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がんをはじめとする未解決の疾患への革新的治療創出
ワンストップで実現する「再生医療プラットフォーム」
産学連携で千葉県柏の葉に構築

2022年9月27日
帝人株式会社
株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング
三井不動産株式会社
国立研究開発法人国立がん研究センター

帝人株式会社(本社:大阪市北区、社長:内川 哲茂、以下 帝人)、株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(本社:愛知県蒲郡市、社長:畠 賢一郎、以下J-TEC)、三井不動産株式会社(本社:東京都中央区、社長:菰田 正信、以下 三井不動産)および国立研究開発法人国立がん研究センター(所在地:東京都中央区、理事長:中釜 斉、以下NCC)の4者は、がんをはじめとする未解決の疾患への革新的治療法の創出を目指し、再生医療等製品の研究・開発から、事業計画策定、商用生産までの過程をワンストップで実現する「再生医療プラットフォーム」を柏の葉スマートシティ(千葉県柏市)に共同で構築する契約を締結し、シーズ保有者に対する支援をスタートしました。特に、がんに関する再生医療等製品の事業化を加速し、日本発の革新的な治療法の提供を通じて社会に貢献することを目指していきます。

1.再生医療プラットフォームについて

  1. 本プラットフォームは、日本におけるライフサイエンスの新たな拠点を目指す「柏の葉スマートシティ」(千葉県柏市)を中心に構築します。国立がん研究センター東病院および同センター先端医療開発センターに隣接し、三井不動産が運営する「三井リンクラボ柏の葉1」に帝人と帝人のグループ会社で再生医療を展開しているJ-TECが連携してCDMO(*1)拠点を構築することで、物理的・機能的に4者が近接する利点を活かします。
    (*1)医薬品などの開発・製造の受託機関
  2. 最新のがん治療を行うとともに技術シーズを生み出しているNCC、再生医療等製品のパイオニアとして多くの製品開発・製造・上市経験を持つJ-TEC、医薬品の研究開発および上市の経験を持つ帝人、ライフサイエンス領域におけるイノベーション促進の場の整備・コミュニティ構築に取組む三井不動産のそれぞれの強みを活かし、製品設計、臨床開発、事業計画策定、商用製造など各段階における課題解決を迅速かつ効率的に行い、また、シーズを保有する他者のプロジェクトも支援・推進します。
  3. シーズ保有者に対し、NCCは専門的見地からのコンサルティング・他の技術シーズ保有者との連携支援・医師主導治験等の実施、帝人及びJ-TECは、実用化の見地からコンサルティング・開発製造受託、三井不動産は場の提供・各取組みへの支援を行います。
  4. 今後、学術機関やベンチャー企業、製薬企業などの、再生医療等製品の開発需要を喚起するとともに、研究開発や治験実施に協力可能な医療機関やがん分野・再生医療分野のキー・オピニオン・リーダー(KOL)、企業等を誘致して連携を進め、2024年1月に予定するCDMO拠点稼働に向けてプラットフォームの強化を図ります。

2.背景・経緯

  1. 日本では年間約100万人が新たにがんと診断されています(*2)。近年、免疫細胞療法(CAR-T細胞療法)をはじめとする再生医療を用いた革新的ながん治療の開発が世界的に行われており、日本においても大学や研究機関、ベンチャー企業を中心に、有望な治療法や、そのシーズ(種)の研究開発が進められています。(*2)出典元:国立がん研究センターがん情報サービス「最新がん統計」
  2. 一方、再生医療の実用化には、薬事承認や品質管理などのルールについての専門知識や実務経験が必要であり、また、上市や普及までを見据えた事業計画の策定や商用生産などの広範な事業化ノウハウも必要です。そのため、個別の学術機関やベンチャー企業が単独で研究開発を進めても、事業化に至ることができないケースも多くあります。
  3. 4者は、このような課題認識を共有するとともに、その解決策のひとつとして、高い専門性を持つ学術機関と事業化ノウハウをもつ企業が一体となり、連携してプロジェクトを推進する場である「再生医療プラットフォーム」を構築することとしました。
  4. さらに、この「再生医療プラットフォーム」を大学や研究機関、ベンチャー企業ならびに製薬企業に対してプロジェクト推進の場として提供し、がんをはじめとする重篤な疾患に関する再生医療等製品の事業化における課題解決を支援することを目指し、このたびの契約締結に至りました。

3.今後の展開

  1. このたびの契約締結を契機として4者は、需要の喚起やプラットフォームの強化を図り、将来的には、年間10件程度の再生医療関連プロジェクトを実施および支援可能な体制を確立し、再生医療等製品としての上市を実現することを目指します。
  2. 帝人は今後2~3年で30億円以上と計画しているCDMO関連投資費用の相当部分を本プロジェクトに投下し、J-TECと連携して「三井リンクラボ柏の葉1」での設備構築や人材育成を行い、主に製法開発と製造を支援するCDMO拠点としての体制を確立します。
  3. 4者は本プラットフォームの構築および運営を通じて、革新的な治療を待ち望む患者さんへの新たな選択肢を提供し、世界の医療に貢献していきます。


柏の葉スマートシティ マップ


広域図

【 柏の葉スマートシティについて 】

都心から約30分の柏の葉キャンパス駅を中心とする柏の葉スマートシティは、国内屈指のアカデミアや医療施設が集まる知の集積地です。「三井リンクラボ柏の葉1」隣接のがん患者さんをサポートする「三井ガーデンホテル柏の葉パークサイド」の他、オフィス・商業施設など、さまざまな施設が賑わいを生み出しています。また、公民学連携でスマートシティ構築を進めており、スタートアップや大学の技術を活用した実証実験にも積極的に取り組んでいます。

所在地 千葉県柏市柏の葉6丁目6番2号
延床面積 約11,000m2(約3,400坪)
貸付面積 約8,000m2(約2,400坪)
アクセス つくばエクスプレス「柏の葉キャンパス」駅よりバス利用3分、
「三井ガーデンホテル柏の葉パークサイド前(税関研修所)」バス停より徒歩3分