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保存と開発を両立した、日本橋地区の都市再生に資する事業
三井本館街区再開発「(仮称)室町三井新館」計画 起工式挙行
建設地仮囲いに「江戸名所図屏風」を展開

平成14年10月4日 三井不動産株式会社、株式会社千疋屋総本店

 三井不動産株式会社は、株式会社千疋屋総本店と共同で、中央区日本橋室町二丁目の三井本館街区(面積約1.4ha)の再開発を進めておりますが、本日、当再開発計画の超高層複合ビル「(仮称)室町三井新館」の起工式を行いましたのでお知らせいたします。
日本橋地区は現在、官・民(地元)が連携し、地区の活性化を目指した活動や計画が積極的に進められており、都市再生を象徴するモデルケースといえるものです。
このようななか、当再開発は、歴史的建築物の保存と、周辺と調和した開発の両立を目指すもので、歴史、伝統豊かな地区に、国際的なホテルも誘致しながら、地区の活性化に寄与するものとなります。

 三井不動産株式会社は、これまで日本橋、霞が関、日比谷、新宿の4大拠点を中心に、首都圏のオフィスビル事業を展開してまいりました。当再開発計画の推進は、既にリニューアル等を実施している他の3拠点に続いて、歴史的にも三井グループ各社のゆかりの地である日本橋地区の再整備がいよいよ具体的に進展するものであります。

 当再開発計画は、「歴史的建築物の保存と開発との両立」を目指した東京都創設の「重要文化財特別型特定街区制度」の適用を受け、重要文化財である三井本館を保存しながら、超高層複合ビル「(仮称)室町三井新館」(地上38階建:高さ約192m)の建設を行うものであります。まさに「歴史的建築物の保存と最先端建築物の開発との両立」を実現する、今後の再開発事業の先鞭をつける事業です。

 デザインアーキテクトは、シーザーペリ&アソシエーツが担当し、低層部は三井本館との調和を図った重厚なデザインとしつつも、高層部へ移るにつれてガラスを用いた先進性のあるデザインになっております。また、建物内部の設計、設備・仕様に関しては、「働く人に一番の場所であること」という「ワーカーズファースト」の思想に基づき、開放感にあふれた快適なオフィス空間の実現や情報通信対応、耐震対応、高度なセキュリティシステム対応など、最先端のスペックとなっております。

 「都市再生」が注目を集める中、日本橋地区においては当再開発計画をはじめ、官や民によって、「三越新・新館計画」「三越前駅、地下コンコース拡幅計画」、東急百貨店日本橋店跡地での「日本橋一丁目計画」などが進行しております。また、日本橋地区は古くより歴史・文化・商業の中心地であることから、伝統的な老舗、歴史的建造物が数多くあり、そのような地域特性を活かした都市再生を実現するため、「日本橋地域ルネッサンス100年計画委員会」「名橋日本橋保存会」といった地元企業・商店街、町会等が参加した活動が活発に行われています。

 両会は、来年予定されている「日本橋架橋400年」「江戸開府400年」のイベントを、行政と連携して推進しており、本日、その先駆けとして国土交通省の支援のもと、当再開発計画の建設地仮囲いに「江戸名所図屏風」を展開いたしました。このビジュアル展開は「日本橋一丁目計画」「三越新・新館計画」の建設地仮囲いと連担して展開しますが、一連の再開発計画や地元の活動により日本橋地区が再生し、かつてのような賑やかさを取り戻すことを期待しています。

 共同事業者である株式会社千疋屋総本店は、解体工事に伴い、三井本館向かいの三井第三別館へ本店店舗を仮移転して5月より営業を開始しています。仮本店の外装デザインは白を基調として清潔感あふれるものとし、新しい日本橋を演出しております。株式会社千疋屋総本店は、今回の事業参画を「第二の創業」と位置付け「(仮称)室町三井新館」での店舗開店に向けて様々な取組みを進めています。既に千疋屋ブランドの再構築に着手しており、新しいシンボルマークとロゴの導入を行っています。

 当ビルのテナントとしては、マンダリン・オリエンタル・グループが、「マンダリン・オリエンタル、東京」として日本・東京初進出することが決定しております。国際的に高い評価を受けている世界的ラグジュアリーホテルグループが進出することにより、国際感覚豊かなビジネスマンや観光客が日本橋地区に来訪し、伝統的な老舗と融合することにより、新たな賑わいをもたらすものと確信しています。

 三井不動産株式会社は、今後も、日本橋再生において、地元や行政と連携し、歴史や伝統を活かしながらも、時代のニーズを先取りし、地区全体に賑わいをもたらすような、アメニティ溢れる都心の街づくりに取り組んで参ります。

以上

【物件概要】

(仮称)室町三井新館

所在地 東京都中央区日本橋室町二丁目1番1号 他
敷地面積 14,375m2(三井本館街区全体)
建築面積 約5,444m2
階数・高さ 地上38階建、地下4階、約192m
容積対象床面積 約118,600m2
延床面積 約130,750m2
駐車台数 約350台
スケジュール 2002年5月 解体着手
2002年10月 起工式
2005年9月(予定) 竣工
2006年(予定) ホテルオープン

三井本館

所在地 東京都中央区日本橋室町二丁目1番1号 他
敷地面積 5,610m2
階数・高さ 地上7階、地下2階 鉄骨鉄筋コンクリート造
容積対象床面積 31,660m2
建築様式 アメリカ型の古典主義建築
東西南3面に合計22本の「コリンシャン」丸柱を並列
その他 平成10年 重要文化財指定

【外観パース】

【江戸名所図屏風】


出光美術館所蔵。
寛永年間(1624年〜1644年)の作。作者不詳。
最古の江戸景観図。江戸の市街や風俗に力点を置き、躍動する都市寛永の江戸を描写。

【位置図】