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ライフサイエンス・イノベーションを産官学連携で促進する
社団法人LINK-Jを設立
カリフォルニア大学サンディエゴ校、ライフサイエンス団体「バイオコム」と提携

2016年6月3日
一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン
三井不動産株式会社 

このたび、三井不動産株式会社(東京都中央区、代表取締役社長 菰田正信)とアカデミア有志が中心となって、一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(東京都中央区、理事長 岡野栄之 慶應義塾大学医学部長 / 以下「LINK-J」)を設立しました。LINK-Jは、医薬関連企業が集積する日本橋エリアを拠点に、産官学連携によるライフサイエンス領域でのオープン・イノベーションを促進し、新産業創造を支援する活動を開始します。

■LINK-Jについて

ライフサイエンスは、あらゆる科学の複合領域であり、医学をはじめ、理学や工学、ICTや人工知能といった新たなテクロノジーなど、対象は広範に及びます。LINK-Jはそのネットワークを通じ、分野を超えた内外の人的交流・技術交流を促進し、シーズやアイデアの事業化を支援するために設立されました。
 LINK-Jの理事長には慶應義塾大学医学部長の岡野栄之、副理事長には大阪大学大学院医学系研究科長の澤芳樹が就任しました。
 LINK-Jの事業運営にアドバイスを行う運営諮問委員会に、理化学研究所理事 松本洋一郎氏、京都大学iPS細胞研究所 所長 山中伸弥氏を始めとする産学を結ぶ13名の識者の参画を得ています。(山中伸弥氏のコメントを添付しております。こちらをご参照ください。

LINK-Jでは、設立趣旨に賛同していただける方々を、LINK-Jメンバー(特別会員)として、この7月より会員募集いたします。メンバーの方々には、「交流・連携事業」として、シンポジウムやセミナー等への参加やメンバー間の交流イベントへの参加といった機会を提供します。また、「育成・支援事業」として、起業を志す個人やベンチャー企業を対象としたプログラムや様々な相談の場を提供する他、投資家からの資金調達やアライアンスのためのマッチングの機会を設けます。

LINK-Jはライフサイエンス領域で先行する海外の大学や機関と、海外から日本、日本から海外の双方向の連携を進めていきます。まず、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCサンディエゴ)と、ライフサイエンス領域での提携について合意しました。また、同じくサンディエゴを拠点とするライフサイエンス団体、バイオコムとの提携も決定しています。UCサンディエゴやバイオコムとの連携は、日本のライフサイエンス・イノベーションの活性化を促進するものです。


UCサンディエゴ

UCサンディエゴ
アルバート・ピサノ工学部長
  • UCサンディエゴについて
    カリフォルニア州のサンディエゴでは全米トップクラスのライフサイエンス集積が形成されています。UCサンディエゴはライフサイエンスにおける先進的な研究開発体制で知られるのみならず、産学連携でカリフォルニアのライフサイエンス集積をリードしてきた実績を誇っています。
  • バイオコムについて
    バイオコムもサンディエゴに拠点を置き、ライフサイエンス産業に関連する750もの企業・団体で構成される会員組織です。サンディエゴにおいて、ライフサイエンス・イノベーションのエコシステム(新産業の集積を生み出す環境)の中心的な存在となっています。

■三井不動産の取組み

三井不動産は、事業領域拡大のための新産業創造を重要な戦略と位置づけています。LINK-Jとの協業による「日本橋ライフサイエンス・イノベーション推進事業」は「柏の葉スマートシティにおける新産業創造」「ベンチャーとの共創事業である31VENTURES」と並ぶ新産業創造の柱となります。三井不動産は、日本橋のまちづくりを通じて、継続的に場(ハード)と機会(ソフト)の両方を提供し、国内外・産官学の連携を促してライフサイエンス・イノベーションの活性化を図ります。

日本橋ライフサイエンス・イノベーション推進事業の拠点は、既存の「日本橋ライフサイエンスビル」「日本橋ライフサイエンスハブ」に、新たに「日本橋ライフサイエンスビル2」を加えて3か所となります。

日本橋ライフサイエンスビル(中央区日本橋本町2-3-11)は業界団体、大阪大学・京都大学・東京大学・東北大学や、東京都の医産学連携・医療機器開発支援センター(仮称)に加え、日本初進出となるUCサンディエゴの東京ブランチの入居が決定しています。日本橋ライフサイエンスハブ(中央区日本橋室町1-1-5室町ちばぎん三井ビルディング8階)は、日本医療研究開発機構(AMED)創薬支援戦略部の東日本統括部、日本橋ライフサイエンスビル2(中央区日本橋本町3-11-5)には将来有望なライフサイエンス系ベンチャー企業が入居しております。

これらの交流拠点では、過去1年間に100以上のセミナー・シンポジウム等が開催されておりますが、今後はLINK-Jの始動に伴い、日本橋の3拠点において、より一層の交流が進むこととなります。

三井不動産は日本橋において、ライフサイエンス拠点の整備や、グローバルビジネスの支援機能を強化するとともに、LINK-Jと連携し、国内外のイノベーターたちが分野を超えて出会い、共創する環境をつくります。ライフサイエンス・イノベーションの創出を促し、新産業創造を支援することで、日本橋の更なる価値向上を図るとともに、世界の人々の健康長寿に関わる課題解決に貢献することを目指して参ります。

【LINK-J概要】

法人名 一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(LINK-J)
設立日 2016年(平成28年)3月
役員 理事長 岡野 栄之(慶應義塾大学医学部長)
副理事長 澤 芳樹(大阪大学大学院医学系研究科長・医学部長)
理事 植田 俊(三井不動産株式会社 常務執行役員)
監事 菊地 裕太郎(菊地綜合法律事務所 所長)
運営諮問委員 特別委員 松本 洋一郎
(理化学研究所 理事)
特別委員 山中 伸弥
(京都大学iPS細胞研究所 所長)
特別委員 ピーターF・カウイー
(カリフォルニア大学サンディエゴ校 グローバル政策・戦略大学院 学部長)
委員 阿曽沼 慎司
(京都大学 産官学連携担当理事)
委員 進藤 秀夫
(東北大学 理事(産学連携担当)
委員 多田 正世
(日本製薬団体連合会 会長)
委員 戸田 雄三
(一般社団法人 再生医療イノベーションフォーラム 代表理事・会長)
(富士フイルム株式会社 取締役専務執行役員)
委員 中尾 浩治
(一般社団法人 日本医療機器産業連合会 会長)
(テルモ株式会社 取締役顧問)
委員 畑中 好彦
(日本製薬工業協会 会長)
(アステラス製薬株式会社 代表取締役社長)
委員 東原 敏昭
(株式会社日立製作所 代表執行役 執行役社長 兼CEO)
委員 水野 正明
(名古屋大学 総長補佐)
委員 渡部 俊也
(東京大学政策ビジョン研究センター 教授)
委員 菰田 正信
(三井不動産株式会社 代表取締役社長)

【理事長 岡野栄之プロフィール】

昭和58年3月 慶應義塾大学医学部卒業
平成元年10月 米国ジョンス・ホプキンス大学
医学部生物化学教室(クレイグ・モンテル博士)に留学
平成 6年9月 筑波大学基礎医学系分子神経生物学教授
平成 9年4月 大阪大学医学部神経機能解剖学研究部教授
(平成11年4月より大学院重点化に伴い大阪大学大学院医学系研究科教授)
平成13年4月 慶應義塾大学医学部生理学教室教授
平成27年4月 慶應義塾大学医学部長(現在に至る)

(専門分野):分子神経生物学、発生生物学、再生医学

【日本橋の3拠点 概要(2016年6月1日現在)】

(1)日本橋ライフサイエンスハブ

1.住所 〒103-0022東京都中央区日本橋室町一丁目5番5号
室町ちばぎん三井ビルディング8階
2.専有面積 約1,030m2(8階、カンファレンスルーム等含む)
3.入居者一覧 階数 入居者名称
8階 国立研究開発法人日本医療研究開発機構
(創薬支援戦略部 東日本統括部)
カンファレンスルーム(貸会議室)、コミュニケーションラウンジ

(2)日本橋ライフサイエンスビルディング

1.住所 〒103-0023東京都中央区日本橋本町二丁目3番11号
2.専有面積 約6,240m2(地下1階~10階、カンファレンスルーム等含む)
3.入居者一覧 階数 入居者名称
10階 カンファレンスルーム(貸会議室)、コミュニケーションラウンジ
一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(LINK-J)
9階 国内:大阪大学、京都大学、東京大学、東北大学
海外:カリフォルニア大学サンディエゴ校
8階 ・7階 日本製薬工業協会
6階 一般社団法人再生医療イノベーションフォーラム
東京都(医産学連携・医療機器開発支援センター(仮称))
一般社団法人ディー・アイ・エー・ジャパン
株式会社日本医療機器開発機構
一般社団法人未承認薬等開発支援センター
5階 一般社団法人日本CRO協会
株式会社ミナケア
4階 一般社団法人医療介護の安定と地域経済活性化フォーラム
クオンタムバイオシステムズ株式会社
特定非営利活動法人システム・バイオロジー研究機構
辻丸国際特許事務所
一般社団法人日本再生医療学会
バイオファーマ・フォレスト株式会社
3階~1階 カンファレンスルーム(貸会議室)、受付等

(3)日本橋ライフサイエンスビルディング2

1.住所 〒103-0023東京都中央区日本橋本町三丁目11番5号
(5~7階 31VENTURES Life Bridge ニホンバシ)
2.専有面積 約1,340m2(5~7階)
3.入居者一覧
(第一期募集分)
階数 入居者名称
6階 株式会社インディー・メディカル
株式会社キノファーマ
Delta-Fly Pharma株式会社
一般社団法人日本医工ものづくりコモンズ
株式会社Med Vision 

【京都大学iPS細胞研究所 所長 山中伸弥氏のコメント】

LINK-J運営諮問委員会 特別委員就任にあたり

ライフサイエンスに関わる研究者の一人として、真理の探究の先に、患者さんをはじめ多くの人々のために研究成果が役立っていく姿を思い描きます。

一見、実用化から程遠い基礎研究も、脈々と続く研究の先に、大きく社会に貢献する可能性を秘めており、iPS細胞研究も偉大な先人達による長年の研究の上に花開いたものです。

そのようにして生まれた研究成果が、新たな発想で様々な分野に取り込まれ、実用化の段階を経て、患者さんや社会への貢献につながっていくことは、大きな喜びです。

今回設立されたLINK-Jは、ライフサイエンスの様々な分野において、これまでにない新たな産業を生み出すための触媒であり、研究成果の社会還元を加速する重要な役割を担うものと考え、私も運営諮問委員会の特別委員として参画しました。

研究のイノベーションを引き継ぐ、実用化のイノベーションの推進役となることを大いに期待しています。

京都大学 iPS細胞研究所 所長
山中 伸弥