会社分割によるグループ内ノンアセットビジネス関連事業
およびその推進会社の統合・再編についてのお知らせ
平成14年11月8日 三井不動産株式会社
三井不動産株式会社は、不動産を廻るパラダイム転換が進行する中、今年度を最終年度とする「グループ中期経営計画」において、不動産の保有に依拠せず、不動産のマネジメント型・ソリューション提供型のサービスプロバイダービジネスである「ノンアセットビジネスの伸長強化」を最重要課題の1つとして取り組み、「成長性と収益性に富んだ21世紀の新しい三井不動産グループ」の確立に向け鋭意邁進しておりますが、本日、この方向性を加速するため、グループ内事業の統合・再編により新体制を構築することといたしましたのでお知らせいたします。
賃貸住宅事業およびその運営管理子会社の再編・強化について
当社は、10月1日に株式交換により100%子会社となった三井不動産販売株式会社の「リースマンション事業(賃貸住宅運営管理事業)」を、商法第374条ノ16に定める吸収分割に基づき当社100%子会社である三井不動産住宅リース株式会社と統合し、来年4月1日を目途にグループ内の賃貸住宅運営管理専業会社として一本化いたします。
当社グループは、現在全国で32,000戸を超える賃貸住宅を運営管理しておりますが、このうち今般統合の対象となる両子会社は、事業機会獲得ルートの相違もあり、首都圏マンションを中心に、それぞれ独自に事業を展開し、共に成果を挙げてまいりました。
しかしながら、当社は、社会構造の変化や顧客ニーズの多様化を背景に、今後は、民間による良質な賃貸住宅ストックの供給が更にその重要性を増していくと共に、将来の不動産投資市場においては、安定的な収益資産としての賃貸住宅に対する投資家の要望が更に高まっていくものと見込んでおり、この事業領域において更なる飛躍を図るためには、運営管理の効率化や事業機会の獲得体制の一本化を早期に行い、併せて賃貸住宅事業分野における新たなブランドを構築することが最重要と考え、株式交換による三井不動産販売株式会社の100%子会社化が確定したことに合わせ、今般の統合を決定いたしました。
これにより、両社の営業・管理・運営業務は今般統合の新子会社に集約し、顧客・情報・人材というノンアセットビジネスの重要な経営資源を同社に集中することで、お客様に満足いただける良好な住空間とサービスの継続的な提供を図りつつ、更なる収益性の向上も可能になると考えております。
なお、当社は、開発分譲等により投資家向け賃貸マンションを供給して行く専任部署として賃貸住宅事業部を設置しておりますが、今後は同部による統合新会社の統括を通じ、不動産投資市場における当社グループの優位性もより強固にしながら、賃貸住宅事業分野全般における開発利益とマネジメント利益の相乗的な拡大を図ってまいりたいと考えております。
商業施設賃貸・運営事業の再編について
「株式会社ららぽーと」は、日本最大級のショッピングセンター「TOKYO−BAYららぽーと」や国内6ヶ所のファクトリーアウトレットモール等、全国15ヶ所で当社が開発した商業施設を中心に運営するほか、「TOKYO−BAYららぽーと」における賃貸事業等も行ってきた当社100%子会社であります。
当社は、「株式会社ららぽーと」を当社グループにおける商業施設運営の中核会社として明確に位置付けるため、来年4月1日を目途に同社の賃貸事業部門を当社100%子会社である「株式会社ガーデンホテルプロパティーズ」に吸収分割により移転し、ノンアセットビジネスの主要子会社としての成長を図ることといたします。
これにより、「株式会社ららぽーと」はサービスプロバイダーに特化することにより、既存施設の更なる運営能力の向上に努め、従来にも増して顧客・テナント双方から評価されるショッピングセンター運営会社を目指してまいります。また、当社は商業施設の開発にこれまで以上に注力し、様々な事業手法による新規事業を積極的に展開いたします。こうした効率の高い体制構築を早期に実現する一方、グループとしての連携をより深め、開発・運営一体となった商業施設事業を他社との差異化を図りながら推進し、収益の向上を目指してまいります。
なお、「株式会社ガーデンホテルプロパティーズ」は「株式会社リテールアンドホテルプロパティーズ」に商号変更し、ホテル・商業施設の賃貸事業会社とすることを予定しております。
不動産の所有と経営が分離し、不動産と金融が有機的に結びつく不動産投資市場が発展する中、当社グループは、あらゆる顧客に高度な付加価値を提供する「不動産のアセットマネージャー、不動産のソリューションプロバイダー」としての成長を促進することを、重要な経営の方向性として定めております。
今般の賃貸住宅事業、商業施設事業におけるノンアセットビジネス子会社の統合・再編は、三井不動産販売株式会社の完全子会社化による不動産流通事業への特化に続き、この方向性に基づく体制強化の一環であり、今後とも、当社は、経営資源の効率的な集約を推進しながらグループ総体として更なる成長を目指してまいる所存です。
以上