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事業継続力強化の取り組みをデジタルで効率化、
日本のBCPを「2.0」へバージョンアップ
日本初※1の定額・会員制サービス「&Resilience」を提供開始

2022年3月10日
三井不動産株式会社

三井不動産株式会社(代表取締役社長:菰田正信、以下「三井不動産」)は、事業継続計画(以下、BCP)の策定から運用・改善までを効果的かつ継続的に支援する、日本初※1の定額・会員制コンサルティングサービス「&Resilience」の提供を3月10日(木)より開始します。なお、本プロジェクトは三井不動産グループの事業提案制度「MAG!C」により生まれた新規事業となります。

―“BCP2.0”とはー

BCPが「計画の策定」にとどまってしまうことが多かったこれまで(“BCP1.0”)に対し、「計画策定後の運用フェーズ」に焦点をあて、災害時の行動力強化を目的に、訓練を中心としたより実効性の高い取り組みを指す、「&Resilience」における独自概念です。

「&Resilience」サービスの特徴

  • “BCP2.0”の取り組みに対する支援ニーズの急速な拡大に応え、災害をはじめ緊急時の行動力強化をワンストップでサポート。
  • これまで非効率的だった「計画策定後の運用フェーズ」における事業継続力強化のPDCAマネジメントサイクルを、デジタルツールの導入により効率化するとともに、専門性の高いパートナーコンサルタントが年間を通じて伴走サポートする定額・会員制サービス。
  • 三井不動産の長年の災害対応ノウハウと、1500件を超える被災・対応行動事例を集約。

■「&Resilience」ホームページ:https://about.andresilience.com/

「&Resilience」ロゴ

【サービス開発の背景】

東日本大震災をはじめとした地震や、大規模水害、新型コロナウイルスの感染拡大など、予期しない災害・事態が頻発する昨今、企業の事業継続性の観点から、BCPの策定・運用に関してその重要性が増しており、計画倒れで終わらない継続的かつ実効性の高い取組みの必要性が高まっています。

2019年7月に施行された「中小企業強靱化法」では、中小企業の事業継続力強化への取組に関する計画を認定し、補助金の優先採択など様々な支援策が受けられる仕組みを定めるなど、形式的な文書作成にとどまらない、より実効的な取り組みを求める動きが加速しています。

しかし、BCPの策定率は2021年時点で大企業が32.0%、中小企業が14.7%にとどまっており、さらに、BCPを策定している企業のうちでも、訓練を実施している企業は全体のわずか14.6%と、特に「運用・改善(ランニングフェーズ)」における取組みが進んでいない現状が明らかになっています※2。また、内閣府の調査によると「リスクを想定した経営が行えない理由」のトップが大企業・中小企業ともに「取り組み時間・人員(専門家含む)の不足」であるなど、計画策定の難しさや、継続的改善の負担が多くの企業で課題となっています※3。

三井不動産はこれまでにも様々な災害対策や訓練の実施、これらのノウハウの提供を、テナント企業や周辺関係者に行ってまいりました。こうした活動の中で、これまでのBCPに関する取り組みは「策定(イニシャル)フェーズ」に重点がおかれ、その後に続く「運用(ランニング)フェーズ」は非効率な状態で放置されてきたことに着目しました(“BCP1.0”)。

「&Resilience」では、取り組みの目的を「文書の作成」から「災害時の行動力強化(“BCP2.0”)」へシフト。BCP策定後の「運用・改善」にフォーカスし、これまで非効率な業務だった「課題の見える化、行動計画の策定・見直し、確認訓練」というマネジメントサイクルをデジタルの活用を通じて効率化し、専門的な知見・ノウハウを持つパートナーコンサルタントが持続的な改善活動をサポートする日本初※1の会員制サービスを提供することとしました。

なお、先行して2021年11月より延べ49社に試験的にサービス提供したところ、91%の方から役に立ったという評価をいただいています。

BCPのマネジメントサイクル

  • 1 BCPの策定と継続的改善を、デジタルツールの導入およびパートナーコンサルタントが年間を通じて継続的に支援する定額の会員制サービスは、日本初となります(自社調査)
  • 2 参考:帝国データバンク「事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査(2021年)」
  • 3 参考:内閣府「令和元年度 企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査(2020年)」

【「&Resilience」が提供する主なサービス】  「&Resilience」では、下記サービスを提供します。

サービスメニュー

実施形式(回数)
1. 課題の見える化 / CHECK UP 脆弱性診断 システム利用(随時)
課題管理表出力 システム利用(随時)
気づきの訓練 ワークショップ(年1回)
2.行動計画の策定・ 見直し支援 / PLANNING テンプレートを活用したプラン作成 システム利用(随時)
行動計画の最適化ワークショップ ワークショップ(導入時)
3. 実効性向上訓練 / EXERCISE 確認訓練 ワークショップ(年1回)

1.課題の見える化/ CHECK UP

1500件を超える豊富なデータ(東日本大震災や新型コロナウイルス感染症、情報セキュリティ事故を含む過去の災害における被害状況や企業の対応行動)の集積によるベンチマークとデジタルツールの活用により、会員企業の災害に対する脆弱性の診断と、「事前」対策として取り組むべき課題を見える化します。また、オンラインで行う災害シミュレーションを通じて、「事後」対応力強化として取り組むべき課題を明らかにします。


事前対策(脆弱性診断)を見える化

課題を管理表で一覧化

災害シミュレーション(オンライン)の様子

2.行動計画の策定・見直し支援 / PLANNING

多くの企業での実績を踏まえ、実効性が高く、維持管理が容易な行動計画の枠組みに基づき、専門的な知見・ノウハウを持つパートナーコンサルタントが多くの業種別テンプレートを活用して、会員企業の実情に沿ったプランの策定を支援します。


テンプレートのイメージ

プラン最適化のワークショップの様子

3.実効性向上訓練 / EXERCISE

様々な状況を想定のもと、出来ないことを課題として抽出し、対策を立案するための訓練を実施します。「&Resilience」では、過去の災害事象で発生した事例にもとづく「会社の業態」「立地」「災害の種類」「被害程度」など、様々なパターンに応じた災害シナリオを用意し、毎年継続的に実施することにより、会員企業様の取り組みのモチベーション維持と、具体的な対策につながる課題の抽出及び対策の見える化を支援し続けます。


確認訓練の様子

■三井不動産のこれまでのBCPに関する取り組み

三井不動産では、震災後の2011年から2016年の5年間、既存ビル約60棟に対し約200億円の防災・BCP関連の投資を行ったほか、街全体の防災力の向上を図るべく、日本橋と豊洲で展開しているスマートシティプロジェクト(電気・熱供給事業)、行政・地域住民と連携した大規模な防災イベントの実施など、街づくりを担うディベロッパーとして様々な「安心・安全」に寄与する施策に取り組んできました。今後も安心安全でレジリエントな災害に強い街づくりを進めることで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

■三井不動産グループの事業提案制度「MAG!C」について

三井不動産グループの「イノベーションを起こすDNA」を再起動し、「不動産業そのもののイノベーション」を全社的に推進していくため、2018 年度に創設した制度です。提案者が事業責任者となり、自ら提案した事業を推進することを原則としております。「&Resilience」もまた、「MAG!C」発の事業となります。

■三井不動産グループのSDGsへの貢献について

https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/esg_csr/
三井不動産グループは、「共生・共存」「多様な価値観の連繋」「持続可能な社会の実現」の理念のもと、人と地球がともに豊かになる社会を目指し、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)を意識した事業推進、すなわちESG経営を推進しております。当社グループのESG経営をさらに加速させていくことで、日本政府が提唱する「Society 5.0」の実現や、「SDGs」の達成に大きく貢献できるものと考えています。また、2021年11月には「脱炭素社会の実現」、「ダイバーシティ&インクルージョン推進」に関し、下記の通りグループ指針を策定しました。今後も、当社グループは街づくりを通じた社会課題の解決に向けて取り組んでまいります。

【参考】
・「脱炭素社会実現に向けグループ行動計画を策定」
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2021/1124/
・「ダイバーシティ&インクルージョン推進宣言および取り組み方針を策定」
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2021/1129_02/

*なお、本リリースの取り組みは、SDGs(持続可能な開発目標)における目標に貢献しています。

 
目標11 住み続けられるまちづくりを