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港区・芝三丁目での都心再生モデルプロジェクト 本格始動へ
最終街区(A-2街区) 業務商業複合ビル 明日着工

平成12年3月22日 三井不動産株式会社

 三井不動産(株)は、東京都港区の中心部、芝三丁目東地区(面積約2.3ha)において、地元地権者と共同で、「芝三丁目東地区再開発計画」を推進しておりますが、このたび、同計画地内の最終街区となる業務商業街区(A−2街区)において、業務商業複合型の超高層ビル「(仮称)芝三丁目東地区A−2街区計画」を3月23日に着工することとなり、いよいよ当社念願の当再開発計画が、その完成に向け最終段階に入ることになりましたのでお知らせいたします。

 「芝三丁目東地区再開発計画」は、明治時代以来の街区・道路の形態を次代に対応する都市基盤に再整備するとともに、土地の高度利用をはかり都心に相応しい複合的機能を導入する街づくりです。
 当社といたしましては、当再開発計画を「都心再生の普遍性あるモデルプロジェクト」と捉えております。
 計画地の東側のA街区には、業務・商業機能を主体とした複合ビルを、西側のB街区には都心生活者の多様なライフスタイルに応える共同住宅を計画しており、A街区の南側(A−1街区)において中央信託銀行の本店が平成10年10月に着工し、またB街区においては当社の超高層マンション「芝パーク・タワー」が平成10年9月に着工し、それぞれ建設中です。
 また、計画地の中央部には、道路と建物敷地内の公共空地とを一体的に整備することにより、南北方向に長さ155m、幅25mの緑と潤いのプロムナード((仮称)生活環境軸)を設け、居住機能と業務・商業機能とが明確に分離され、かつ互いに調和した安全で快適な都市空間が創出されます。

 当再開発計画の推進にあたっては、当社の豊富な開発ノウハウを傾注し、次の3つの事業手法・計画手法を導入しており、当再開発計画はこれらの手法を組み合わせた事業としては日本ではじめての事例となります。

  • 「街区高度利用型土地区画整理事業(都心型ミニ区画整理事業)」(組合施行)による「総合的基盤整備」
  • 「再開発地区計画」の都市計画決定による「計画的、段階的な建物、環境整備」
  • 「都心共同住宅供給事業」の適用(B街区)による「次世代のストックとなる良質な住宅の供給」

 また、当再開発計画は、建設省が都心部の低未利用地の有効活用のために創設した「街区高度利用型土地区画整理事業(都心型ミニ区画整理事業)」の東京都における第1号事業であり、平成9年3月に発表された建設省の「土地の集約化手法の充実、都市基盤整備の推進など都心居住の推進のために構ずる施策」の中でも、当再開発計画はリーディングプロジェクトの1つとして位置づけられています。

 当社は、当再開発計画の中で基盤整備を実施した「芝三丁目東土地区画整理事業」において、組合の業務代行者として本年3月末の区画整理事業完成を目指し事業推進にあたってまいりました。今後も、地区全体で調和のとれた街並み景観となるよう、ランドスケープアーキテクトを起用してデザインガイドラインを策定し、隣接する街区と共同で環境整備を図るなど、街づくり全体のコーディネートをする役割を担っていく予定です。

 今回着工する「(仮)芝三丁目東地区A−2街区計画」は、当再開発計画の基本コンセプトの1つである「高次で創造的な業務商業施設の導入」を具現化するためのものであり、21世紀を代表する業務・商業複合ビルにふさわしい機能を備えた計画となっています。
 計画建物は、JR田町駅、都営三田線・浅草線三田駅、都営三田線芝公園駅、都営大江戸線赤羽橋駅が利用可能な交通至便な立地に建つ、地上17階・地下2階のオフィス、ホテル、店舗機能を備えた複合ビルです。オフィス部分は、基準階有効貸付面積約750坪という広さを確保し、国際的な金融機関や高度なITインフラを必要とする情報通信関連企業などの先進的な企業のニーズに十分こたえられる設備仕様を備えております。
 また、ホテルは、ビジネス客から観光客まで幅広い顧客層を想定した客室主体の施設構成となり、14階の中庭(パティオ)は、客室階がその周りを取り囲み、宿泊客が心地よく憩える場となります。
 店舗は、緑豊かなプロムナード側の1階に位置し、街の賑わいとユニークなアーバンライフを演出する予定です。

 「(仮)芝三丁目東地区A−2街区計画」の推進に際しては、世界レベルでプロジェクトマネジメント業務の実績が豊富なオーバーシーズ ベクテル インコーポレーテッドを起用しました。

以上

【芝三丁目東地区再開発計画】

1.街区高度利用型土地区画整理事業

事業者 芝三丁目東土地区画整理組合
所在地 東京都港区芝三丁目および五丁目の一部
区域面積 2.3ha
スケジュール 平成8年9月 組合設立準備会設立届出
平成9年4月 組合設立認可(東京都知事)
平成9年5月〜平成10年3月  造成工事
平成11年11月 換地処分
平成12年3月31日 組合解散(予定)
施行前図・施行後図

2.再開発地区計画

3.街区建築計画

街区名 敷地面積(m2) 延床面積(m2) 用途 着工/竣工
A−1街区 4,800 38,620 中央信託銀行本店 H10.10/H12.10
A−2街区 7,679 61,172 業務商業複合ビル H12.3/H14.4
B街区 3,620 32,300 「芝パーク・タワー」(4月分譲) H10.9/H13.6

【街並み完成予想図】

【プロムナード((仮)生活環境軸)】

【(仮称)芝三丁目東地区A−2街区計画】

所在地 東京都港区芝三丁目51番他(地番)
交通 JR山手線「田町駅」徒歩7分、都営三田線・浅草線「三田駅」徒歩3分、都営三田線「芝公園駅」徒歩2分
敷地面積 7,679.46m2
建築計画
  1. 延床面積:61,172.72m2
  2. 規模:地上17階、地下2階(約90m)
  3. 構造:S造、SRC造
  4. 駐車場:149台
総合監修 (株)K・M・G建築事務所
プロジェクトマネジメント オーバーシーズ ベクテル インコーポレーテッド
設計・監理 (株)日本設計
外構設計・監理 (株)上山良子ランドスケープデザイン研究所
施工 鹿島建設(株)、住友電設(株)、新日本空調(株)、フジテック(株)、石川島播磨重工業(株)、日立機材(株)
スケジュール 着工:平成12年3月23日 / 竣工:平成14年4月(予定)

【完成予想図】

【開発手法の解説】

  1. [街区高度利用型土地区画整理事業(都心型ミニ区画整理事業)]
     従来の郊外部における広い区域(5〜数百ha)で施行される土地区画整理事業に対し、既成市街地における計画的な公共施設整備と土地の有効利用を実現するため、都心部の狭い区域において施行される土地区画整理事業。(土地区画整理法による)
     都心における中心市街地においては、土地の有効・高度利用がなされるべきであるが、現実には道路の未整備、土地の不整形・狭小、また、共同化意向のある土地と単独敷地利用の意向がある土地の混在等により有効利用が困難な地区が多い。そうした地区において、土地の交換・分合、公共施設の整備改善、街区の整序を行い、良好な都市基盤と土地の有効利用を実現する。高度利用の実現により、新しく生まれた利用可能空間は、業務・商業のみならず、都心住居の推進のために活用される。
     また、こうした都心における土地区画整理事業を推進するため、建設省では平成3年度から、国の一般会計による補助制度「街区高度利用推進事業」を創設、その後制度拡充が行われ、「街区高度利用土地区画整理事業(都心居住市街地開発事業制度要綱による)」となった。

    出典:「都市・建築企画開発マニュアル」(株式会社建築知識社発行)
  2. [再開発地区計画]
     工場跡地や鉄道操車場跡など、まとまった規模を有し、土地の枢要な位置を占める低・未利用地の整備を目的とし、これらの土地の特質をふまえ、土地利用転換の方向にかかわる都市計画上の位置づけを明確にし、適正な公共施設の整備水準を担保しつつ、土地利用規制の変更、民間エネルギーの適切な誘導と段階的な整備の推進を図る計画。(都市計画法第12条の4第1項第3号)。
     再開発地区計画の内容としては、整備・開発に関する方針、公共施設の配置・規模および再開発地区整備計画を定める(同法第12条の5第2項)。
     「再開発地区整備計画」には、地区施設の配置・規模、建築物の用途の制限等を定めることとされている(同法第12条の5第3項)
     また、再開発地区整備計画区域内においては、特定行政庁の認める建築物については、用途制限、容積率制限、高さ制限(道路斜線、隣地斜線、北側斜線)が緩和される(建築基準法第68条の5)

    出典:「東京都都市計画用語集」(東京都発行)
  3. [都心共同住宅供給事業]
     三大都市圏(東京・大阪・名古屋)の住宅の重点供給地域(都内では環状7号線と高速湾岸線に囲まれたエリア)において、良質な住宅建設を促し、居住人口を回復することを目的に平成7年に創設された制度。(「大都市区域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法」に基づく)
     同制度に基づき、都・府・県知事の「認定」を受けた場合において、国や自治体が建設費補助等の助成を行う一方、入居者の資格・選定方法、家賃・譲渡価格の設定、住宅の管理・処分等に公的規制を課す。

【オーバーシーズ べクテル インコーポレーテッド (Overseas Bechtel,Incorporated)】

設立 昭和46年(1971年)12月
所在地 本社:50 Beale Street,San Francisco,California 94105-1895 USA
日本支社:東京都千代田区丸の内3−2−3
代表者 日本における代表者 ジェリー エム リグスビー
事業内容 社会基盤整備事業(ダム,鉄道、高速道路,空港等)
都市開発事業(テーマパーク、ホテル,オフィス等)
発電プラント、パイプライン、石油関連施設、化学プラント等の各種施設の設計,
エンジニアリングおよび建設工事の請負,関連サービスの提供
実績 東京国際空港西旅客ターミナルビル建設工事、アジア太平洋トレードセンター建設工事、関西国際空港旅客ターミナルビル(南工区)新築工事など

【三井不動産株式会社】

設立 昭和16年(1941年)7月15日
本社 東京都中央区日本橋室町2−1−1
代表者 代表取締役社長 岩沙 弘道
資本金 134,433百万円(平成11年9月30日現在)
事業内容 オフィスビル、ショッピングセンター、ホテル等の賃貸事業、戸建て住宅、マンション等の分譲事業 他