• 物流施設

「三井不動産ロジスティクスパーク」新事業戦略を策定
国内新規開発8物件、累計総投資額は約1兆2,000億円に拡大

2024年7月11日
三井不動産株式会社

本リリースのポイント

  • 2024年4月公表の新グループ長期経営方針「& INNOVATION 2030」に基づく新事業戦略を策定
    • 広場等の整備や、地域の防災拠点・交流の場の設置、ドローンの実証実験フィールドを併設する等、 街の暮らしを豊かにする「街づくり型物流施設」の開発を推進
    • DXを活用した物流の自動化や、当社独自の物流ソリューションの提案・提供により、荷主企業のサプライチェーン改革を支援
    • 冷凍・冷蔵倉庫の開発推進、データセンター事業の拡大、工場・インフラの設備等、多様化するニーズに対応すべく事業領域を拡大
    • テナント向け「グリーン電力提供サービス※1」、当社グループ保有林の木材活用等、物流業界における先駆的な環境配慮の取り組みを推進
  • 国内新規8物件の開発を決定し、国内外開発施設は75物件、延床面積約600万m2、累計総投資額約1兆2,000億円に事業拡大

三井不動産株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:植田俊)は、2024年4月に公表した新グループ長期経営方針「& INNOVATION 2030」のもと、今後のロジスティクス事業における新事業戦略を策定しました。また、物流施設の新規開発物件をお知らせいたします。

近年物流業界では、ECの拡大とともに物流市場が拡大する一方、「物流の2024年問題」や深刻な労働力不足が課題となっており、2030年には2015年比で全国の約35%※2の荷物を運べなくなる可能性があるとも言われています。

このような状況のなか当社は、ロジスティクス事業における新事業戦略に基づき、テナントや地域社会が抱える様々な課題解決に取り組みます。不動産デベロッパーの枠を超えた「産業デベロッパー」として、社会のイノベーション・付加価値の創出に貢献し、物流業界の持続可能な成長に寄与してまいります。

  • 1 グリーン電力提供サービス: グリーン電力提供サービス施設で使用する電力を非化石証書の活用によって実質的に再生可能エネルギーとして提供する三井不動産が独自に構築したサービス。
  • 2 参考:(株)野村総合研究所「トラックドライバー不足の地域別将来推計と地域でまとめる輸配送」

これまでの開発・運営施設67物件に加え、新たに8物件の開発が決定し、当社のロジスティクス事業として開発する施設は計75物件(国内66物件・海外9物件)、総延床面積は約600万m2となりました。竣工稼働施設は国内49物件・海外2物件・延床面積約400万m2となり、累計総投資額は約1兆2,000億円に拡大しています。

開発施設数、総延床面積の推移(各年度)

物件数 国内:66物件  海外:9物件  計75物件
(竣工稼働施設:国内49物件・海外2物件 計51件)
総延床面積 約600万m2 (竣工稼働施設:約400万m2
累計総投資額 約1兆2,000億円 (2012年4月事業開始以降)

※2024年7月11日時点/今般発表の8物件を含む

■「三井不動産ロジスティクスパーク」新事業戦略について

1.ロジスティクス事業のさらなる成長

(1) 地域一体型の「街づくり型物流施設」の開発推進

当社は豊かな街づくりに貢献するため、地域に開かれた広場や保育所を併設した「MFLP船橋」のほか、職業訓練施設も入居する複合用途の「MFIP羽田」など、「街づくり型物流施設」の開発を推進しています。

2024年9月末には、新たなフラッグシップ施設として、日鉄興和不動産株式会社との共同事業による、都内最大の物流施設「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」が竣工します。災害時には、地域住民1,000人の緊急一時退避場所となり、敷地内に併設する高台広場は緊急着陸用のヘリポートとしても使用可能です。さらに、ドローン飛行用のフィールドと賃貸用 R&D 区画を整備し、板橋区内における災害時に備えて、ドローンによる物資配送や災害支援活動の実証実験などを実施予定です。

また、労働力不足や雇用維持の課題解決に貢献すべく、当社施設従業員・トラックドライバーを対象に顧客満足度調査を実施しており、その結果を物流施設の施設計画や管理、運営等に反映することで、働き手から選ばれる施設づくりに取り組んでいます。

「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」


「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」外観イメージパース

  • 都内最大・延床面積約25万m2超
  • 板橋区等と「災害時等における防災施設整備等に関する基本合意書」を締結
  • 地域に開かれた施設として交流イベントを開催
  • 「板橋ドローンフィールド」を併設し、ドローンによる物流配送、災害時活用、点検等の実証実験の場を提供

※参考リリース
2023年1月26日「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」着工リリース:https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2023/0126/
2024年6月5日「板橋ドローンフィールド」 開設決定リリース:https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2024/0605/
2023年12月5日従業員・ドライバーへの満足度調査実施リリース:https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2023/1205/

(2) 物流ソリューションの提案・提供によりサプライチェーン改革を支援

  • 「MFLP &LOGI Solution」
    2023年4月に発足した物流コンサルティングプラットフォーム「MFLP &LOGI Solution」では、50社以上のパートナー企業を擁する独自のネットワークを活かし、荷主企業のサプライチェーンの改革を支援するサービスを提供しています。「MFロジソリューションズ」と国内ハウスビルダーが連携して行ったプロジェクトでは、物流コストを「見える化」し、将来計画も見定めたうえで、工場・倉庫拠点の集約や輸配送料金プランの見直しを行い、サプライチェーンの改革支援を進めています。
  • 「MFLP &LOGI Sharing」
    2024年4月より、EC事業者に対し「MFLP &LOGI Sharing」の提供を開始しました。「MFLP船橋」内の「EC自動化物流センター」のシェアリングのみならず、注文受付や配送手配、在庫管理などのフルフィルメントサービスを担うことで、EC事業者の方々の成長を支援します。

    EC自動化物流センター

このほか、中継拠点構築ニーズに応える施設の開発・運営や、フィジカルインターネットサービスによる物流輸送網の構築に向けた取り組みなどを通じて、荷主企業のサプライチェーン改革や物流業務の効率化をサポートすると共に、「2024年問題」に対応してまいります。

※参考リリース
2024年4月19日ECブランドの成長を支援するプラットフォーム提供開始リリース:https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2024/0419_01/
2024年5月17日フィジカルインターネットの事業化に関する覚書締結リリース:https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2024/0517/

2.多様化するニーズに対応すべく事業領域を拡大・多角化

(1) 冷凍・冷蔵倉庫の開発
MFLP初となる全館冷凍・冷蔵倉庫として、「MFLP船橋南海神」(千葉県船橋市)、「(仮称)MFLP杉戸」(埼玉県杉戸町)の2物件の開発が決定しました。今後も冷凍・冷蔵倉庫が集積している船橋エリアや厚木エリアを中心として全館冷凍冷蔵倉庫の開発を推進し、ますます拡大する食品ECや、チルド配送のニーズに対応するほか、2018年施行の改正オゾン法により定められている、自然冷媒への転換目標の達成にも貢献してまいります。

(2) データセンター事業の強化
生成AIや5Gの普及による更なる需要の高まりを捉え、データセンター事業を強化。既存の3施設に加え、新たに「日野DC計画」、「相模原DC計画」の開発が決定しています。都心型データセンター、コロケーション型データセンターにも事業領域を拡大し、積極的にデータセンター事業を強化してまいります。

(3) 工場・インフラストラクチャー事業への参入
当社では「MFIP羽田」をはじめ、倉庫・オフィス・ラボ等の産業活性化に寄与する複合用途施設の開発を進めてまいりました。2025年秋頃には、三井不動産グループの事業提案制度「MAG!C」から生まれたグルメプラットフォーム「mitaseru(ミタセル)」の製造拠点を「MFLP船橋」内に新設予定です。工場・インフラストラクチャーにも事業領域を拡大し、商品製造工場から保管、配送まで、一気通貫した独自のサプライチェーンを構築してまいります。

※参考リリース
2024年6月25日「mitaseru」新会社設立リリース:https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2024/0625/

3.物流業界における先駆的な環境配慮の取り組みを推進

当社では、太陽光発電設備の設置を推進し、オンサイトによるグリーン電力の供給や、テナントの要望に応じた専有部への「グリーン電力提供サービス」等、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進しています。

2023年10月には、当社と三井不動産ロジスティクスパーク投資法人が保有する全施設の共用部供給電力の100%グリーン化※3を達成しました。また、新築・既存全物件において、「DBJ Green Building認証」、各種「ZEB認証」または「arc」いずれかの外部認証を取得しています。

さらに、2024年度中の着工を予定している「MFIP海老名」では、三井不動産グループが北海道に保有する森林約5,000haの木材を、構造材、および内装・仕上げ材に使用し、「植える→育てる→使う」のサイクルを回すことで、持続可能な森林経営による“終わらない森”創りにも貢献してまいります。


「MFIP海老名」外観イメージパース

※3 グリーン化:太陽光発電自家利用と非化石証書等を利用して使用電力を実質的に再生可能エネルギーとすること

■ 国内で新たに8物件の開発を決定

これまでの開発・運営施設67物件に加え、新たに8物件の開発が決定しました。

(1) 「三井不動産ロジスティクスパーク横浜新子安」 神奈川県横浜市 2025年2月竣工予定
(2) 「三井不動産ロジスティクスパーク京都八幡Ⅰ」京都府八幡市2027年7月竣工予定
(3) 「三井不動産ロジスティクスパーク京都八幡Ⅱ」京都府八幡市2028年9月竣工予定
(4) 「(仮称)三井不動産ロジスティクスパーク仙台名取Ⅱ」宮城県名取市2025年12月竣工予定
(5) 「(仮称)淀川区加島物流施設計画」大阪府大阪市2027年9月竣工予定
(6) 「(仮称)三井不動産ロジスティクスパーク杉戸」埼玉県北葛飾郡 2026年12月竣工予定
(7) 「日野DC計画」東京都日野市
(8) 「相模原DC計画」神奈川県相模原市

「MFLP横浜新子安」 外観イメージパース

「(仮称)MFLP仙台名取Ⅱ」 外観イメージパース

■ 三井不動産 ロジスティクス事業 これまでの歩み

年度 主な開発・取り組み
2012 物流施設事業部発足、ロジスティクス事業への参入(GLP・MFLP市川塩浜)
2014 初めての当社単独開発物件(MFLP八潮)
関西初の開発物件、初めてのマルチ型倉庫の開発(MFLP堺)
2015 ロジスティクス本部として独立
2016 入居企業様との親睦を深めるためMFLP THANKS PARTYの実施
三井不動産ロジスティクスパーク 投資法人上場
※2022年3月時点 資産規模 約3,400億円
2017 省力化・自動化ニーズの高まりを受け「MFLP船橋Ⅰ」内に「MFLP ICT LABO」開設
2018 自動化・省人化をはじめとした更なる物流ソリューション営業強化を目的に物流総合コンサルティング会社「MFロジソリューションズ(株)」を設立
2019 オフィス・研修施設・産業支援施設等の複合型施設竣工(MFIP羽田)
2020 フルオートメーション物流モデルを展示した「MFLP ICT LABO 2.0」を開設
2021 街づくり型プロジェクト「MFLP船橋」完成
総延床面積約70万m2
2022 最高ランク『ZEB』認証取得の環境配慮型グリーンエネルギー倉庫「MFLP海老名Ⅰ」竣工
「MFLP船橋Ⅲ」内に「EC自動化物流センター」を開設
2023 ハードとソフトの両面での物流の課題解決をミッションとした新組織「イノベーション推進室」を新設
「MFLP&LOGI Solution」提供開始
2024 「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」竣工予定(2024年9月末)

■ 三井不動産のロジスティクス事業ステートメント

『ともに、つなぐ。ともに、うみだす。』
入居企業の皆様の課題解決パートナーとして、多種多様なヒト・モノ・コトをつなげ、
既存の枠にとらわれない価値づくりに挑戦します。
そして、社会のさらなる豊かな暮らしに貢献します。

■ 三井不動産グループのサステナビリティについて

三井不動産グループは、「共生・共存・共創により新たな価値を創出する、そのための挑戦を続ける」という「&マーク」の理念に基づき、「社会的価値の創出」と「経済的価値の創出」を車の両輪ととらえ、社会的価値を創出することが経済的価値の創出につながり、その経済的価値によって更に大きな社会的価値の創出を実現したいと考えています。
また、2024年4月の新グループ経営理念策定時、「GROUP MATERIALITY(重点的に取り組む課題)」として、「1.産業競争力への貢献」、「2.環境との共生」、「3.健やか・活力」、「4.安全・安心」、「5.ダイバーシティ&インクルージョン」、「6.コンプライアンス・ガバナンス」の6つを特定しました。これらのマテリアリティに本業を通じて取り組み、サステナビリティに貢献していきます。

【参考】
・「グループ長期経営方針策定」
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/innovation2030/
・「グループマテリアリティ」
https://www.mitsuifudosan.co.jp/esg_csr/approach/materiality/

*本リリースの取り組みは、SDGs(持続可能な開発目標)における4つの目標に貢献しています。


新規開発施設概要

(1)「MFLP横浜新子安」

首都高速神奈川1号横羽線「生麦」IC至近、神奈川産業道路や国道15号線へのアクセス良好
首都圏広域への配送に加え、都内配送にも優れた物流立地


外観イメージパース

所在地 神奈川県横浜市
アクセス 神奈川7号横浜北線「岸谷生麦」出入口約0.8km
京浜急行電鉄本線「生麦」駅より徒歩約13分
敷地面積 約60,189m2(約18,207坪)
延床面積 約136,641 m2(約41,334 坪)
規模 地上5階建/ダブルランプウェイ型
着工予定 2023年10月
竣工予定 2025年2月(予定)

【位置図】

(2)「MFLP京都八幡Ⅰ」
(3)「MFLP京都八幡Ⅱ」

第二京阪道路「八幡京田辺」IC至近
新名神高速道路のさらなる開通により、名古屋、大阪、神戸への良好なアクセスが期待できる好立地


外観イメージパース

所在地 京都府八幡市
アクセス 第二京阪道路「八幡京田辺」IC2.8km
京阪本線「樟葉」駅よりバス約12分
京阪バス「御幸谷」停留所より徒歩約7分
敷地面積 約116,103m2(約35,121坪)
延床面積 Ⅰ:約81,338m2(約24,604坪) Ⅱ:約166,798m2(約50,456坪)
規模 Ⅰ :地上4階建/スロープ型 Ⅱ:地上4階建/ランプウェイ型
着工予定 Ⅰ:2026年2月(予定) Ⅱ:2026年10月(予定)
竣工予定 Ⅰ:2027年7月(予定) Ⅱ:2028年9月(予定)

【位置図】

(4)「(仮称)MFLP仙台名取Ⅱ」

「MFLP仙台名取Ⅰ」に続く東北エリア第2号物件
周囲の就業環境が良く、雇用確保も期待 市内配送と広域配送の両面に対応可能


外観イメージパース

所在地 宮城県名取市
アクセス 仙台東部道路「名取中央」SIC約0.9km
仙台空港アクセス線「杜せきのした」駅より徒歩約12分
敷地面積 約15,985m2( 約4,835坪)
延床面積 約32,248m2(約9,755坪)
規模 地上3階建/BOX型
着工予定 2024年9月(予定)
竣工予定 2025年12月(予定)

【位置図】

(5)「(仮称)淀川区加島物流施設計画」

SGリアルティ株式会社との共同事業
阪神高速11号池田線「加島出入口」に近接、名神高速道路や大阪市内および周辺の主要港へのアクセスも良好
通勤利便性も兼ね備える好立地


外観イメージパース

所在地 大阪府大阪市
アクセス 阪神高速11号池田線「加島」IC約0.9km
名神高速道「豊中」IC約5.7km
JR東西線「加島」駅より徒歩6分
敷地面積 約93,225m2( 約28,200坪)
延床面積 約206,578m2(約62,490坪)
規模 地上5階建/ダブルランプウェイ
着工予定 2025年12月(予定)
竣工予定 2027年9月(予定)

【位置図】

(6)「(仮称)MFLP杉戸」

国道4号線、16号線に近接、関東各方面への配送適地
様々な温度帯に対応可能な、当社初のマルチ型冷凍冷蔵倉庫として開発


外観イメージパース

所在地 埼玉県北葛飾郡
アクセス 東北自動車道「岩槻」IC約11.0km
圏央道「幸手」IC約11.0km
東武伊勢崎線「北春日部」駅より徒歩約24分
春日部コミュニティバス「小淵団地」バス停より徒歩約7分
敷地面積 約7,554m2(約2,285坪)
延床面積 約11,877m2(約3,592坪)
規模 地上3階建/BOX型
着工予定 2025年6月(予定)
竣工予定 2026年12月(予定)

【位置図】

三井不動産の国内外物流施設マップ(2024年7月11日時点)


クリックすると拡大します