大都工業株式会社と経営統合を図ることを前提に包括的な協議を開始することとし、今回の基本合意に至りました。

【三井不動産建設株式会社株式譲渡の概要】

スケジュール

本協定書締結 平成13年7月26日
株式譲渡契約締結 平成13年9月末(予定)
支配権の移転(株式の交付) 平成14年1月〜3月(予定)

譲渡価額

平成14年3月末の三井不動産建設株式会社の時価純資産額をベースに第三者の企業評価書に基づき当社と日東大都工業株式会社が確認した同社の超過収益力(暖簾)を加算した価額を前提に協議の上、株式譲渡価格を決定します。

その他

(1) 協定締結後速やかに、日東大都工業株式会社と三井不動産建設株式会社との間で経営統合に向けた合同の委員会を設置し再編・統合の準備を開始することを予定しており、当社も両社協議の円滑な進捗に最大限協力いたします。

(2) 株式譲渡契約には売主としての一般的な表明保証条項を含む予定ですが、三井不動産建設株式会社の状況につきましては当社にて十分精査しており、現時点で当社の決算および財務状況に大きな影響を与える事象は発生しておりません。

【本件株式譲渡に関わる付帯事項】

  1. 本件株式譲渡に伴い三井不動産建設株式会社は当社連結の対象外となりますが、同社が有している土木事業に係る能力および当社受注実績は豊富であり、今後も事業を通じ良好な関係を維持していくことは、当社グループ事業の価値向上に資すると考えております。
  2. この判断に基づき、日東大都工業株式会社と新たに資本関係を構築す ることは当社にとりましても有意と考え、今後の包括的協議の中で同社株式の一部を保有する方向で検討する予定であります。
  3. また、本件株式譲渡後も三井不動産建設株式会社の顧客、関係当局との関係および経営の継続性に配慮し、かつ日東大都工業株式会社と同社との経営統合の円滑な進捗を支援するため、当社から同社への人員派遣を当面の間継続することも併せて検討する予定であります。

【本件株式譲渡の当社グループ中期経営計画における位置付け】

  1. 当社は現在「成長性と収益性に富んだ21世紀の新しい三井不動産グループ」を構築するため、平成15年3月期を最終年度とする「グループ中期経営計画」を実行中であり、前期末までに現行会計基準下での損失処理を終え、バランスシートの構造改善を達成しつつあります。
  2. また、不動産と金融がより直接的に繋がっていく21世紀の新しい不動産 投資市場の創設・発展に備えるべく、賃貸・住宅分譲などのアセット・ビジネス、当社の有する不動産の専門性やスキルに基づき収益機会を獲得するノンアセット・ビジネスをより効率的に、かつ顧客や市場の信認を得つつ推進していくため、経営機構改革、組織改革、コンプライアンス体制の整備・充実などの新たな基盤整備にも着手いたしております。
  3. 当社はこの経営の方向性に則り、今回の株式譲渡を嚆矢として、選択と集中の観点に立った戦略の具体的実行に着手して参りますが、グループ内のあらゆる経営資源を中核事業であり当社の優位性を十分に発揮できる不動産を中心とする事業領域に集中することを基本とし、各事業ドメイン毎の成長戦略の徹底を通じて更なる企業価値の向上に努めて参ります。

以上