芝三丁目東地区再開発計画「芝さつまの道」公開空地・生活環境軸
2002年度グッドデザイン賞(建築環境デザイン部門)を受賞
平成14年10月1日 三井不動産株式会社、
株式会社上山良子ランドスケープデザイン研究所
三井不動産株式会社他が、東京都港区芝三丁目において推進した「芝三丁目東地区再開発計画」(面積約2.4ha)におきまして、株式会社上山良子ランドスケープデザイン研究所が設計に参画いたしました「芝さつまの道」が、2002年度の「グッドデザイン賞(建築環境デザイン部門)」を受賞いたしました。
「芝三丁目東地区再開発計画」は、東側の業務商業施設街区に位置する「セレスティン芝三井ビルディング」(「セレスティンホテル」を一部含む賃貸ビルディング)と、その南側の中央三井信託銀行本店、西側住宅街区の超高層マンション「芝パーク・タワー」からなる一体の再開発です。
三井不動産は、当再開発計画において、上山良子ランドスケープデザイン研究所とともに再開発地区全体のランドスケープデザインの策定に取り組み、調和のとれた街並み景観になるよう、街全体のデザインガイドラインを策定し、さらに地区内の各街区と共同で環境整備を図るなど、街づくり全体のコーディネートをしてまいりました。今回の受賞はこれら一連の取り組みが高く評価されたものであります。
ランドスケープデザインの策定に際しては、芝三丁目東地区内の3棟の建物(中央三井信託銀行本店ビル、セレスティン芝三井ビル、芝パークタワー)と隣接する港区芝高齢者在宅サービスセンターの建築主および設計者によりワークショップ形式の会議を開催し、コンセンサスを形成していく方式を採用いたしました。
地区中央を貫く長さ約150m、幅約30mの「芝さつまの道」は、当再開発地区の中核であり、オフィス・ホテル、住居、商業、公共施設や広場等の施設機能を結びつける空間です。この場所に、本来、土地がもつ歴史性や風土性の魅力を引き出し、街の新たなコミュニティを育む街路空間を創出しました。
江戸時代、ここ芝の地には幕末歴史の舞台ともなった薩摩島津藩上屋敷が置かれていました。この屋敷図を再開発事業の図面に重ね合わせることで見えてくる、井戸、蔵、能舞台、庭等のユニークなかたちを、「芝さつまの道」に配置したベンチ、噴水、サイン、展示ケース等景観装置や舗装の意匠に反映させることで、土地の記憶として蘇らせました。
さらに、発掘された上屋敷の石垣に使われていた石を座れるオブジェとして配置することで、時間的な趣を風景に加えました。
地区内の街路樹は、古くから関東地方の屋敷林として植えられてきたシラカシを3本1組にまとめ、散策路として来街者が楽しめるように配置しました。
素材の色彩は、江戸文化の美意識から生まれた「百鼠」をカラーコンセプトとして、グレーを基調に街路全体の調和を図りました。
「芝さつまの道」は、「働く」「遊ぶ」「住まう」といった多様な活動を充実させるものであり、世界に向けて日本的アーバンデザインを体現した場所であります。
なお今回、当プロジェクト住宅街区の「芝パーク・タワー」についても、分譲マンションとして同賞を受賞しております。(別途リリース参照)
当社は、今後もこのような再開発事業をはじめとした様々な開発事業を通じて都市の付加価値創造を行うことにより都市再生を進め、グループ・ステートメントにも謳っている「都市に豊かさと潤いを」を鋭意実現してまいります。
以上
【芝三丁目東地区再開発計画概要】
1.街区高度利用型土地区画整理事業
事業者 | 芝三丁目東土地区画整理組合 |
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所在地 | 東京都港区芝三丁目および五丁目の一部 |
区域面積 | 約2.4ha |
スケジュール | 平成8年9月 組合設立準備会結成届出 平成9年4月 組合設立認可(東京都知事) 平成9年5月〜平成10年3月 造成工事 平成11年11月 換地処分 平成12年3月31日 組合解散 |
※当開発事業は、「街区高度利用型土地区画整理事業(都心型ミニ区画整理事業)」「再開発地区計画」、「都心共同住宅供給事業」という3つの事業手法を導入しながら、明治時代以来の街区ならびに道路形態を、「働く」「遊ぶ」「住まう」という機能が調和した現代都市に再整備した都市再生プロジェクトです。
施行前図・施行後図