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三井不動産、決裁・会計システムの全面刷新で「働き方改革」を推進
―SAP S/4HANA®を採用し、基幹系システムをフルクラウド化。業務効率化とモバイルワークを実現ー

2019年7月11日
三井不動産株式会社

三井不動産株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長 菰田正信)は、2016年9月より決裁・会計の基幹系システムの全面刷新に取り組み、2019年4月に新システムを導入しました。また、2019年6月からはiPhone・iPadなどでのモバイル承認機能も追加。全社における本格運用を開始し、「働き方改革」を推進しています。

近年、急速にビジネス環境が変化するデジタル時代において、企業がIT技術の浸透によって、さらに踏み込んで経営のあり方やビジネスモデルを転換する、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が求められています。当社では、長期経営方針「VISION 2025」を掲げ、「テクノロジーを活用し、不動産業そのものをイノベーション」を全社の重要施策として位置付けています。

こうした取り組みの一環として、当社では2016年9月より総勢80名による部門横断型の改革プロジェクトチームを立ち上げ、標準化・効率化の観点から業務の本質を議論し、一から業務プロセスの見直しを実施しました。これまで部門毎に個別最適化されていた業務プロセスの標準化と、独立していた決裁システムと会計システムの統合化を実施し、会計機能にSAP S/4HANA®を採用したフルクラウドのシステムを構築しました。新システム導入により、年間約58,000時間の業務量が削減される見通しとなり、さらにモバイル承認機能の導入によって働く場所を選ばないモバイルワークの促進につながることが期待されます。

当社および当社グループ各社は、今後もテクノロジーを活用した更なる働き方改革を進め、生産性を向上し、ビジネスモデルの革新に取り組んでまいります。

■システム全面刷新によって、年間約58,000時間の業務量削減と働き方改革の促進を目指す

今回のシステム全面刷新により、全社業務の標準化と効率化、データ多重入力の廃止、ワークフローの電子化などを実現し、年間約58,000時間の業務量が削減される見通しとなっています。

特長1:全社業務の標準化と効率化を実現し、業務をシンプルに

これまでは部門毎に異なる業務プロセスにより契約書類や請求書、経費精算書、膨大な帳簿書類を従業員が手入力・紙出力・押印・回覧していました。今回、各種プロジェクトの決裁書・契約書管理、支払・入金予定を全てシステム上で一覧化し、部門固有だった管理方法を統一しました。また、今後の事業拡大に対応できるよう、会計システム導入後初めて抜本的に勘定科目体系を見直し、スリム化しました。

特長2:データ連携によって作業やチェック時間を短縮し、ミスも減らす

決裁書に必要な記載項目を予めフォーマット化し、決裁書に記載したデータ(相手先、金額、業務期間など)を押印申請、支払・入金予定、伝票計上などの会計業務まで連動させることで多重入力を廃止。ミスの削減およびチェック時間の短縮を図りました。また、経費精算にクラウドサービスを活用することで、読み取った領収書や交通系ICカードの内容が自動的に経費データとして連携されるようになり、利用者自身での申請が効率化されました。

特長3:ワークフローの電子化とモバイル承認の導入により、場所を問わない働き方が可能に

従来は紙に押印して回覧していた決裁も電子化。各種書類への押印や支払のワークフローも電子化することで年間約840,000枚分の紙資料が不要となる見通しで、印刷・郵送・保管コストの削減、ならびに、書類管理・運用に伴う負荷軽減が期待されています。さらにモバイル承認も導入した結果、自席でなくても業務が容易となり、働く場所を問わないモバイルワークの促進につながっています。

■基幹系システムをマルチクラウドで構築、フルクラウド化を推進

決裁・会計業務を支える基幹系システムをNTTデータ イントラマート社のシステム共通基盤である「intra-mart®」とSAP社の統合基幹業務システム(ERP)パッケージである「SAP S/4HANA®」を用いて構築。あわせて経費精算機能としてコンカー社の経費精算・経費管理クラウド「Concur® Expense」とクラビス社のクラウド記帳サービス「STREAMED」を採用しました。また、システム基盤として日本マイクロソフト社のクラウド プラットフォーム「Microsoft Azure」とSAP社のマネージド型クラウド基盤「SAP HANA® Enterprise Cloud」を活用しています。
クラウド化によって運用負荷の軽減や、BCP・DR※の強化が実現できることから、当社では他の基幹システムを含むすべてのITシステムをクラウドへ移行する計画としています。

  • BCP:Business Continuity Plan(事業継続計画)
    DR:Disaster Recovery(災害復旧)


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■三井不動産 執行役員 ITイノベーション部長 古田 貴 コメント

「旧会計システムが更新を迎えたタイミングと全社の働き方改革の本格始動が重なった経緯から、会計業務に限らずその周辺業務を含めた抜本的な間接業務の見直しを開始しました。人材リソース不足や各部門だけでは解決困難な課題を乗り越えるために、2016年9月、ITイノベーション部を中心とした経理部、総務部、各事業部の事務担当者を含む、総勢80名の部門横断型のプロジェクトチームを発足。約2年半に渡り、様々な領域のメンバーが、システムの標準化と実際のユーザー視点から、利便性の両立を図る企画・構想段階を経て、2019年4月に新システムの導入に至りました。さらにチームメンバーが各担当部門に新システムを社内浸透させる積極的な働きかけを担ったことで、システム刷新後のスムーズな運用を実現しています。今後はさらに未導入のグループ各社に対しても本システムの展開を進めていく計画です。」

■三井不動産のデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組み

三井不動産の長期経営方針「VISION 2025」で掲げた、「テクノロジーを活用し、不動産業そのものをイノベーション」を実現すべく、ITイノベーション部では「事業変革」「働き方改革」「システム先進化」の3つの方針でIT化を進めています。2019年4月には価値の創造、経営革新、収益水準・生産性の向上をもたらすために、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に積極的に取り組んでいる企業として、経済産業省及び東京証券取引所より「攻めのIT経営銘柄2019」に選定されました。

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