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〜横浜三井ビルディング 世界最大級の鉄道模型博物館〜
「原鉄道模型博物館」 7月10日(火)開館決定

平成24年5月24日
三井不動産株式会社

 三井不動産株式会社は、みなとみらい21地区に2012年2月に竣工した横浜三井ビルディング(神奈川県横浜市西区高島一丁目)2階に、「原鉄道模型博物館」を本年7月10日(火)に開館することとなりましたのでお知らせいたします。

 「原鉄道模型博物館」は、世界的に著名な鉄道模型製作・収集家である原信太郎氏の協力を得て、コレクションから選りすぐった鉄道模型約1,000両を展示し、その一部を一番ゲージの室内ジオラマとして世界最大級の面積(約310m2)となる「いちばんテツモパークジオラマ」で走行させます。
 また、横浜の街並みを表現した「横浜ジオラマ」を設置し、HOゲージの鉄道模型を走行させる他、東海道新幹線の一番切符(一番最初に発券された切符)のレプリカや、アンティーク鉄道玩具など、入手困難なコレクションの数々を展示します。

 「原鉄道模型博物館」は日本の鉄道の発祥地である横浜の記憶を伝承し、世界の鉄道模型を通じて産業の歴史や文化を学ぶ国際的な文化交流・賑わいの場として、横浜市の更なる文化・経済の発展に貢献してまいります。

【営業概要】

開館日 2012年7月10日(火)
開館時間 11:00〜18:00 (最終入場時間 17:30)
休館日 毎週火曜日(祝日の場合は翌営業日に振替、7月17日は営業)
年末年始12月31日〜1月2日
施設保守点検期間(2月上旬の5日間を予定)
※開館初年度の7月〜8月、ゴールデンウィーク期間は無休
入館料 大人 1,000円/中学・高校生 700円/小人(4歳以上)500円 (消費税込)
入館方法 当日券販売
問い合わせ 045-640-6699(原鉄道模型博物館開業準備室 平日11:00〜18:00)
HP http://www.hara-mrm.com
(施設の最新情報や営業情報などを随時公開いたします)

※上記の営業概要につきましては、変更する場合がございます。HPにて随時ご確認くださいますようお願いいたします。

※※平成24年5月24日配信のリリースについて、入館方法を変更させていただきました。
特別予約日を取り止め、当日券対応といたしました。(平成24年6月20日)

1.原信太郎氏の鉄道模型の魅力

本物の鉄道車両を、忠実に再現

原氏の鉄道模型の特長は、本物の鉄道車両を忠実に再現していることです。高度な技術と原氏のこだわりで満ちている模型の魅力、なかでもご注目いただきたいのは、以下の3つの特長です。

【原信太郎氏の鉄道模型の主な3つの特長】

<鉄のレールと鉄の車輪によるリアルな“走行音”>
一般的な鉄道模型のレールや車輪には、加工しやすい真鍮(しん ちゅう)(銅と亜鉛の合金)などの素材が用いられます。しかし、原氏の模型では、本物の鉄道と同じく、鉄のレールと鉄の車輪が採用されています。これにより、レールと車輪がすれる音やレールの継ぎ目を通過する時の音がよりリアルに聞こえます。

<惰力走行を実現する高度な技術>
惰力走行とは、列車が加速した後にモーターの電圧を切り、加速で得た惰性の力のみで走行することです。原氏は鉄道模型に惰力走行を実現した先駆者であり、現在でも一般的な鉄道模型で惰力走行するものは多くありません。原氏の模型では、伝導部(モーターの回転を車輪に伝える部分)に使われるギアなどを徹底的に改良し、コントローラーの電気をオフにしても走り続けることが可能になりました。スピードを上げた後に、モーターの音が消え車輪がカタンカタンとレールを叩く音だけが響くのは、鉄道の音の魅力の原点とも言えます。

<架線集電による本物さながらの姿>
一般的に、鉄道模型はレールから電気を取り込んで走ります。しかし、原氏の模型は架線からパンタグラフで電気を取り込みます。架線集電の機構を作るには高度な知識と技術が必要で、実際に模型に採用することは、国内ではほとんどありません。また、パンタグラフが架線の高さに応じて伸縮したりするなど、本物さながらの姿を見ることができます。

2.施設概要

施設名称 原鉄道模型博物館 (英語表記:HARA Model Railway Museum)
所在地 神奈川県横浜市西区高島一丁目1番2号 横浜三井ビルディング2階
施設面積 約1,700m2(延床面積)
交通 JR「横浜駅」徒歩5分、横浜高速鉄道みなとみらい線「新高島駅」徒歩2分
※ご来館は公共交通機関または当ビル内および周辺の有料駐車場をご利用ください。(博物館専用の駐車場はございません)

<施設概要詳細>

  1. 第一展示室 「原模型の真髄」
    原氏の製作・所蔵品の中でも特長のある選りすぐりの鉄道模型の他、原氏が初めて製作したオリジナルの鉄道模型、戦前、朝鮮半島で走っていた金剛山電気鉄道の車両、パリ‐イスタンブールを結んだ「オリエント急行」の車両、運転台・座席・網棚まで精巧に作られた戦前の箱根登山鉄道の車両など貴重な模型を展示します。また、原氏の鉄道模型製作についてのこだわりなども、パネルや映像でわかりやすく解説します。


    金剛山電気鉄道22号
    戦前、朝鮮半島で走っていた金剛山電気鉄道の車両。当時珍しかった鋼鉄製で、急勾配の山地を走った。
    (一番ゲージ)


    箱根登山鉄道チキ1形
    原氏と同じ1919年生まれの車両。箱根登山鉄道の急勾配を登るために新造された木造電車。
    (一番ゲージ)
  2. 第二展示室 「語る模型」
    Oゲージ※以上の大きさのヨーロッパ、アメリカ、日本の蒸気機関車、電気機関車、電車を展示します。
    模型を通じて、それぞれの時代の文化や歴史を知ることができるよう、テーマごとに展示しています。


    DB DR05 001
    ドイツの蒸気機関車
    (一番ゲージ)


    NSWGR AD-60形 6020
    オーストラリアの蒸気機関車
    (一番ゲージ)


    SBB Ce6/8 14284
    スイスの電気機関車
    (Oゲージ)


    大阪鉄道 デイ1形 2
    戦前の日本の電車
    (一番ゲージ)

    「シャングリラ伝説」
    原氏が自宅に設ける「シャングリ・ラ鉄道博物館」(非公開)をご紹介します。
  3. 第三展示室 「ヴィンテージ・コレクション」
    原氏が収集した数多くの一番切符(一番最初に発券された切符)のレプリカや、希少なアンティーク鉄道玩具などを展示します。東海道新幹線開業時の「ひかり」の一番切符や、伊豆急行開業時の一番切符などを入手した時の逸話も含めてご紹介します。また、子供の頃の関西一人旅や、戦前の朝鮮半島・中国東北部(旧満州)の旅から戦後の世界の旅をご紹介し、当時の珍しいカメラや記録なども展示します。


    一番切符
    (東海道新幹線)
  4. 展示プロムナード 「原信太郎と鉄道史」
    原氏の人生と鉄道史を重ねた年表を展示します。
  5. パサージュ(路地)
    原氏が所蔵する世界のHOゲージ※模型を展示します。いちばんテツモパークの入口付近では、本物の鉄道プレートやマスコントローラーを展示。原氏の幅広い所蔵品の一部をご紹介します。
  6. 多目的ルーム
    各種イベント、企画展などを行う多目的スペースです。7月〜9月2日まで、下記の催事を開催します。

    「開館特別企画 完全に実車を再現した精密精巧な電気機関車FS E626展」
    この模型はBreda社製の1928年イタリア国鉄の縮尺約1/32の電気機関車で、世界に類を見ないレベルまで忠実に実車を再現したものです。全体の組み立ても、実車と同様に組枠を作って、それに屋根、側面、端面を結合する作り方になっています。材料は洋銀。ハンダ付けは一切なく、全部リベットとビスで製作されています。外部に面した開口部はすべて開閉でき、しかも、内側にはレバーによる開閉装置がついています。各部品はすべて実物と同じ構造の工作が施されています。例えば、本物と同じく、運転室内の手動制御機のハンドルを廻すと鎖が巻き上げられて、各台車のブレーキ装置が全部作動してブレーキがかかります。また、前後の突起部の中には、空気圧縮機、モーター冷却送風機、電動発電機を内蔵しているなど、忠実に実車を再現しました。パンタグラフだけでも650個の部品、全部で9000の部品から成るこの作品は、機能的な素晴らしさだけでなく、美術工芸品のような美しさを誇っています。


    FS E626形電気機関車
    イタリアの電気機関車
    (一番ゲージ)
  7. 「いちばんテツモパーク」
    一番ゲージ※の室内ジオラマとしては世界最大級の面積(約310m2)となる鉄道ジオラマで、原氏の模型が走行します。ジオラマは一周約70m、線路数6本、総延長は約450m。原氏の模型の特長である、世界の車両が走行する風景にマッチするように、ヨーロッパをイメージしました。とりわけ、駅舎はフランスのリヨン駅をイメージしています。駅舎だけでも約5mの長さです。ビッグボーイ(アメリカ合衆国の蒸気機関車)が十数両の貨車を引く壮観な場面も見られる予定です。

    原模型の秘密
    原氏の模型は、外部からは見ることが難しい技術的なこだわりや工夫が随所に施されています。その技術をパネルで説明するほか、原氏の工房も再現しました。


    製作中の「いちばんテツモパーク ジオラマ」


    リヨン駅をモチーフとした駅舎


    いちばんテツモパーク(イメージパース)
  8. 「横浜ジオラマ」
    かつての横浜駅(今の桜木町駅)周辺の様子や馬車道や中華街エリアなど、横浜の今昔を再現したジオラマです。HOゲージの鉄道模型が、同時に最大5本の線路で走行可能です。

    横浜ジオラマ(イメージパース)

    ※Оゲージとは、一般的に、軌間(左右のレール間隔)が32mmの鉄道模型のこと。車両の長さは、機関車・客車・貨車によって違いがありますが、1両約500mmです(縮尺約1/43〜1/48)。
    ※HOゲージとは、一般的に、軌間(左右のレール間隔)が16.5mmの鉄道模型のこと。車両の長さは、機関車・客車・貨車によって違いがありますが、1両約200mmです(縮尺約1/80〜1/87)。 
    ※一番ゲージとは、一般的に軌間(左右のレール間隔)が45mmの鉄道模型のこと。車両の長さは、機関車・客車・貨車によって違いがありますが、1両約800mmです(縮尺約1/32)。

※各展示の内容は予告なく変更することがありますので、ご了承ください。

3. 原信太郎(ハラノブタロウ)氏 プロフィール

1919年4月4日、東京 芝生まれ。幼稚舎から高等部まで慶應義塾に通い、鉄道技術を学ぶために東京工業大学工学部機械工学科に入学。卒業後兵役に。
戦後、コクヨ株式会社で開発 技術担当として数々の自動化機械を開発。専務取締役、生産関連会社社長を経て相談役で退職。在職中、世界初の立体自動倉庫やオフィス家具自動一貫製造ラインなど、同社のみならず時代にインパクトを与える技術を開発した。
在職時には300を超える技術特許を個人で請願・維持した上で退職時に同社に寄贈。退職後同社の退職金を基金として、新しい時代の科学技術研究者を支援することを目的とする財団法人原総合知的通信システム基金を設立。現職 同財団理事長、及びサンフランシスコ大学名誉理事。
鉄道好きは、幼少期から。小学生ですでに一番キップを集め、カメラを持って長旅もする。モノが無い時代にも工夫して13歳で最初の模型を製作し、鉄道技術書籍を読むためにドイツ語・フランス語を習得。以後、厳しい時代の戦中・戦後、復興・高度成長期を通して鉄道好き・技術好きを貫き、世界中を旅し、模型を製作・収集。これまで訪れた国、延べ約380ヶ国、所蔵模型数約6,000両、撮影したスチール約10万枚、フィルム約440時間。鉄道書籍・関連コレクション多数。今もその膨大なコレクションは増え続けている。
著書:誠文堂新光社「原信太郎 鉄道模型のすべて」、講談社+α新書「スーパー鉄道模型 我が生涯道楽」

4. 位置図


神奈川県横浜市西区高島一丁目1番2号 横浜三井ビルディング2階
JR「横浜駅」徒歩5分、横浜高速鉄道みなとみらい線「新高島駅」徒歩2分