約7,000人の回答を基に「物流の2024年問題」への寄与と快適な物流施設づくりに生かす
「三井不動産ロジスティクスパーク」 従業員および初のドライバーへの満足度調査を実施
2023年12月5日
三井不動産株式会社
本リリースのポイント
- 三井不動産が運営する物流施設の従業員・トラックドライバーを対象に顧客満足度調査を実施。「物流の2024年問題」※の対策検討を目的としたトラックドライバーへの調査は初の試み。
- トラックドライバーへの調査では、常にバースへの入庫タイミングを気にしながら、時間に追われ、慌ただしくトイレや休憩室等を利用している実態が判明。施設のハードおよびソフトにおいて、よりトラックドライバーの利便性・効率性を考慮していく。
- 従業員の管理者への調査では、物流オペレーションを支える労働力確保と雇用の維持に対する強いニーズを確認。休憩スペースや食事環境の整備のほか、警備や日常清掃等、運営管理の細やかな対応が従業員の満足度において重要であり、調査結果を継続的な改善に生かす。
三井不動産株式会社(本社:東京都中央区 代表取締役社長 植田俊)は、当社が開発および管理運営を行う三井不動産ロジスティクスパーク(MFLP)・三井不動産インダストリアルパーク(MFIP)の従業員・トラックドライバーを対象とした顧客満足度調査を実施し、約7,000人より回答が得られました(内、従業員約5,700人、トラックドライバー約1,300人)。本日回答内容の一部を公表いたします。
調査結果を施設計画、管理運営、DX活用等に生かし、従業員・トラックドライバー、そしてテナント企業から選ばれ続ける物流施設の開発・運営に引続き取り組んでまいります。
1.当社初のトラックドライバー調査
今回の定量調査ではトラックドライバーの約8割が休憩所や喫煙所をほとんど使用しておらず、使用していると回答した方の中でも約6割の方が「バース入庫までの時間がある場合」のみ設備を利用しているということが分かりました。個別ヒアリングの内容も含め、物流施設内において、常にバースへの入庫タイミングを気にしながら、時間に追われ、慌ただしく食事やトイレ等を済ませている実態が判明しました。
※2024年4月1日から働き方改革関連法がトラックドライバーに適用され、時間外労働の上限が 年 960 時間(月 80 時間)となることによって生じる諸問題
調査により判明したトラックドライバーの労働状況、施設の利用状況等の実態をもとに、DX活用や様々な施策を組み合わせ、トラックドライバーの労働環境改善をサポートし、2024年問題の解決に取り組んでまいります。
<個別ヒアリングでの回答内容>
- 「荷主からの入庫許可の連絡に遅れたくないので、待機場でもトラックは離れません」(MFLP市川塩浜II)
- 「行き先がすぐにわかるよう、物流施設に入った瞬間に受付や入居企業が分かる看板表示があるとよい」(MFLP茨木、MFLP日野)
<今後取り組む改善策>
ドライバーの荷待ち時間削減に寄与するHacobu社の「バース予約システム」を本年10月より全施設標準採用としております。更なるテナント企業の導入促進や、「バース予約システム」を入退場時の車番認証と連携することを一部施設で導入する等、一層の効率化の検討を進めてまいります。
また、今回の調査結果を踏まえ、新築物流施設の設計段階において以下の点を検討してまいります。
- トラックドライバーが利用しやすい場所にあるトイレ、休憩所およびコンビニ等の配置検討
- 動線、案内標識、サインをより効率性を重視した仕様に改善
既存物流施設の管理運営においては以下のような施策を検討いたします。
- トラックを離れずとも受けられるサービスのご提供
MFLP海老名I
喫煙所一体型の大規模トラック待機場
MFLP茨木
トラック待機場に近接するコンビニ・ラウンジ
2.従業員への施設満足度調査
(1) 調査結果
従業員を対象とした調査では、「防災センターの対応」「警備担当者の対応」「清掃状況」「ラウンジ」の施設のハードおよびソフト面の満足度について、「満足/大変満足」が8割以上を占めました。2018年、2021年に実施した過去の調査に続き高い評価を維持できており、今後も施設のハードの充実と運営を中心としたソフトの改善を実施し、従業員が働き続けたいと思える施設づくりに取り組んでまいります。
また、調査のフリーアンサーでは、施設の満足度について高い評価の声がある一方、従業員の管理者からは、労働力確保と雇用の維持において施設側の設計・運営上の細やかな対応が重要というニーズが確認できました。
<お客様の声(従業員)>
- 職場が家から近い。施設が綺麗で休憩室にコンビニやテレビもあるので、寛げるから長く働きたい。(MFLP日野)
- 一緒に働いている人達が、優しくて働きやすい。設備が整っており、車通勤が出来る。ラウンジが綺麗。トイレ等衛生面が清潔なので、働き続けたい(MFLP海老名I)。
<お客様の声(従業員の管理者)>
- 「立地場所、定期設備点検の対応力、防災センター・警備員の的確な対応等が安心できる」(MFLP広島I)
- 「十分な座席スペース、清潔で十分な数のトイレ、空調環境が従業員の雇用には重要」(MFLP船橋I)
(2)改善の仕組み
調査結果を全物件の所長にフィードバックし、各物件で一つ一つの結果を精査し、アクションプランの作成および必要な施策は予算化し、継続的な改善に努めます。今後も定期的なCS調査を実施し、従業員のニーズに合わせた改善を継続し、選ばれる物流施設の開発・運営に取り組んでまいります。
3.調査概要
実施時期 | 2023年8月21日(月)~ 9月7日(木) |
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対象物件 | 23物件(関東・中部・関西・中国エリア) |
対象テナント数 | 約110社 |
対象者 | 施設の従業員・トラックドライバー 約2万名(従業員/約1.4万名、トラックドライバー/約5,000名) |
回答数 | 従業員/ 5,718回答(回答率43%)、トラックドライバー/1,345回答(回答率27%) |
設問数 | 従業員/23問、トラックドライバー/17問 |
調査方法 | ウェブアンケート |
■三井不動産の物流施設事業について
三井不動産は、2012年4月に物流施設事業部(現 ロジスティクス本部)を立ち上げ、本格的に物流施設開発に取り組んでおります。現在では、「三井不動産ロジスティクスパーク(MFLP)」を旗艦ブランドとして、「MFLP船橋Ⅲ」や「MFLP海老名Ⅰ」など、国内外に開発・運営施設64物件を展開しており、今後も積極的に新規展開を図ってまいります。また、「ともに、つなぐ。ともに、うみだす。」を事業ステートメントとして掲げ、入居企業の皆さまの課題解決パートナーとして、多種多様なヒト・モノ・コトをつなげること、既存の枠にとらわれない価値づくりに挑戦してまいります。
<三井不動産の物流施設における顧客満足度に資する各種取り組み>
(1)ドライバーの待ち時間削減に資するサービス
株式会社Hacobuの「MOVO Berth」(バース予約システム)を本年10月よりMFLP・MFIPの全施設にてランニング費用無償で利用可能としております。「MOVO Berth」は、ドライバーの荷待ち時間を削減、入場時間を分散し、車両の混雑を緩和するサービスです。
「MOVO Berth」Webサイト:https://hacobu.jp/movo-berth/
<参考リリース>
Hacobuと多業種企業との取り組み構想及び新パートナーシップについて
ビッグデータを活用しドライバー不足等の物流課題解決へ
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2019/0919_01/
(2)快適性の高い働きやすい施設・サービス
- 常駐設備員・警備員の配置による一貫性のある管理・ご支援
- 徹底した清掃による清潔感のある施設の維持
24時間365日対応の防災センター
(MFLP船橋I)
徹底した清掃の様子
(MFLP船橋III)
(3)関心の高いESG/SDGsに対応した施設・サービス
①環境にやさしい施設づくり
- 環境認証の取得
- 太陽光発電設備の導入
- LED照明等省エネ仕様の推進
- 非化石証書付きグリーン電力の提供
- 多様な人材が働きやすい環境整備(一部施設に託児・ジム・礼拝堂・ジェンダーレストイレ等を整備)
- 地域に根付いたイベント実施(MFLP船橋、MFLP日野)
<参考リリース>
約3,000m2の既存緑地を保全活用、自然とのつながりを感じられる「BIOPHILIC LOGISTICS CENTER」
「三井不動産ロジスティクスパーク(MFLP)海老名南」着工
日本ロジテムが神奈川エリアの重点注力拠点として1棟を使用
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2022/1220/
②災害に強い施設・サービス
- 在館人口×3日間分の防災備蓄品の標準化
- 72時間対応の非常用発電機
- 全施設被災度判定システムの導入
- 一部施設での自治体との防災協定締結(災害発生時の避難民受け入れ等)
- 入居テナント向け災害対策訓練の定期実施
<参考リリース>
都内最大・延床面積25万m2超、三井不動産と日鉄興和不動産による
街づくり型物流施設「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」着工
~板橋区・ヤマト運輸と災害に関する4者基本合意書を締結し、地域防災に貢献~
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2023/0126/
■三井不動産グループのSDGsへの貢献について
https://www.mitsuifudosan.co.jp/esg_csr/
三井不動産グループは、「共生・共存」「多様な価値観の連繋」「持続可能な社会の実現」の理念のもと、人と地球がともに豊かになる社会を目指し、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)を意識した事業推進、すなわちESG経営を推進しております。当社グループのESG経営をさらに加速させていくことで、日本政府が提唱する「Society 5.0」の実現や、「SDGs」の達成に大きく貢献できるものと考えています。また、2021年11月には「脱炭素社会の実現」、「ダイバーシティ&インクルージョン推進」、2023年3月には「生物多様性」に関し、下記の通りグループ指針を策定しました。今後も、当社グループは街づくりを通じた社会課題の解決に向けて取り組んでまいります。
【参考】
・「脱炭素社会実現に向けグループ行動計画を策定」
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2021/1124/
・「ダイバーシティ&インクルージョン推進宣言および取り組み方針を策定」
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2021/1129_02/
・「グループ生物多様性方針を策定」
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2023/0413/
*なお、本リリースの取り組みは、SDGs(持続可能な開発目標)における2つの目標に貢献しています。
目標8 | 働きがいも経済成長も |
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目標11 | 住み続けられるまちづくりを |